「自己管理能力」という言葉があります。字面上は「自己」を「管理する能力」ですね。これは、自分の「何を」管理する力なのでしょう。また、自己管理能力を高めるにはどんなことをすればよいのでしょうか。今回は「自己管理能力」についてご紹介します。
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自己管理能力は一般的に、
「自分をどう律し、管理し、コントロールするかという能力」
とされています。
例えば「明日早起きするために、夜はテレビを見るのをやめて寝よう」という具合です。ビジネスシーンにおいて、自分で予定を立てて期日までに仕事を仕上げるといった時間管理スキルも「自己管理能力」のうちの1つです。
「自己管理能力」と同じ意味で、別の表現に言い換えると、
・セルフマネジメント能力
・セルフマネジメントスキル
などがあります。
「マネジメント」には「管理」や「経営」という意味があるため、カタカナ言葉にすると上記のような表現になるというわけですね。
自己管理能力とは具体的に何を管理する力なのか、主なものをご紹介します。
毎日の食事に気をつける、適度な運動を心がけるといった健康管理・体調管理です。たばこやお酒をほどほどに、ストレスを上手に発散といったことも含まれます。自分を律し、コントロールすることで健康・体調を維持できれば、仕事でも高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
約束の時間に訪問する、締め切りまでに計画的に仕事を仕上げるといった、時間やスケジュールの管理です。「朝早起きをするから逆算して○時に寝よう」というのも1つの例でしょう。
1日の時間は24時間と決まっていますから、単に「時間を守る」だけではなく、限られた時間の中でどれだけ効率よく動けるか、そのためにはどうすべきかといった思考も大切です。
喜怒哀楽といった人間の持つ感情のコントロールです。人間は感情のある生き物ですから、ときには怒ったり、気分が沈んだりすることもあるでしょう。そこを上手に自己コントロールすることで、感情に支配されずに最大限の力を発揮できるようになります。
モチベーション、つまりやる気のコントロールです。モチベーション維持のためには達成感を感じることが大切。「モチベーションが下がっているな」と感じたら、改めて自分の目標を再確認したり、大きな目標をステップごとの小さな目標に落とし込んで成功体験につなげるようにする、といった工夫が必要です。
計画的にお金を使う、自分にとって必要なものを見極めてから購入する、といったお金の管理です。収入や支出を把握し、時には支出を見直すなどの管理を行うことで、徐々に資産を増やしていくことができるでしょう。
自己管理能力と一口に言っても、健康・時間・感情・モチベーション・お金など様々な要素があることが分かりました。これらを全て完璧にできなくとも、得意そうなところから意識してみるのも良さそうです。
自己管理能力を高めることができれば、次のようなメリットが期待できます。
・仕事がうまくいく
・人から信頼される
・自分に自信が持てるようになる
まず時間を意識し、効率を高めることで仕事にもプライベートにも良い影響があります。「うっかり締め切りが過ぎてしまった!」「約束を守れなかった!」といったミスを防ぐことができ、むしろ時間的な余裕が生まれることも。
感情コントロールでトラブルにも冷静に対処できるようになって、仕事での評価が高くなる可能性も大いにあるでしょう。
仕事で評価されるということは、同時に人から信頼されるということでもあります。「彼(彼女)なら任せられる」という信頼を得られれば、よりやりがいのある仕事へとキャリアアップできるかもしれません。
こうして歯車がうまく回るようになれば、自分に自信が持てるようになります。周りからの評価だけでなく、自分自身の評価も高まるからです。
自己管理とは、いわば「自分自身としっかり向き合う」ということ。その中で課題を1つ1つクリアしていくことができれば「自分にもできる」という実感につながります。自分に自信がもてれば、仕事もプライベートもより充実したものになるのではないでしょうか。
「そうは言っても、自己管理能力を高めるのはなかなか難しいーー。」
こんな風にお悩みの方は多いでしょう。確かに多忙な毎日の中で、ついついファーストフードだけで食事を済ませたり、ついつい約束をドタキャンしたりすることも。お金だってあれば使ってしまう、その気持ちよく分かります。
ところがその一方で、しっかり自己管理能力を発揮できている人もいます。そこまで意識せずとも自然に発揮できる人もいれば、努力を重ねて自己管理能力を鍛えた人もいるでしょう。では自己管理能力が高い人には、どのような特徴があるのでしょうか。
1つ目は健康的であるということ。ただし、もちろん健康は自己管理能力だけに左右されるものではありません。持病をお持ちの方も当然いらっしゃいます。ですが、自己管理能力が高ければ間食を控える・腹8分目・適度な運動など体調管理にも気を配るため、健康的な生活をしている人は多くなります。メタボや生活習慣病の予防にもつながっているでしょう。
