国民栄誉賞って何の賞? 知っておきたい「日本の○○賞」

更新:2016/01/28

社会人ライフ

国民栄誉賞って何の賞? 知っておきたい「日本の○○賞」

スポーツ選手や文化人が、「○○賞を受賞」というニュースがよく話題になりますが、有名な賞に限って、一体何の賞で、どんな人が対象になるのか、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。代表的な日本の賞について、基本情報をまとめてみました。



【創設のきっかけは王さん!? 「国民栄誉賞」】

近年では、平成23年に「なでしこジャパン」が

受賞し、話題になった国民栄誉賞。過去にスポーツ選手、文化人、俳優と幅広いジャンルの人が受賞していますが、特にジャンルに限定はなく、「広く国民に親しみのある分野で前人未到の成績を上げ、社会に明るい希望を与えた者」に、内閣総理大臣から与えられる賞とのこと。「国民に敬愛される人柄」も受賞の条件だそうです。受賞の際にもらえるものは、表彰状、盾、記念品です。

賞が新設されたのは、昭和52年8月。プロ野球読売巨人軍の王貞治が、あと少しでホームランの世界記録を打ち立てるというときでした。もちろん初の受賞者は、ホームラン756本を達成した王さんに。つまり国民栄誉賞は、王さんの大活躍がきっかけとなってできた賞なのです。



【どっちがどっち? 「芥川賞と直木賞」】

どちらも昭和10年に、文藝春秋の菊池寛によって創設された文学賞。それぞれ作家の芥川龍之介、直木三十五の名を記念しています。芥川賞は、「新聞、雑誌(同人誌を含む)に発表された新人作家による短編小説」を、直木賞の方は「新聞、雑誌(同人誌を含む)、単行本の形で発表された短・長編の大衆文芸作品」を対象としているそう。大きな違いは、作品の長さと性質。芥川賞の対象作品には、芸術性が高く難解なものが多く、直木賞の対象作品の方が、より親しみやすく娯楽性の高い作品が多いと言えるでしょう。どちらの賞も、受賞者には、正賞として懐中時計が、副賞として賞金100万円が贈られます。

ちなみに、芥川龍之介ほど知られていない直木三十五は、時代小説などを得意とした作家で、『水戸黄門』の映画版には、彼の作品を原作としたものもあります。



【実は賞じゃない!? 「文化勲章」】

文化勲章は、「日本の文化の発達に顕著な功績のあった者」を対象にした勲章の一種で、賞ではありません。厳密な審査や閣議を経て決定され、毎年11月3日の文化の日に授与されます。

賞と勲章はどう違うのかと言うと、まず賞は、簡単に言うと功績に対するご褒美。そのため、賞金や賞品がもらえることもあります。一方の勲章は、功績を表彰して国から授けられる記章(衣服などにつけるしるし)で、金品がもらえることはなく、授与そのものが名誉とされています。日本の勲章には、このほかに大勲位菊花章、瑞宝章、宝冠章など、いくつかの種類があります。



【勲章のほか、「紫綬褒章」などの褒章も】

勲章のほかに、褒章というものもあります。褒章もやはり賞ではなく、国家や公共に功労のある者などを表彰するもので、国から記章が授与されます。ニュースでよく聞く「紫綬褒章」は、「学術、芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい者」が対象。ほかに、「自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した者」が対象となる「紅綬褒章」、「公益のため私財を寄付した者」が対象となる「紺綬褒章」など、数種の褒章があります。



どんな人が対象で、どれほど歴史や権威のあるものなのか、賞や勲章・褒章の内容を知ってみると、あらためて受賞(受章)者の偉大さがわかりますよね。次は誰が、どの賞や勲章・褒章を受賞(受章)して、世間を沸かせてくれるのでしょうか?



参考/『日本の賞事典 2005-2012』(日外アソシエーツ)

内閣府 日本の勲章・褒章:http://www8.cao.go.jp/shokun/

文化庁 日本映画情報システム:http://www.japanese-cinema-db.jp/



文●本居佳菜子(エフスタイル)

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