今回の単語は「ご入用」。お店などで商品を購入の際、「領収証はご入用ですか?」と聞かれたことはないでしょうか。ここでは、「ご入用」の意味と使い方を例文付きでご紹介します。
ご入用(ごいりよう)。必要なこと。「入用」に丁寧な接頭語「ご」がついた謙譲語です。簡単にいうと「ほしい、必要だ」ということ。自分に対してではなく、相手に対して「欲しいですか? 必要ですか?(もしそうならご用意できますよ)」という反応を促すものです。
また、「ご」を外せば自分にも使えます。「自分にとって必要なもの、欲しいもの」という意味になり、「この道具は私の仕事に入用です。」と表現します。しかし、最近はあまり使われなくなってきました。「必要です」で補えるからでしょう。
では早速使ってみましょう。お客様とお店の人というシチュエーションで多くみられます。
「領収証はご入用ですか?」(領収証が必要ですか?)
「はい、お願いします。」
「この商品はいつまでにご入用ですか?」(いつまでに必要ですか?)
「来週末までに用意していただきたいです。」
言い換える場合は「ご所望」「ご希望」そして「必要」などに置き換えることができます。
「領収証をご希望される場合はお申し付け下さい」
「この商品はいつまでの納品がご希望ですか?」
注意しましょう
耳で聞くと「ご入用」は「ご利用」と音が似ています。しかし意味は全く異なるため、文章ではなく、口頭で伝える場合には注意が必要です。なお、ご利用は「使ってもらうこと」を意味し、例えば以下のように用いられます。
例)
こちらのATMをご利用ください。(このATMを使ってもいいです)
「ご入用」を持ちかけるときは自分の側に用意があるときだけ使います。つまり「私は持っていますがあなたは必要ですか? もし欲しいなら差し上げます。」と言う意味。そのため、用意がないのに「ご入用」を使って聞いてはいけません。
間違い例)
「ギフト用の箱はご入用ですか?」
「はい、お願いします。」
「すみませんが、ありません。」
「ご入用ですか?」と聞かれると相手は「はい」か「いいえ」でしか回答できません。こちらが持っていますと言う条件が前提なので、持っていないのに使うと意味が通りません。その場合は次のように、「ご希望」と言い換えましょう。
例)
「ギフト用の箱をご希望ですか?」
「はい、お願いします。」
「申し訳ないのですが、こちらではご用意がないため、あちらのカウンターへお願いいたします。」
「わかりました。」
いかがでしたか。「ご入用」は最近あまり使われなくなってきました。おそらく耳で聞くと「ご利用」と似ていて紛らわしいからかもしれません。しかし、文章の上では今でもよく目にします。効果的に使って相手へのうやまいの気持ちを上手に表しましょう。
執筆:山河丸々(さんが まるまる)
海外で外国人に日本語を教えている兼業ライター。現在はアジア某国在住。日々生まれてゆく新しい日本語と、日本語能力試験に出る日本語との乖離に悩む。趣味はB級グルメ食べ歩き。
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