健康は全ての活動の基本となるもの。仕事や家事育児・プライベートなどあらゆる方面に影響しますから、その土台をしっかり自己管理しているということです。
2つ目は、目的や目標を持っているということ。「私はこうしたい」「こうなりたい」という思いを明確に持っていると、「そのために自分はどうしたらいいのか」と具体的に考えますし、モチベーションや感情もコントロールしやすくなります。
もしかすると「仕事での目標が見つからない」という方もいるかもしれません。ですが、あまり大きな目標でなくても「目の前の仕事をやり遂げる」などでもアリです。
あるいは、仕事に限らず「自分はこうありたい」というもので考えてみては。例えば「彼女が欲しい」「これ以上太りたくない」などですね。
3つ目の特徴は、元々の性格がストイック、あるいは真面目であるということ。こういった性格の人は、さほど意識しなくとも自然に自己管理能力を発揮している可能性があります。
「時間を守れない自分は許せない」「仕事では絶対に結果を出したい」「資格は受けるからには一発で合格してみせる」ーーこのような思考の持ち主は「自分のあるべき姿」を強くイメージできるため、そこに向けての自己管理を惜しみません。
ここで、反対に自己管理能力が低い人の特徴についても触れておきます。簡単にいうと上記3つの特徴の逆ということにはなるのですが、もう少し具体的に挙げるならば、
・ダイエットとリバウンドを繰り返す
・買い物でついつい浪費してしまう
・時間にルーズ(遅刻・締め切りを守らない)
などがあります。時間にルーズだとビジネスではかなり不利になりやすいもの。それをカバーできるだけの圧倒的スキルがあれば別ですが、そうでなければ周囲からの信頼を得られずに職場にいづらくなる、なんてことにもなりかねません。
前述のとおり、自己管理能力が高いか低いかというのは、もともと持っていた性格によるところも大きいのは事実です。ですが、これからの努力次第で高めていくことも十分に可能です。
自己管理能力を高めるには、小さなことから訓練していくといいでしょう。以下のようなことを取り入れてみてください。
いきなり「起業して年収1億円を達成する」などの大きい目標を立てても、どうすればできるのかもわからず、挫折してしまいます。大きい目標を設定したら、まずはそれを小さく分けて、必ず達成できるレベルにしてから実践していくことです。
また、目標を立てる時には「その目標を達成したら何が得られるか」を具体的にイメージしてみましょう。先の例なら年収1億円を達成した時、どんな自分になっているでしょう。
「大勢の人の悩みを解決して、喜ばれている」こんな世の中になっているとワクワクしますね。あるいは「憧れだった車に乗っている」だって良いでしょう。具体的にイメージすることでモチベーションが上がり、自己管理能力UP間違いなしです。
さらに目標は紙に書いておくのもオススメ。自分の手で書き、見えるところに置くことで、しっかりと目標を認識できるようになります。
小さい目標を立てたら、それを達成するにはどうすればいいか、そのためにはどのように行動すればいいかを考えて、予定を立ててみましょう。予定をしっかり消化することができれば、自然に目標達成に近づいていくはずです。予定どおりに動いているのに目標が達成できないなら、目標が大きすぎるか、小さい目標の立て方が目標と合っていないかのどちらかでしょう。
例えば、ある会社の営業職のAさんの月の契約目標が20本だとします。20本取るには1日1本の契約が必要、成約率が10%だとすると、1日に10件の営業を掛ければ1本成約して、月の目標を達成できるという計算が成り立ちます。あとは1日に10件営業するための予定を立てればいいわけです。
そして、予定の方も記録を取っておくのがベター。予定を達成するためにどうしたか、達成できなかった場合、なぜ達成できなかったのかを見える化することが「管理」につながります。
そして3つ目、自分のことを客観的に、正確に評価する目を持つことも大切です。自分がどんな時に意志が弱くなるのか、逆にどんな時は自己コントロールできているのかなど、自分の特性を理解するということです。
苦手なところはどうしても避けたくなるものですが、そこを認めてあげることで、どうすれば自己管理できるようになるかの糸口が見つかるでしょう。
「自己管理能力」とは「自分を律しコントロールする能力」のこと。具体的には健康・時間・感情・モチベーション・お金など様々な要素を管理できる能力を指します。
ビジネスパーソンにとって「自己管理能力」があることは基本的なことですが、高いレベルで維持するのは難しいと考えられています。ただ、人を管理する仕事に就くには必須のスキルです。大勢の人を使って大きい仕事をしたい人は、しっかり身に付けておくべきでしょう。
文:マイナビ学生の窓口編集部
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