「インバウンド」とは?意味や使い方、対義語を解説【例文つき】

更新:2024/08/19

ビジネス用語

近年、ビジネスシーンでよく聞かれるようになったカタカナ語の1つに「インバウンド」という言葉があります。

「インバウンドってよく聞くけど、どういう意味?」
「インバウンドの正しい使い方は?」

と疑問に思う方も多いでしょう。

インバウンドとは主に「外国人が日本へ観光に来ること」あるいは「外国人観光客」を指しますが、ビジネスシーンでは別の意味で使われることも。

そこで今回はインバウンドの意味と使い方、対義語について、例文を交えて解説します。

▼こちらも合わせてチェック!
【理解力診断】 社会人の基礎的なスキルは足りてる?

「インバウンド」の意味とは

インバウンドは英語の“inbound”から来ています。

インバウンドの本来の意味は、「内向きに入ってくる」「帰航の」という意味。

日本では主に外国人が日本へ観光に来ることを指すことが多いです。

主に旅行関連で使われていた言葉ですが、最近ではそれ以外のビジネスシーンでも見聞きすることが増えてきています。

ここからは、幅広いビジネスシーンにおけるインバウンドの使い方を紹介します。

業界・分野別!インバウンドの使い方

先にも紹介した通り、インバウンドという言葉は旅行関連で使われるケースが大半です。

ですが最近ではインバウンドという言葉が他のビジネスシーンでも使われるようになり、それとともに意味も多様化してきています。

ここでは各業界・分野で使われるインバウンドの具体的意味や使い方をご紹介しましょう。

観光業界でのインバウンド

観光業界でのインバウンドは、主に外国から日本を訪れる観光客のことを指します。

インバウンドを使用した言葉には次のようなものがあります。

「インバウンド消費」
⇒外国人観光客から見込める日本国内の消費量のこと

(例)コロナ禍明けのインバウンド消費が期待される。

「インバウンド需要」
⇒外国人観光客が日本を訪れて求めるニーズ
(美味しい食事、美しい自然体験、宿泊サービスなど)

(例)インバウンド需要に応えるために〜


近年では、2020年東京オリンピックの際によく使用されていました。

IT業界でのインバウンド

IT業界でのインバウンドは、システムが外部からデータを受信することを指します。

IT業界では、「インバウンド通信」などと使用します。

メールの受信や、サイトへの問い合わせなどもIT業界におけるインバウンドの1つ。

反対に外部へのデータ送信のことをアウトバウンドと言います。

マーケティング分野でのインバウンド

マーケティング業界でのインバウンドは、ブログや動画などをWeb上に公開し、消費者に興味を持ってもらい購入を促すことを指します。

消費者が自分で調べ、興味があれば自分の側からアクションを起こす。それに対して企業側は丁寧に対応することで、納得して購入してもらう。

こうした手法を「インバウンドマーケティング」といいます。

従来のマーケティングは、企業側が見込み客にアクションを起こして電話やダイレクトメールなどを行う「アウトバウンドマーケティング」でした。

しかし時代の変化に伴い、コロナ禍で積極的なセールスが難しくなったこともきっかけとなり、消費者側からアクセスしてもらうインバウンドマーケティングが重要視されてきています。

コールセンターでのインバウンド

コールセンターでのインバウンドは顧客よりかかってくる電話のことを指します。

「インバウンドコール」
⇒顧客からかかってくる電話のこと

「インバウンド業務」
⇒電話を受ける業務のこと


反対に企業側から電話をかけることを「アウトバウンドコール」と呼び、営業的な戦略の一つ。

一般的なビジネスシーンでも、顧客の来訪や電話対応をインバウンドと呼ぶことがあります。

インバウンド事業とは

ここからは、さまざまな業界に関連する「インバウンド事業」について掘り下げます。

インバウンド事業とは、外国から日本を訪れる方向けの事業のこと。

ホテルなどの宿泊業はもちろんのこと、鉄道や航空といった交通網、そして百貨店や家電専門店のような小売業など広くインバウンド事業に関わっています。

飲食店やレジャー施設も、外国人観光客には欠かせないでしょう。

中国からの旅行者が増えた時期には、それまでインバウンド事業を行っていなかった企業までもが続々とインバウンド事業に乗り出しました。

ところがその後、新型コロナウイルスの影響で外国人観光客は激減。

インバウンド事業は一旦は落ち込んでいましたが、それでも日本は「コロナが収束したら旅行したい国」1位に選ばれていました。

今後はまた外国人観光客が戻ってくることが期待され、インバウンド事業はさらに重要となってくるでしょう。

インバウンドの使い方を例文でチェック!

実際のビジネスシーンでのインバウンドの使用例を紹介します。

旅行関連のシーンでの例文

「より多くの外国人観光客に来てもらうためのインバウンドプロモーション」

「インバウンドにより生じた課題に早急に取り組まなければ」


「インバウンドプロモーション」とは、外国人観光客向けの広告やキャンペーンといった販売促進活動のこと。

2つ目の例文は、外国人観光客の増加により生じた課題について触れています。例えば生活様式の違いや言語などに対応し、快適に過ごしてもらうための工夫が求められます。

一般的なビジネスシーンでの例文

「インバウンド業務、やっておいて」

「当社でもインバウンドセールスを導入する必要がある」


「インバウンド業務」とは顧客に対する電話対応やメール対応、つまり外からくるものに対応する業務を指して使われます。

「インバウンドセールス」とは、情報を発信して消費者側からのアクションを促すような営業活動のこと。次でご紹介するインバウンドマーケティングに近い言葉です。

ビジネス用語に詳しい方や、元々意味を知っている方ならすぐに理解できますが、一般的な言葉ではないので使用される場面は少ないかもしれません。

マーケティングシーンでの例文

「インバウンドマーケティングによってコストを削減していく方針です」

「インバウンドマーケティングにおいてコンテンツの充実は欠かせないだろう」

インバウンドマーケティングの手法は、個別の営業訪問に比べて交通費も人件費もかからず、Web活用により大多数に情報を届けることができるためコスト削減に有効なのです。

これらはマーケティングに関する社内会議やプレゼンテーションなどを想定した例文です。

社外で使用するというより、社内で使う方が多い言葉です。

インバウンドの対義語

インバウンドと反対の意味になる対義語には「アウトバウンド」が挙げられます。

アウトバウンドは英語の“outbound”が元となるカタカナ言葉。

「外国行きの」「出ていく」といった意味があり、「中から外へ」というニュアンスがあります。

自分の国から外国へ旅行に出ることを表現したい時に、アウトバウンドが使われます。

インバウンドの意味は多様化している!

インバウンドという言葉の意味は多様化し、様々なシーンで使用されています。

使われるシーンは違えど、外側から内側へ入るという意味さえ理解しておけば、問題ありません。

インバウンドの意味を正しく理解し、適切なシーンで使っていきましょう。

(マイナビ学生の窓口編集部)

学生の窓口編集部

「3度のご飯よりも学生にとっていいことを考える!」の精神で 大学生に一歩踏み出すきっかけコンテンツをたくさん企画しています。 学生生活に役立つハウツーから、毎日をより楽しくするエンタメ情報まで 幅広く紹介していますので、学窓(がくまど)をチェックしてみてください!

関連記事

新着記事

もっと見る

HOT TOPIC話題のコンテンツ

注目キーワード

 ビジネス用語・カタカナ語80選

 キャリアロードマップの一歩目

  • ピックアップ