6月29日(日)、東京の荒川河川敷で「第2回 大学対校! ゴミ拾い甲子園」と題した大学生たちによる、ユニークな社会貢献イベントが行われた。
この「ゴミ拾い甲子園」は、「ゴミ拾いを汗と涙の青春社会貢献に!」をスローガンとする、社会貢献サイト「豪田ヨシオ部」の活動の一環として、大学生(インターン生)が考案した「大学生による大学生のための」部活動。
約20年にわたって荒川の環境保全活動を行ってきた「NPO法人 荒川クリーンエイド・フォーラム」の協力を得て、各大学の参加者が優勝を目指して川の清掃活動を行うというもの。
第1回が6校58名の参加。今回は、LINEやTwitterなどで学生自らが拡散し、この活動に共感した大学生の参加者、10大学約200名に規模を拡大して開催された。
参加大学は以下のとおり。
桜美林大学、神奈川大学、東京理科大学、千葉商科大学、帝京大学、東洋大学、日本大学、早稲田大学、武蔵野大学、和洋女子大学。
中でも帝京大学は、経済学科3年森田勇二さんの呼びかけにより、最多の74名が参加。
イベントに参加してみると、いかにもというような環境意識の高い学生ばかりかと思いきや、予想に反して、見た目も中身も「普通」の大学生が多数参加していることに驚かされた。さらに、お洒落なファッションでゴミ拾いを楽しむという女子大生の姿も散見された。
豪田ヨシオ部を運営する、株式会社 クリエイティブPRの代表 平野マユミさんに話しをうかがったところ、「最近の大学生は、ボランティア活動が特別なものではなく、みんなで楽しめる野外イベントに参加するような感覚なんです。ソーシャル志向の強い彼ら世代には、あたり前の価値観になりつつあります」と言う。
「ゴミ拾い甲子園」は、拾うゴミが環境に及ぼすダメージによって得点が変わるユニークな制度を取り入れており、その得点を大学で競うというようなゲーム感覚で楽しめるところも、大学生たちが、気軽に参加でき熱くなれる魅力なのかもしれない。
わずか45分のゴミ拾いで、荒川河川敷に散乱していたゴミが大学生たちの手で山のように積み上げられた。ペットボトルや飲料缶、タバコ、レジ袋、包装容器などの日常生活のゴミが多く、中には、ゴルフクラブや自転車、車のタイヤなどの不法投棄された粗大ゴミまで......。
初めて参加した学生に話を聞いてみると「きれいに見える川辺にこんなにゴミがあるとは思いもしませんでした!」と驚きを表していた。また、別の学生は「この川のゴミが海の環境や、魚介類、鳥、さらにそれを口にする私たち人間にまで深刻な影響を及ぼしていると初めて知りました」と環境破壊に対して新たな気づきがあったようだ。
梅雨空を吹き飛ばすような快晴にめぐまれ、熱い戦いが繰り広げられた「第2回 大学対校! ゴミ拾い甲子園」。優勝校は、接戦を制した武蔵野大学。東京湾の生態系などを研究するサークルの5人が栄冠を勝ち取った。同校には、ゴミ拾いの象徴ともいえるトングがあしらわれた、オリジナルの黄金のトングトロフィーが授与された。
大人の協力を仰ぎつつも、大学生が企画し、大学生が運営する社会貢献イベント。大学生にとっては、とくべつ社会貢献をしているとか、環境保全活動をしているといった意識はそれほどない。
至って「普通」に、楽しい部活に参加するような感覚なのだ。
その結果、荒川がきれいになることで、人の役にたつこともできる。
「ゴミ拾い」という敷居の高い環境活動を大学対校による楽しめるゲームに変換したことでイマドキの大学生のハートをつかんだ、「大学対校!ゴミ拾い甲子園」。
大学生による部活動感覚の「新しい社会貢献のカタチ」が、荒川の河川敷から拡散し、今後もっと全国に広がっていくかもしれない。
文●編集部
主催:豪田ヨシオ部 http://godabu.jp
共催:特定非営利団体法人 荒川クリーンエイド・フォーラムhttp://www.cleanaid.jp/
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