物覚えの良い人と悪い人との違いは何?

更新:2018/11/01

社会人ライフ

■物忘れを防ぐために

では、一度覚えた記憶を忘れないようにするにはどうすればいいのでしょうか。記憶は、まず脳の「海馬(かいば)」と呼ばれる部分に保管され、そこで整理されます。ここで必要のない記憶は破棄され、繰り返しインプットされた記憶や、印象に残っている記憶は長期記憶を司る大脳皮質に送られるのです。

記憶したことを忘れないためには、記憶を長期記憶として大脳皮質に保管させる必要があります。そのためには、記憶が海馬で整理されるときに「何度もインプットされた大切な記憶」、もしくは「強い印象を伴う記憶」と判断されるような方法で覚えると良いのです。

たとえば、昔繰り返し学習したことを今も覚えているのは、「繰り返しインプットされた記憶」として大脳皮質に保管されているからなのです。また、恋人からの告白の言葉を覚えているのは、恋人の言葉を「告白される」という印象深い出来事と一緒に記憶したからなのです。

忘れたくないことは、繰り返し覚える努力をしたり、印象に残る物事と一緒に記憶したりするのが効果的です」(米山先生)。

また、海馬は大変デリケートな部分のため、強いストレスや睡眠不足で働きが鈍ることがあります。身体や心が疲れていると感じたときは、十分な睡眠とリラックスを心がけることも記憶の精度を高めるために大切とのこと。

記憶力の良い人とそうでない人の違いは、覚えようという意識をどれだけ強く持ち、そのための努力をするかどうかの違いと言えるようです。「記憶力が悪くて……」は、言い訳に過ぎないのかもしれないですね。


文●山田忍(エフスタイル)

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