メールやお知らせ文書などで、「ご理解のほどよろしくお願いいたします」というフレーズを目にしたことはないでしょうか。人にお願いをするときに使うデリケートな言葉なので、失礼にならないよう十分注意して使いたいものです。使い方を間違えると「上から目線」なイメージを与えてしまうことも…!
そこで今回は「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の意味と、ビジネスでの使い方、言い換え表現や英語表現までご紹介。例文を使って分かりやすく解説しますので、是非参考にして下さい。
この言葉の意味は、簡単に言うと次のようになります。
こちらのやむにやまれぬ事情をあなたの広い心でどうか分かってほしいのです。お願いします。
このように、相手にとって不利益、または条件がよくない話を持ち出し、その状況を理解し、納得してもらいたい場合に使うことができます。これには、「その状況が改善できると良いのですが、中々難しいので許してほしい」というこちらの誠意と謝罪の意味が含まれます。
「ご理解よろしくお願いいたします。」と使うこともできますが、これはもう決まってしまった事柄に対して、「そういうことなので受け入れてください。よろしく」というニュアンスが強く、場合によっては「こちらの都合を聞かずに一方的に決まったのか!」と、相手に不快感を与えます。
「ほど」を挟み込むことによりマイルドな言い回しになり、「聡明なあなたなら、こちらの事情を理解し、きっと許してくださると信じております」という相手の懐の深さを賞賛する印象が出て、尊敬の意味合いが強くなります。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、相手にとってご不便となる、あるいは都合が悪いことに対して「理解を求める」シーンで使います。「どうかご理解ください」とお願いしていくスタンスとなるため、その使い方には細心の注意が必要。一歩間違えると失礼な印象につながりかねません。
ポイントとなるのは「いかに丁重に伝えるか」。あくまでも礼儀正しく、丁寧に理解を求めていく、そんな姿勢を上手に伝えることが大切です。
ということで、ビジネスシーンで使う際にはこの一文単独ではなく、もう少し丁寧な言葉を付加して用いるパターンが多いです。もちろん一文単独で使うこともありますが、例えばポスターやサムネイルのように「パッと見て分かる」表現にしたい時に単独で使われる印象です。
「何卒(なにとぞ)」は「どうか〜」「何とか〜」という意味を持つ言葉。「何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします」とすると、「心苦しいのですが、そこを何とか」といった低姿勢なニュアンスが追加されるため、おすすめの言い回しです。
ちなみに「何卒」は話し言葉というよりも、メールや文書で多く用いられます。ビジネスでのお願いシーンではかなりひんぱんに使われる言葉です。
クッション言葉とは、用件をズバリ述べてしまうと相手に不快感を与えてしまうようなときに、表現を柔らかくするために「前置き」して使う言葉のことを指します。人にお願いをするようなシーンでは、このクッション言葉を上手に使いこなすことで印象がガラッと変わってきます。
例えば、
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」
「ご不便をおかけしてしまいますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします」
この2つを聞き比べるとどうでしょうか。クッション言葉をつけた方が、より相手に寄り添った丁寧な表現となるのがお分かりいただけたのではないでしょうか。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、話し言葉としてもメールなどの書き言葉としても使うことができます。メールや文書など、書き言葉として使う場合は先ほどの「何卒」とセットと考えてしまっても良いかもしれません。
一方、話し言葉の場合には「恐れ入りますが〜」などのクッション言葉をつけると使いやすいです。ややカジュアルにはなりますが「すみませんが〜」をつけるのもよく聞かれる表現です。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」を分解すると、「理解」に尊敬を表す接頭語「ご」がついており、「いたします」は謙譲語の「いたす」に丁寧語「ます」がついた言葉。つまりフレーズとしては敬語表現になっているといえます。
ですが、明らかに目上の人や上司に対して「ご理解」という言葉は使いづらいもの。クッション言葉を使って「申し訳ございませんが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします」というのも間違いではありませんが、別の表現に言い換えるのもおすすめです。
「何卒ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。」
⇒目上の人に承諾をもらう時に「了承を得る」という表現をすることから、「了承」は目上の人や上司に対して使うのに適しています。
「どうかご容赦のほどよろしくお願いいたします。」
⇒「容赦(ようしゃ)」は「ゆるす」という意味を持つ言葉です。
これらは目上の人や上司に対して使うのにぴったりの表現と言えるでしょう。「ご理解のほど」の言い換え表現については、後ほど改めてご紹介します。
それでは例文を何点か見ていきましょう。
例文3のように「ご理解ご協力のほど」と「ご協力」を付加した表現もポピュラーです。「ご理解いただいたうえで、どうかご協力をお願いしたい」といったニュアンスです。便利なフレーズなので是非活用してみてください。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」の言い換え表現を何点かご紹介します。
●ご理解賜りますようお願い申し上げます
「ご理解のほど」ではなく「ご理解賜り(たまわり)ますよう」といった丁寧な表現を使っています。また「お願いいたします」の代わりに「お願い申し上げます」という表現も覚えておくと便利です。
●ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
「お許しくださいますよう」といったニュアンス。取引先や客先に対して使いたい時におすすめの表現です。
●ご了承のほどよろしくお願いいたします。
「どうか聞き入れて下さいますよう」といった意味合い。社外のほか、社内で上司に対して使いたい時におすすめの表現です。
「ご了承のほど」と「ご理解のほど」は、どちらにするか迷いやすい言い換え表現です。この2つはとてもよく似ているので、どちらを使っても問題ないことも多いです。あえて使い分けるとするなら、次のように判断されてはいかがでしょうか。
「ご理解のほどよろしくお願いいたします」は、先ほどの例文にあった「〇〇工事のお知らせ」「コロナ感染対策のお知らせ」のように、多数の人に向けて使うケースが多いです。お客様各位に向けた「納期遅れのお知らせ」なども「ご理解」を使うことが多いようです。
一方、「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は、目上の人や上司などに向けてピンポイントで使う場合に適しています。例えば、
「先日の機械の不具合ですが、予定通りA部品交換にて対応させていただきます。何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。」
といった具合です。
また、「夏期休業のお知らせ」「年末年始休業のお知らせ」といった休業のお知らせでは「ご了承のほど」を使うケースが多いようです。休業は毎年のことですし、大きな問題が起きているわけでもないことから、「承知しておいて下さい」といったニュアンスで「ご了承のほど」を使っていると考えられます。
最後に英語表現のご紹介です。
“Please 〜” を使ってお願いするのではなく、「あなたのご理解に感謝します」「ご理解くださるならありがたいです」といった意味合いです。
あまり押し付けがましくなく、どこか奥ゆかしい素敵な表現ですね。
今回は「ご理解のほどよろしくお願いいたします」について詳しく解説しました。「どうしても事情があるため、どうかご理解ください、お願いします」といった意味で用いられる言葉です。
相手にとっては都合が悪いことに対して理解を求めていくフレーズなので、いかに丁重に伝えるかがポイント。クッション言葉もいくつかご紹介しましたので、シーンに応じてアレンジして使いこなしてみてください。
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