うちの会社は大丈夫?! 決算発表から見抜く方法

更新:2018/06/05

お金の知識

うちの会社は大丈夫! 決算発表から見抜く方法

皆さんは、自分の会社の決算発表に注目していますか? 9月末に中間決算や期末決算を迎えた会社も多かったと思います。決算発表の際に添付される「賃借対照表」は、「会社の健康診断票」といわれます。どうせ見たって理解できないと思わずに、ぜひ目を通してみましょう。自分の勤めている会社の経営が大丈夫かどうかが分かります。今回は、決算発表資料の簡単な見方をご紹介します。

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■「営業利益」と「経常利益」を見る! そもそも利益は出てるのか

一番簡単にその会社が健康かどうかを知る方法は、利益が出ているかどうかを見ることです。それは「営業利益」「経常利益」という項目に表れます。少なくともここがプラスの数字になっていないと、その会社の経営が安定しているとはいえません。

では、「営業利益」と「経常利益」は何が違うのでしょうか?

●営業利益

売上高から、その売上を達成するのにかかったコストを引いたものです。「本業でどのくらい利益が出たのか」を示します。

●経常利益

営業利益に、本業以外で出た「営業外収益」を足して、銀行からお金を借りた際の利息払いなどの「営業外費用」を引いたものです。本業以外でお金がたくさん出て行くと、経常利益は減ります。つまり、経常利益は事業体全体での利益を表しています。

「営業利益」は赤字だったのに、本業以外の「営業外収益」があって、「経常利益」で一気に「黒字化」というケースもあります。黒字なのは会社にとっていいことですが、本業が赤字の結果を本業以外で取り返しているわけで、こういう場合、税理士さんは苦笑いすることが多いです。

さらに決算書には「当期純利益」という項目があります。

●当期純利益

経常利益に、その期に発生した「特別利益」「特別損失」を計上して、さらに法人税などを差し引いたものです。その期の最終的な利益額を表します。

「訴訟に負けて多額の特別損失を計上した」といった場合には、経常利益までは黒字だったのに当期純利益では赤字になってしまうことがあります。「お金がないのは首もないのと同じ」というとおり、あまり褒められたことではありません。

■「債務」を見る! 借金が超過している場合は要注意

その会社が借金している場合、その借金は「債務」という欄に記載されています。商売がうまくいかなくて、「債務」の合計金額が、「資産」の合計金額を上回ると「債務超過」という状態です。

こうなると資産を全部売却しても、その負債を返しきれないので、この状態になった会社は大変危ない状況です。自分の会社の賃借対照表を見て、もし債務超過に陥っているとしたら、転職を考えた方が良いかもしれません。

ちなみに、東京証券取引所に上場している会社が債務超過に陥った場合、原則1年以内にその状況を解消しないと、その会社は上場廃止になってしまいます。ですので、上場会社が「債務超過」になったりすると大騒ぎになります。

■「現金・預金合計」を見る! 現金はいくらある?

会社の経営状態もさることながら、会社がどのくらいキャッシュ(現金)を持っているかも重要です。たとえその期が赤字であっても、社員を十分に養い、また会社を継続させるだけのキャッシュがあるのであれば安心ですね。

このキャッシュの保有量は、「賃借対照表」の「資産の部」の「現金・預金合計」の項目に出ています。ちなみに、潤沢なキャッシュを保有していることで知られる任天堂株式会社は、利益を蓄えて商品開発に投資をする理想的なサイクルでの経営を実現しています。

いかがでしたか。ぜひ自分の会社の決算発表をじっくり見てみてください。皆さん意外な発見をするかもしれませんよ。

(高橋モータース@dcp)

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