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エプソンが掲げたパーパス  「省・小・精」から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る−社員の幸せを重視したダイバーシティの取り組み−

インクジェットプリンターのほか、産業用ロボットやプロジェクター、ウオッチ、水晶・半導体デバイスなどを主要事業に据えるセイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、2022年9月、「『省・小・精』から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る」というパーパスを打ち出しました。パーパスは企業の存在意義や目指すべき姿=「志」を表すものですが、なぜこのタイミングでパーパスを掲げたのか、エコノミスト・崔真淑氏との対談から、パーパスの重要性やエプソンのパーパスに込められた思いを探ります。

PROFILE

お話を伺うのはこの2人!

代表取締役社長
小川 恭範

1988年にセイコーエプソン入社。TFT技術を用いて、ファクシミリの読み取り装置となるイメージセンサーの設計・生産技術を担当。1993年からプロジェクターの設計に携わり、1994年にはエプソン初のビジネスプロジェクターの商品化を実現。以降、プロジェクター事業の発展を先導し、2017年ビジュアルプロダクツ事業部長に就任。2018年6月に取締役に就任、同年10月には研究開発・生産技術開発を担う技術開発本部長に就任。2019年より取締役常務執行役員。また、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントを統括。2020年4月代表取締役社長に就任。

エコノミスト (MBA in Finance)
崔 真淑

神戸大学経済学部卒業後、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)で株式アナリストとして活動。
最年少女性アナリストとして株式解説者に抜擢される。2012年に独立し、経済学を軸にエコノミストとしてニュース・資本市場解説をメディアや大学等で行い、2016年一橋大学大学院でMBA取得、2018年より同大学院博士後期課程でコーポレート・ガバナンスの研究を行う。若年層の経済・金融リテラシー向上をミッションに掲げ活動中。

01.なぜ今パーパスが重要なのか?

なぜパーパスは必要なのでしょうか? エプソンがパーパスを掲げた背景や込められた思いを小川社長に伺いつつ、その重要性をひもときます。

エプソンのパーパス「『省・小・精』から生み出す価値で、
人と地球を豊かに彩る」

まずはパーパス策定の背景を教えてください。

小川社長

エプソンは、2021年3月に長期ビジョン「Epson 25 Renewed」の発表と同時に将来にわたって追求していくありたい姿「持続可能でこころ豊かな社会の実現」を表明しました。ここに「エプソンらしさ」を取り入れパーパスとして掲げることで、環境変化が激しい時代でも社員一人一人が指針からぶれることなく進むことができ、同時に社会にも自分たちの姿勢を示すことができます。

また、パーパスの実現は、社員だけでなくお客様やパートナー、社会へと共感を拡げることで、地球環境保全や文化の発展に貢献します。そして、皆さまと共に人と地球が豊かに彩られる未来を実現していきます。

パーパスにはどのような思いが込められていますか?

小川社長

小川社長

今回掲げたパーパスはエプソンの原点ともいえるものです。
エプソンは自然豊かな信州で創業しました。この豊かな自然を、エプソンが長年培ってきた「『省・小・精』(無駄を省き、小さく、より精緻に)の技術」で守るとともに、人々の暮らしを豊かにし、そして未来へつないでいきたいという強い気持ちを込めました。

また、私は、会社の存在意義は「社会貢献」と「社員の幸せ」の2つであり、この両輪をうまく回すことが重要だと思っています。社会貢献なくして社員の幸せは得られないし、幸せだからこそ社会貢献をしようという気持ちも強くなります。こうした思いも、今回のパーパスには込められています。

崔氏はエプソンのパーパスについてどのように感じられましたか?

崔氏

崔氏

エプソンの強みと、そこから社会をどう変えたいのかがコンパクトで分かりやすいものになっていると感じました。また、「Less is more(少ないほど豊か)」という意味が込められていることは、外国人投資家にも分かりやすいと思います。ダイバーシティも意識した内容になっているのではないでしょうか。

小川社長

小川社長

これまでは大きさや量の多さが豊かさの象徴でしたが、これからはミニマルなものに価値を見いだしていく時代です。「More is better」ではなく「Less is more」の考えです。エプソンは以前より「Less is more」を意識してビジネスに取り組んできたこともあり、グローバルでも納得できるパーパスになったと思っています。

パーパスを掲げる企業が増えています。その理由は何でしょうか?

崔氏

崔氏

これまで株主の利益を優先するシェアホルダー主義が主流でしたが、近年ではステークホルダー主義という、社会すべての利益を考える時代になりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、働き方や経営コストのあり方、株主の価値最大化だけでいいのか企業が考えるようになったのです。

ステークホルダー主義は成果の見える化が難しいのですが、デジタルの進歩で成果の数値化が可能になったこともステークホルダー主義が進んだ理由なのではないでしょうか。

就職を考えている学生は、ステークホルダー主義の企業を選んだ方がいいのでしょうか?

