漢字違いも要注意! 戸籍の「自分の名前」が間違って登録されていたらどうなるの?

2015/10/26

社会人ライフ


自分のルーツが記されている「戸籍」。以前は就職する際に提出するのが一般的だったが、いまではパスポートの申請時にぐらいしか使われないので、「それって何?」というひとも多いのでは?

では、戸籍謄本(とうほん)に記載されている「自分の名前」が間違っていたらどうすればいいのでしょうか? 「明らかに入力ミスでしょ?」というものなら市区村長の権限で修正できますが、届出書の誤記など自分のミスだと話はやっかいになります。家庭裁判所に申し立ててOKがもらえないと修正できないほど、戸籍には厳密なルールが存在するのです。

■「戸籍」は何のため?

国籍をはじめ、親子や兄弟姉妹の関係を登録するのが戸籍(こせき)制度で、世界的にもめずらしい制度です。結婚すると、必ずどちらかの「姓」になるのも戸籍制度によるもので、名字が変わるひとは今までの戸籍から消され、伴侶の戸籍に登録される。結婚を「籍を入れる」と表現するのもこれが由来です。

戸籍はなにに使われるのでしょうか? 就職すると会社に提出するのが「当たり前」の時代もありましたが、本籍や結婚履歴など、就職には関係ない情報も記載されているため、現在は個人情報保護の観点から使われていません。離婚歴を「バツ1」「バツ2」などと呼ぶのも戸籍に記されているからで、会社で働くにあたり必要な情報とは呼べないのです。そのため現在は、始めてパスポートを申請するときに必要なくらいで、日常生活で提出を求められることはありません。

戸籍が必要な場合、役所に請求できる書類は、

・謄本(とうほん) … 戸籍原本がすべてコピーされる

・抄本(しょうほん) … 一部だけをコピーしたもの

の2種類があり、謄本は全員、抄本は個人のみが記載されているため、前者を「全部事項証明」、後者は「個人事項証明」とも呼ばれる。めったに使う書類ではないが、間違えて請求すると「やり直し」になってしまうので、名前ぐらいは覚えておくと良いだろう。

■オレのミスなら「家庭裁判所」

戸籍謄本に記載されている内容が間違っていたらどうなるのでしょうか? 姓が違うことは考えにくいが、名前の「漢字」が違うなどはありうるパターンです。この場合、登録した市区町村のミスか、届け出たひとのミスかで話は大きく変わります。軽微なミスなら「修正してね」と手続きをすれば済むが、自分のミスなら裁判所に行く必要があります。

役所で修正してもらえるパターンにも2通りあり、軽微なミスなら市区村長の権限、誤記や入力間違えは役所から法務局に申請し、許可が下りてから修正されます。「オレ間違ってないし」な場合は、あとは待つだけで終わります。

対して「自分のミス」の場合は家庭裁判所の管轄となり、

 1. 本人(修正して欲しいひと)が戸籍訂正許可の審判を申し立てる

 2. 家庭裁判所で審判され、許可されれば「審判書」が発行される

 3. 審判書と届出書を、役所に提出

と、時間も労力もかかってしまいます。2.~3.は1ヶ月以内と決められているので、仕事が忙しいから「そのうち」というわけにもいきません。

なぜ裁判所の審判が必要なのでしょう。届け出たひとの「単純」なミスなら問題ないのですが、

 ・誰かに変更されてしまった

 ・ミスではないが、氏名を変更したい

などの事態を防ぐためで、知らないあいだに離婚されていた! 覚えのない家族が増えている! といった問題が起きないよう、変更の必要性を裁判所が判断しているのです。

戸籍は自分のルーツと家族とのつながりを記したものだけに、138条からなる「戸籍法」によって定められています。普段から目にする書類ではないので、パスポート申請や結婚したときに、記載ミスがないかじっくり見ておくといいでしょう。

■まとめ

 ・日本では当たり前の戸籍制度は、世界的にはレアケース

 ・謄本は全員分、抄本はひとり分

 ・入力間違えや軽微なミスは、役所で直してもらえる

 ・届け出間違えなど自分のミスを修正するには、家庭裁判所の判断が必要

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