人の目が気になって、自分の発言がどう思われるか不安になったり、外見や服装に気を使いすぎて疲れてしまったりなど、他人の目に映る自分を過度に意識してしまうことってありますよね。
なぜこんなにも人の目が気になってしまうのか、人の目を気にするのはどういう性格が原因なのか、どうすれば人の目を気にしなくなるのかについて解説していきます。
▼目次
1.人の目が気になる心理や原因とは?
2.人の目が気になる人の性格とは?
3.人の目を気にしなくなる方法5つ
4.まとめ
まずは、なぜ人の目が気になるのか、その心理について考えてみましょう。
「人の目が気になる」というのは、「自分がどういう人だと思われるのかを気にしている」ということです。では、いったいどんな人だと思われたいのでしょうか? 人の目が気になる人は、例えば次のような人だと思われたがっています。
信頼できる人/仕事ができる人/協調性のある人/積極的な人/明るい人/前向きな人/コミュニケーションがうまい人/リーダーシップがある人/柔軟性がある人/寛大な人/やさしい人/思いやりがある人/決断力がある人/行動力がある人
人の目が気になる人は、このように思われたいという願望を、人一倍強く持っています。そのため、何かをするたびに、自分はどう思われただろうかと人の目が気になってしまうのです。
人の目が気になる人の願望の強さには、本人の性格が大きく影響しています。それはどのような性格なのか、主な6つを挙げてみましょう。
野心家の人は、権力や地位を手に入れたい、人の上に立ちたい、という野心を強く持っています。その野心が実現されるためには、他者から高い評価を得る必要があるので、自分が他者からどう思われるのか、常に敏感になっています。
大きなことを成し遂げたい、有名になりたい、といった成功願望が強い人は、他者からの評価によって自分の成功をはかる傾向があります。この人にとっては、「すごい」「羨ましい」と言われることが成功にとって欠かせない要素なので、どうしても人の目が気になってしまうのです。
負けず嫌いで、常に勝者でいたいという競争心が強い人は、自分とライバルの評価が常に気になっています。ライバルが高く評価されていると、嫉妬心が湧いてきて落ち着かなくなり、自分がライバルよりも評価が高いと思えると、優越感が生じて良い気分になります。この人にとっての勝ち負けは、他者の目が大きく関与しているのです。
自己顕示欲が強く、自分を過大評価し、自分は他人よりも優れていると信じている心理傾向を持っているのが、うぬぼれ屋の性格の持ち主です。うぬぼれ屋の人は、自分をより良く見せようとして外見に気を使ったり、見栄を張ったり、自分の経歴や実績をことさら大きく見せようとします。それもこれも、他人に自分の優位性を認めてもらいたいからであり、人の目が気になって仕方ないのです。
自分に妥協しない、自分自身になかなか満足できない、うまくできて当たり前と思っている、このような自分に厳しい性格の人も、実は、人の目を気にしています。自分に厳しくしているのは、他者からもっともっと認められたいと思っているからであり、自分に厳しくしている根っこには、人の目を常に意識しているという「他者評価への依存」があるのです。
自己中心的で自分さえ良ければいいと思っている、自分の欲求充足のためには他人を利用する、そんな利己的な人も、実は心のどこかで人の目を気にしています。利己的な人が我が儘な態度をできるのは、他者がそれを咎めないからであって、もし他者から痛烈な批判を受けたら、利己的な人は心が深く傷ついてしまいます。実は、ガラスのハートの持ち主であり、人から自分がどう見られているか、心の奥で常に気にしているのです。
人の目が気になる人の性格を紹介してきましたが、これらには共通する心理特性があります。それは、自尊心が傷つきやすいという特性です。
自尊心が傷つきやすいために、他人にどう思われるかに敏感になっていて、だから人の目を気にしてしまうのです。
自尊心が傷つきやすい人は、心の奥底に、自分の存在価値に関する不安を抱えています。自分に本当に価値があるのか不安を抱えていて、その不安を払拭するために、周囲から自分の価値を認めてもらおうと必死になっているのです。
このような人の課題は、自分の存在価値を自分で認められるようになることです。他人の評価で自分の価値を測るのをやめて、ありのままの自分を受け入れられるようになると、自分が人からどう評価されるかを意識しなくなり、人の目が気にならなくなります。
では、自分で自分の価値を認められるようになるには、どうすればいいでしょう? そのための考え方をご紹介します。
自分は人の目を気にしてしまう。本当は自分に自信が持てない。そんな弱い部分が自分にあることを素直に認めてみましょう。