崔氏

崔氏

着目すべきなのはどちらか一方に偏り過ぎていないことです。「社会を良くします」というパーパスを掲げていても、利益を出していない会社には誰も出資しようと思いませんし、その会社の取り組みが持続する可能性も少ないでしょう。学生が企業の経営モデルを知る上で、シェアホルダー主義とステークホルダー主義の両方をバランスよく両立させようとしているかを見定めることが重要です。

POINT
  • エプソンのパーパスには「省・小・精」という強みが取り入れられている
  • 時代は「More is better」ではなく「Less is more」の考えに変わってきている
  • 社会すべての利益を考えるステークホルダー主義の企業も増えている
  • シェアホルダー主義とステークホルダー主義のバランスを見ることが大事

02.「省・小・精」から生み出される
価値とは?

「省・小・精」からは、どのような価値が生み出されるのでしょうか? また、エプソンの社会課題解決に向けた取り組みについても伺いました。

パーパスにある「『省・小・精』から生み出す価値」とは、社会に対して具体的にどのような価値なのか教えてください。

小川社長

<セイコー クオーツアストロン 35SQ>

エプソンは、これまで世界に先駆けてフロンを撤廃するなど、
常に社会課題の解決に向け取り組みを進めてきました。その中で追求してきた「省・小・精の技術」で世界初となる製品をさまざま生み出してきました。
例えば、現在、世界で製造されている腕時計の約96%が水晶の特長を活用したクオーツ腕時計と呼ばれるものです。 このクオーツ腕時計の開発 に世界で初めてエプソン(当時・諏訪精工舎)が成功し、 「セイコー クオーツアストロン 35SQ」 として服部時計店(現 セイコーウオッチ)より発売されました。さらにこれら開発の特許を公開することで、クオーツ腕時計の世界的普及にも貢献しました。このように「省・小・精」からは、顧客価値だけではなく社会価値も生み出せると考えています。

※一般社団法人 日本時計協会 2017年 ウオッチ生産数量(推計値)より算出

崔氏

崔氏

「省・小・精」の考えはエプソンのビジネスモデルそのものでしょう。持続可能な社会づくりをする上で難しいのが、社会貢献と利益の両立です。しかし、エプソンはこの考えがあるからこそ、資源を効率的に使うことができ、それが利益につながる。結果的に社会課題解決に貢献できるのだと感じます。

小川社長

小川社長

持続可能な企業でないと環境に対する持続可能な取り組みはできません。社会貢献と利益の両立のために、エプソンは「省・小・精」から新たな価値を生み出し、利益を出すとともに、次の持続可能な取り組みに投資するというサイクルを重視しています。

上手にサイクルを回していくためにどのようなことを意識されていますか?

小川社長

小川社長

エプソンは、社会課題の解決に向け4つのマテリアリティを定めてビジネスを展開しています。
マテリアリティの一つ、「循環型経済の牽引」には「環境」への取り組みが強くひもづき、「脱炭素」と「資源循環」に取り組むとともに、「環境負荷低減を実現する商品・サービスの提供」と「環境技術開発」を推進しています。
こうした取り組みから新しい価値も生まれます。例えば、水を使わず使用済みの紙から新たな紙や、機器の吸音材、緩衝材などをつくり出す「ドライファイバーテクノロジー」です。

※機器内の湿度を保つために少量の水を使用します。

エプソンのマテリアリティ

POINT
  • 「省・小・精」は環境に対して大きく貢献できる考え
  • 人の心を豊かに彩るという目に見えない価値も生み出す
  • 「省・小・精」の考えが根幹にあるからこそ利益創出と社会課題解決への貢献が両立できている
  • 社会課題解決のために4つのマテリアリティを定めている

03.「人と地球を豊かに彩る」に込められた思いとは?

「人と地球を豊かに彩る」というフレーズに込められた思いや、パーパスの実現に向けて取り組んでいることを伺いました。

「人と地球を豊かに彩る」に込められた意味を教えてください。

小川社長

小川社長

エプソンのパーパスには、物質的、経済的な豊かさだけではなく、精神的、そして文化的な豊かさを含めた「こころの豊かさ」を追究することも込められています。
例えば、技術を通して多様なライフスタイルを提案し、より豊かで彩りのある暮らしの実現や、新しい文化・価値の創造に貢献すること。また、地球環境と産業の共生や、労働・教育環境の改善、地域社会への貢献といった形で、地球をより豊かなものにするという考えで事業を展開しています。

崔氏は、パーパスを実現するために企業はどのようなことを行うべきとお考えでしょうか?

崔氏

崔氏

パーパスにリンクするKPI(目標を達成するための具体的な行動指標)やESG(環境・社会・ガバナンス)も重要です。加えて、パーパスとどのKPIがリンクしていて、どれだけ達成できているのかの情報開示も不可欠です。開示することで、投資家、社会、社員からの評価を得ることができます。エプソンは掲げたパーパスに対して明確なビジョン「Epson 25 Renewed」を示しているので、非常に分かりやすいと感じます。

KEY1.パーパス実現のために必要な
ダイバーシティ

KEY1.パーパス実現のために必要なダイバーシティ

エプソンでは、パーパス実現のためにどのようなビジョンを描いているのでしょうか? パーパス実現のキーポイントを伺いました。

パーパスを実現するためにどのようなことを重視していますか?

