よく耳にする「CRM」の意味とは?実際のマーケティング事例を用いてわかりやすく解説

2021/09/13

社会人ライフ

CRMの意味とは メリットやマーケティング事例をわかりやすく解説

CRMとは一体何…?お仕事などで耳にするようになると、どんな意味なのか正しく知っておきたいですよね。CRMの意味は直訳すると「顧客関係管理」。これだけだとイメージしづらいため、もう少し詳しく見ていきましょう。今回はCRMの意味とメリット、実際の企業のマーケティング事例もご紹介します。

CRMとはどんな意味?

CRMとは“Customer Relationship Management”(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略で、『顧客関係管理』と訳されます。近年では顧客情報はパソコンでデータ管理されることが多くなりました。この顧客管理システムのことをCRMと呼ぶのが一般的となっています。

ただしCRMとは単にシステムのことを指すだけではありません。
本来、商売においては「一度売ったら終わり」「一度来てもらった終わり」ばかりではビジネスを継続させるのは難しいもの。「もう一度買ってもらうには」「リピートしてもらうには」どうすればいいのか、という視点が大切。

そこで注目されるのがCRM、つまり「顧客との関係管理」。顧客管理システムを活用して「お客さまとの継続的で良好な関係づくり」をどうマネージメントしていくか、これを考えるのがまさにCRMということです。

CRMにはどんなメリットがある?

CRMにはどんなメリットがある?

CRMにはどんなメリットがあるのでしょうか。ステップを踏んで解説します。

●STEP1:システムを活用するため社内で連携しやすい
CRMとは顧客管理システムそのものを指すことも多いです。システム導入により顧客情報を一元化できるため、社内で連携しやすいのがメリット。

↓ ↓ ↓
●STEP2:顧客のアフターフォローをしやすい
「売り切り」スタイルだと、何かあったらお客さんから連絡するしかありません。顧客管理ができていれば窓口を案内するなどアフターフォロー万全。

↓ ↓ ↓
●STEP3:顧客との継続的な関係を構築できる
その後もさまざまな手法を使って顧客との継続的な関係を構築できます。蓄積されたデータから分析して、個々のニーズにベストマッチな提案ができるように。

↓ ↓ ↓
●STEP4:自社のファンになってもらえる!
継続的に自社の強みやこだわりを知ってもらうことで、自社のファンを増やすことができます。お客さんが愛着を持って接してくれることで、競合先への流出を防止し「長いお付き合い」が始まります。

CRMにはこのようなメリットがあります。データを活用することで個々の顧客が本当に必要とする情報を届けることができ、またお客さんもお店や商品について深く理解することで安心して購入することができます。CRMはこうした「末長いお客さんとのお付き合い」につながるのです。

CRMのマーケティング事例

CRMのマーケティング事例

ここからは、実際にCRMによって成功した企業のマーケティング事例を3つご紹介します。

プロ野球球団が女性ファンへのアプローチで観客動員数61%UP

埼玉西武ライオンズは、埼玉県所沢市を本拠地とするプロ野球球団。人気球団のようにも思えますが、実は2007年シーズンの観客動員数109万人。これはプロ野球12球団の中で最下位という数字でした。

この状況を打開するため、ライオンズはCRMをはじめとする球団改革に立ち上がったのです。重点課題として、これまで球団を支えてきてくれたファンクラブの会員データを洗い直すことからスタート。

◆CRMでどんなことをしたか◆

✅女性ファンを増やす施策
⇒長年の顧客データから仮説・実行・改善というPDCAを回す
✅西武鉄道の車両広告や駅・デパートでの広告
✅メールマガジンやSNSでの発信
⇒これらもCRMデータをもとに仮説・実行・検証を実施

その結果CRMシステムの導入から約10年間、観客動員数は増加を続け、なんと2018年のシーズンは観客動員数176万人。2007年と比べると61%UPを達成!チケット完売の日も出てくるようになったのだとか。

ポイントは、蓄積されたデータをもとに「本当にファンに訴求できるプロモーション」を実施できたこと。そしてデータをもとに検証や改善を繰り返すことができたこと、といえそうです。集められた情報を即座に集計して次に活かせるのはCRMシステムならではですね。

情報をみなで共有し、顧客対応力UP

NTTラーニングシステムズでは、教育研修ソリューション事業などを展開。実はサービスの質低下により顧客満足度が下がっているという評価を受け、改善を迫られていました。

その原因の1つに、社内での情報共有が不十分であることが明らかに。そのため担当者によって対応に差が出てしまっていたのです。そこで同社は、社内での情報の共有化を目指してCRMシステムを導入。

◆CRMでどんなことをしたか◆

✅「顧客との接触記録」をCRMシステムに残す
⇒カンタン入力にこだわる
⇒検索もできるように
✅データは「共有化」して「活かす」
⇒ミーティングや会議で共有
⇒個々のノウハウを共有して活かす

その結果、たくさんの情報が正確に伝わるようになり、担当者が不在でも細やかなお客様対応が可能に。担当者まかせでなく組織力で対応することで、CS(顧客満足度)の向上を実現することができました。

化粧品通販サイトがコミュニケーション重視に方針転換

ドクターシーラボは化粧品を中心とした通販サイトを運営。当初はあまり「顧客との関係性」に着目せず、売上効率を重視していたため、顧客とのコミュニケーションの薄さが問題視されるようになりました。

そこで同社ではCRM重視型の運営に大きく舵を切ることになります。

◆CRMでどんなことをしたか◆

✅コールセンター業務の方向性をCRM重視型へ転換
⇒従来の「効率重視」から「顧客との関係性重視」へ
⇒社内全体にも意識改革
✅マーケティング部門を強化してコミュニケーションを促進
⇒SNSやメルマガなどのツールを活用

その結果、ドクターシーラボは売上を伸ばすことに成功。もともとは効率重視型だったわけですから一見遠回りのようにも見えるCRM施策。ですが顧客との信頼関係を着々と築いていくことで、結果的には企業の成長に結びついているのです。また、この事例は単なるCRMツールの導入ではなく、会社の運営方針そのものをCRM重視に転換した好例といえるでしょう。

まとめ

以上、CRMの意味やメリット、そして実際のマーケティング事例などをお伝えしてきました。CRMとは顧客管理システム自体を指すこともあれば、もっと広い意味で「顧客との関係づくり」の取り組み全般を指すこともあります。

本来、昔ながらの商店街では人と人とのつながりは密なものでした。それが時代の流れとともに店舗は大型化、今や通販が主流となりつつあります。そのような中、以前のような人と人とのつながりをどのように生み出すか、CRMという名のもとに模索が続いているのかもしれません。

▶︎参考資料
MarkeZine「埼玉西武ライオンズが観客動員数を61%増できた理由 コネクテッドスタジアム化でさらなる進化を目指す」
eセールスマネージャー「NTTラーニングシステムズ様-顧客情報の質と量が大幅にアップ」

(マイナビ学生の窓口編集部)

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