iDeCoで積み立てたお金はどうやって受け取るの?受け取り方について詳しく解説

2020/08/24

税金・年金

国民年金などの公的な年金制度に加えて、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)などを任意に加入することで、老後の資金を備えることができます。実際に年金を受け取るときには、どのような受け取り方となるのでしょうか。2020年8月現在、どのような仕組みになっているのか、老齢給付金や障害給付金の場合などについて解説していきます。
(監修協力:冨士野 喜子)

iDeCo 老齢給付金 いつから受け取り

iDeCo(イデコ)で積み立てたお金はいつ受け取れる?

iDeCoで積み立てた年金資産は、一般的には「老齢給付金」として、原則として60歳から70歳までの間に受給を開始します。

老齢給付金とは、原則として60歳以降に受け取れる給付金のことです。ただし、60歳になった時点で加入から10年未満の場合は、下の表のような形で「通算加入者等期間」に応じて受け取り開始年齢が決められています。

通算加入者等期間

受給開始可能年齢

10年以上

60歳

8年以上10年未満

61歳

6年以上8年未満

62歳

4年以上6年未満

63歳

2年以上4年未満

64歳

1ヶ月以上2年未満

65歳

 

「通算加入者等期間」とは、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の加入者期間の他に、企業型確定拠出年金の加入者期間や運用者期間(掛金を拠出せず、運用だけしていた期間)も含めます。

老齢給付金の受け取り方法

iDeCoで積み立てた年金資産を「老齢給付金」として受け取る際には、以下の3つの受け取り方法があります。 

  1. 一時金として一括で受け取る
  2. 年金として分割で受け取る
  3. 一時金と年金を組み合わせて受け取る

老齢給付金の受け取り方は、年金か一時金のいずれか、あるいは併用を選択でき、指定した金融機関に振り込まれます。

年金方式で受給する場合、支払予定期間は5年〜最長20年の年単位で選ぶことができるので、太く短く受け取るか、細く長く受け取るか、自分で決めることができます。選択できる期間は口座を開設した金融機関によって異なり、1年刻みでの選択ができる機関もあれば、5年刻みでしか選択できない機関もあります。

1年間の受け取り回数も、金融機関によって異なります。年1回・2回・4回・6回という金融機関が多いですが、年3回の受け取りができる金融機関もあります。 

以下は、受け取り回数によって決まっている受け取り月です。(偶数月です)

  • 1回…12月
  • 2回…6月、12月
  • 3回…4月、8月、12月
  • 4回…3月、6月、9月、12月
  • 6回…2月、4月、6月、8月、10月、12月

障害給付金と死亡一時金について

iDeCoで積み立てたお金は、老齢給付金として受け取る以外に、加入者が一定の障害状態になってしまった時に障害給付金として受け取ることや、亡くなってしまった場合には、死亡一時金として遺族が受け取ることもできます。   

障害給付金とは、加入者等が70歳になる前に法的に定められた高度障害者(障害等級が1級および2級程度に該当する年金証書や障害者手帳の所持者)になった場合に受け取れる給付金のことです。受給方法は、基本的に年金での受け取りになりますが、運営管理機関(口座を開設した金融機関)によっては、一時金か、年金と一時金との併用も選ぶことができます。

死亡一時金とは、加入者等が死亡した場合にその遺族が受け取れる給付金のことです。この場合、名称にも指定されているように一時金のみの受給方法となります。本人があらかじめ死亡一時金の受取人として指定していた人がいれば、指定された受取人が請求できます。ただし、受取人に指定できるのは、配偶者、内縁の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で、事前に運営管理機関へ申し出ておく必要があります。 

本人が受取人を指定していない場合、法令に基づき以下の順位で受取人になることができます。

  1. 配偶者(死亡時に事実上の婚姻関係と同様であった者を含む)
  2. 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹のうち、死亡当時加入者の収入によって生計を維持していた者
  3. 死亡当時加入者の収入によって生計を維持していた親族のうち、2に該当しない者
  4. 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹のうち、2に該当しない者

まとめ

iDeCoによる年金資産は、原則として60歳から「老齢給付金」として受け取ることができますが、加入期間が10年未満の場合は期間で変わります。また、障害給付金や死亡一時金など、重度の障害や死亡にも対応しています。

(学生の窓口編集部)

監修協力:冨士野 喜子(ふじの よしこ)
ファイナンシャルプランナー。お金に関する相談実績1000件以上。 大学卒業後、教育出版会社、保険会社勤務を経て独立。個人のマネー相談以外にも、講演、ラジオなどで「楽しく、分かりやすく」情報発信中。 プライベートでは3児の母。
https://peraichi.com/landing_pages/view/money-okayama

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