小川社長

小川社長

「Epson 25 Renewed」を達成することがパーパスの実現につながります。「Epson 25 Renewed」はそれまでの売り上げ重視の考えから「持続可能な社会へ貢献するためにしっかりと利益を出す」という考えに切り替えています。そのためにも、成熟領域で利益を出し、成長領域を広げていくことを推進しています。

崔氏

崔氏

企業は利益が出ている既存事業に固執してしまいがちですが、エプソンはトライアンドエラーを繰り返しながらその考えを打破しようとしているのだと感じます。他の事業に挑戦することは大事ですが、主軸事業に悪影響を与えてしまうこともあります。エプソンはそれを恐れず、自分たちが掲げた目標を達成するために、時には回り道も覚悟して挑戦を続けている。それが事業の成長につながっているのかもしれません。

小川社長

小川社長

パーパス実現にもう一つ重要なことは「社会貢献」と「社員の幸せ」の両立です。そのためには、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンが不可欠で、育児や介護など社員一人一人が持つ背景を理解し、やりがいを持って働ける環境づくりが必要です。社員が生き生きと働き、活躍してくれるから成果が出るのです。エプソンでは、「ダイバーシティ推進プロジェクト」を設置し、社員の幸せからダイバーシティの実現を推進しています。

崔氏

崔氏

パーパスがあるからこそ、社員も「自分がこの会社でどう活躍したいのか」というビジョンが持てるはずです。そこで大事なのが、「社員の幸せをサポートする制度」や「働きがいのある会社作り」です。エプソンは1990年代から育児休業制度を取り入れるなど確かな土台があるので、パーパスの実現につながりやすいのかもしれません。

小川社長

小川社長

社員の理解を深めることも必要ですから、パーパス策定にあたり、多くの人に関わってもらいました。とはいえスタートラインに立ったばかりです。今回掲げたパーパスを社員一人一人が自分ごととして捉えるために、これからさまざまな活動を進めていきます。

KEY2.「地球を豊かに彩る」ための社会課題解決に向けた取り組み

エプソンではどのような形で社会課題に向き合っているのでしょうか?

パーパスには「社会課題を解決する」という気持ちも込められているとのことですが、具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか?

小川社長

小川社長

例えば、地下資源消費ゼロを目指し不要な金属を原料として再資源化する取り組みや、センシング技術を活用したインフラ管理のスマート化なども行っています。
また、商業・産業プリンティング領域では、テキスタイル産業においてエプソンのデジタル捺染技術により、水資源保全や適量生産、クリーンな生産工程などに貢献するとともに、一人一人の多様なニーズに応える高品質な衣服づくりを可能にする技術やプロセスの提供を進めています。

パリオートクチュールコレクションでは、エプソンのデジタル捺染技術を用いてNAKAZATO氏の衣装制作と、ドライファイバーテクノロジーで会場造作に協力しました。

こうした活動を続けることで、エプソンの取り組みに共感する企業や人が増え、より社会貢献の規模も拡げていきたいと考えています。

エプソンのインクジェットデジタル捺染機で印刷された
シルクオーガンジーの極薄生地

© Luca Tombolini、Shoji Fujii

POINT
  • 社会貢献の持続には社員の幸せが重要
  • 社員一人一人がパーパスを自分ごととして捉える必要がある
  • エプソンのイノベーションは環境課題の解決に貢献する
  • エプソンは社会貢献のため、時には回り道も覚悟して挑戦を続ける企業

04.MESSAGE FOR
NEW GENERATION

最後に、これからの社会を担う若い世代に向けて、小川社長、崔氏にメッセージをいただきました。

小川社長

環境における課題解決は、これからの社会で重要なことです。環境課題について意識している若い人も増えていますが、今後はより意識を高め、視野を広げてもらいたいと思います。エプソンは地球環境への貢献や、人々の暮らしをより豊かなものにしたいと思っています。そのためにも、皆さんが働いて楽しいと思える会社にしたいと思っています。「環境課題の解決に貢献したい、生き生きと働きたい」という人は、ぜひ一緒に働きましょう。

崔氏

崔氏

持続可能な社会の実現に貢献する企業や、未来にインパクトを与えるような会社は、どうすればイノベーションを起こせるのかを常に考えているだけでなく、イノベーションの「土台」を持っています。エプソンの場合、社員が幸せで、楽しい、面白いと思って働けるという土台があるからこそ、イノベーションが起こせているのだと思います。これからの社会を担う皆さんは、社員の幸せが土台としてあったり、その部分を意識している企業を選んでほしいと思います。

提供:セイコーエプソン株式会社