ビジネスの現場で使われる表現の中には、シーンによって何を指すのか、意味が微妙に違ってくるような言葉が多いもの。
「ステークホルダー」もその1つです。
一言でいうと利害関係者という意味なのですが、企業における利害関係者はかなり幅広い意味で捉えることもできるため、「この場合は誰を指しているか?」を適切に判断することが求められます。
ここでは「ステークホルダー」の意味や使い方、そして言い換え表現までを解説します。
▼目次
1.「ステークホルダー」の意味とは?簡単にいうと
2.ステークホルダーのビジネスシーンでの使い方・例文
3.ステークホルダーの言い換え表現・類義語
4.まとめ:ステークホルダーが誰を指すか場面ごとに判断しよう
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「ステークホルダー」の意味は、企業経営における利害関係者です。
株主・経営者・従業員・顧客・取引先はもちろん、金融機関や競合企業、地域社会や行政機関等も含まれます。
利害関係者という言葉通り、複数のステークホルダーの間の利害は、一致するとは限りません。株主は高い配当や株の値上がりを期待しますし、従業員は給与が上がることや恵まれた待遇を期待します。
また、顧客はできるだけ安価でしかも品質のよい商品やサービスを期待します。金融機関は、企業に貸したお金の返済や利息の支払いを期待し、行政機関は企業の法律順守や適正な納税を期待します。
ただの関係者ではなく、利害関係者であるのが、ステークホルダーです。
ステークホルダーの語源は、英語の
です。
ステーク(stake)は、「賭け事の賭け金」や「賞金」という意味があります。
ビジネスにおいてもある企業に関わっていくことで、影響を受けて良い価値を得られたり、反対に損害を被ったりするようになります。企業活動によって、こうした影響を受ける人のことをステークホルダーと呼ぶようになりました。
ちなみに、競馬の「〜〜ステークス」の「ステークス」もこのステークから派生しています。
ステークホルダーと似たような言葉に、「ストックホルダー」があります。この2つ、意味も音も似ているので混同してしまいがちです。
2つの違いは、
ストックホルダーは株主のみを指すため、ストックホルダーはステークホルダーの一部であると言うことができます。
大手企業は、社会への影響力が強いため、ホームページ等でステークホルダーに向けた取り組みを掲げる企業も少なくありません。最近ではSDGsの運動に関連してホームページ上に記載する企業も増えてきています。
こうした見出しがホームページ内「企業理念」「サステナビリティ」といったページ内にみられます。
いずれもステークホルダーとの関わりを重視し、コミュニケーションしながら社会の一員として貢献していきたいという趣旨が書かれていることが多いです。
ただし、それぞれの企業が掲げるステークホルダーの対象範囲は、その企業独自の考え方により金融機関や取引先が含まれなかったりする場合もあります。
ステークホルダーといえば利害関係者全般と決めつけず、文脈を読みとって、どのような対象範囲を指して使われているか判断するようにしましょう。
では例文を3つご紹介しましょう。いずれも経営の根幹に関わるような、シリアスなシーンでステークホルダーが用いられています。
この場合は、ステークホルダーは株主を指します。株主だけを指すのでしたら、ストックホルダーという言葉を使用するのが適切ですが、実際にはステークホルダーのほうが使用される場合もあります。
例えば、経営者と従業員という企業内の会議などで使われるステークホルダーは、顧客を指すことが多いでしょう。
会議の内容によっては、金融機関や行政機関を指すこともあるかもしれません。どういう条件下で使われるかによって、その都度ステークホルダーの対象範囲を考える必要があります。
企業は自社の繁栄のみを考えていると、長期的には上手くいかないこともあります。例えば、工場で生産するものがいくら素晴らしいものであっても、河川に有害物質を流していては環境を破壊してしまいます。地域住民の健康被害にもつながりかねません。
地域住民や河川を守る行政、そして環境破壊で影響を受ける全ての人々が、広い意味でのステークホルダーです。
企業は自社の利益を上げるだけでなく「ちゃんと社会的責任を果たし、社会に貢献しているのか?」が重視されるようになってきているのです。
ステークホルダーの言い換え表現・類義語は、日本語の「利害関係者」です。他には「利害当事者」といった表現もできます。
そして、時と場合によっては他の言い換えが可能になる場合があります。例えば、
のような表現です。
とはいえ、「ステークホルダー」について厳密な言及を避けたい場合は「利害関係者」を使った方が無難でしょう。
企業のステークホルダー、つまり利害関係者というと「株主」や「顧客」を真っ先に思い浮かべるかもしれません。ですが他にも「取引先」や「地域住民」そして企業内部の「従業員」も含まれるのがポイントです。
ビジネス用語は、なんとなくわかった感じで終わらせるのではなく、正しい意味や使い方を、しっかりと理解することが大切。ステークホルダーは特に、それぞれの企業や使用される状況によって意味が違ってきますので、注意しましょう。
(マイナビ学生の窓口編集部)
学生の窓口編集部
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