自分の弱さを認めることに抵抗があるとしたら、それは「認められない」のではなく「認めたくない」と思っているのかもしれません。ここで提案しているのは、あくまでも、弱い「部分」があると認めることです。完璧な人間は世界中に誰一人いませんので、誰もが必ず弱い部分を持っています。ですから、弱い部分があることを認めたとしても、それで自分に価値がないことにはなりません。
むしろ、自分の弱い部分を認められる人ほど、心の強さを持っています。自分の弱い部分を認めない人ほど、心が弱いのです。自分の弱い部分から目を背けず、むしろ、しっかり認めることで、自分の価値を認めやすくなります。
人が人を評価する時には、相手のすべてを見て評価することはありません。評価する人が見た範囲で、その人の主観によって評価がなされます。評価する人が変われば、評価も変わります。
このように、評価は絶対的なものではなく、あくまでも評価する人の主観にすぎないことを考えれば、他人からの評価を気にして一喜一憂するのは間違っていることに気づくと思います。
ただし、他人の評価をまったく気にする必要がないと言いたいわけではありません。
たとえ主観的であっても、自分の成長に役立つ評価もありますので、自分にとって有効なものは参考にしたほうがいいでしょう。
大事なのは、他人からの評価はその人の主観にすぎないことを常に忘れず、自分に本当に役に立つ評価だけを厳選するという姿勢です。
この姿勢を持ち続けられれば、他人からの評価によって自分の価値が揺らぐことが少なくなります。
他人から認められようと思って頑張り続けている自分。そんな自分は、なんて前向きで、向上心があり、努力家なんだろう、と自分で自分を誇りに思ってみましょう。
自分を誇りに思うことに抵抗があるとしたら、自分はまだ何も成し遂げていないと考えているのかもしれません。でも、何かを成し遂げなければ、自分を誇りに思ってはいけないと考えるのは間違っています。
結果は運が左右するので、極端に言えば、特に努力をしていなくても、ラッキーで成功する人もいます。そんな人が自分の成果を誇っても、それはちょっと違うだろうと思うでしょう。
成果が出ているかどうかよりも、理想を追い求めて頑張り続けている自分のほうがよっぽど価値があります。だから、あなたは、あなた自身を誇っていいのです。
あなたは今まで、勉強や部活、アルバイト、就活、仕事などで、自分なりにできることを精一杯頑張ってきたはずです。そんな自分の努力を認めてみましょう。
自分の努力を認めることに抵抗があるとしたら、もしかすると「努力を認めてしまうと、それで満足してしまって、もう努力をしなくなってしまうのではないか」と思っているのかもしれません。
でも、その心配は一切不要です。根が頑張り屋のあなたは、これまでの努力を認めても、満足することなく、これからも努力を続けていくでしょう。
むしろ、自分の努力を認めないことは、将来的なリスクがあります。もっともっと頑張らねばと思って頑張り続けていると、どんどん心が疲弊していき、やがて「もうこれ以上はムリ」となって、何もかもやる気が起きなくなってしまう危険性があるのです。
あなたが努力家であることは、それだけで十分な価値があります。その価値に、ぜひ気づいてください。
自分はまだまだだと思うところがいっぱいあるかもしれませんが、一方で、それなりにできているところもたくさんあるはずです。
足りないところに目を向け始めると、いくらでも見つかります。すると、どんどん自分はダメな人間だと思うようになります。それはどんなに優れた人でも同じです。
だからこそ、そんな無益なことはやめて、自分のできるところに目を向けてみましょう。
その際に肝心なのは、できているかどうかを他人と比べる必要がないという点です。自分のできるところを探す時には、いったん他人のことはいったん脇に置いて、自分ができること、以前できなかったけれど今はできるようになったこと、前よりうまくできるようになったことに焦点を当ててみてください。
自分の価値は、誰かと比べる相対的なものではなく、絶対的なものです。この世界で唯一無二の自分には、誰とも比較できない価値が確かにあるのです。自分の価値に気づくために、自分ができるところに目を向ける意識を持ち続けてください。
人の目が気になる人は、心の奥底に、自分の存在価値に関する不安を抱えています。人の目を気にしなくなるには、その不安を克服する必要があるのですが、そのためには、他人の評価によって自分の価値を測っていた今までのパターンを変えて、他人の評価と自分の価値を切り離し、自分で自分の価値を認められるようになる必要があります。
自分で自分の価値を認めるためのポイントは、ありのままの自分を受け入れることです。この世界で唯一無二の自分には、誰とも比較できない価値が確かにあることをどうか忘れないで欲しいと思います。
(笹氣健治)
※画像はイメージです
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