「お目にかかる」とは、「会う」の尊敬語です。「お目にかかる」の「お」は尊敬を表す接頭語、「目」が他人の目を示し、「かかる」は「目にとまる」「見られる」を意味を指しています。ビジネスの場で言葉づかいがきちんとしているかどうかというのは、その人の評価に大きくかかわることです。特に敬語は使い方を間違うと自分が恥ずかしい思いをするだけでなく、先輩や上司にも恥をかかせてしまうことになるので注意しましょう。
今回はビジネスでよく使われる敬語、「お目にかかる」の意味や使い方を紹介します。
多くの人が知っているように、敬語は大きく丁寧語・尊敬語・謙譲語にわけられます。「お目にかかる」は、自分やその動作、状態などをへりくだって表現する謙譲語であることを覚えておきましょう。ほかには「いただく」「伺う」「申し上げる」などがあります。
これに対し、尊敬語は相手やその動作、状態などを高めて表現することで、その人に対する敬意を表します。「いらっしゃる」「召し上がる」「おっしゃる」「なさる」などは尊敬語になります。
丁寧語は、話す人もしくは書く人の丁寧な気持ちを直接表現するために使う言葉で、単語の前に「お」をつけたり、語尾を「です」「ます」「ございます」などにしたりすることがそれにあたります。
「お目にかかる」を言い換えると、「(目上の人に)お会いする」で「会う」ことを意味します。また自分がへりくだるということは、このフレーズを使うときの相手は上司や目上の人、お客様や取引先の担当者といった、立場が上の人ということになります。ですから、会社を訪ねてきたお客様に対して「課長にお目にかかりますか?」と言うのは間違いで、この場合「課長にお会いになりますか?」と言う必要があります。「お目にかかる」の主体は自分でなければならないわけで、お客様をへりくだらせてしまってはいけないということです。
「お目にかかる」は「会う」という意味で、へりくだった、つまり自分を下にして使うフレーズですが、実際にはどのように使うのでしょうか。具体的な文を例にあげて使い方を確認してみましょう。
「〇〇様にお目にかかることができて、光栄です。」
「課長の〇〇様にお目にかかりたいのですが、お取次ぎいただけますか?」
「お客様にお目にかかるのを楽しみにしております。」
「それでは明日、お目にかかるのを楽しみにしております。」
などのように使うのが一般的です。
ビジネスシーンで一目置かれている人は正しい敬語を使っている人が多いです。社会人として、「お目にかかる」の意味、使い方を理解し、ビジネスシーンで使いこなし“できる人”をアピールしていきましょう。
・執筆:山岸りん
短大卒業後、自動車ディーラーをはじめ金融関係、介護関係、保育、学習塾と幅広い業種での経験があり、現在は学習塾で小学生の学習に携わっています。
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