高校生にとってはじめの一歩はとても重要なもの。この連載企画では高校生の憧れの人がどんな一歩を踏み出したことで、今の場所にいるのか。その一歩が無ければ今の自分は“ここ”にはいないかもしれない。そんなはじめの一歩を、今回はドラマ・映画【推しの子】に出演した櫻井海音さんにお聞きしました。
憧れの人の“はじめの一歩”を知ることで、今の自分にできる「はじめの一歩」を見つけてみませんか?
櫻井海音のはじめの一歩
音楽を始めたときです。中学2年生のときに音楽を始めて、ドラムを叩いたのが最初で、芸能界に興味を持ち始めたのがその時期だったので、そこがはじめの一歩だと思います。
櫻井さん
はじめの一歩を踏み出す上で大事だったなと思うことや心構えはありますか。
みさきさん
音楽を始めるまでは幼稚園からサッカーをやっていて、そのキャリアをすべて捨てて音楽などの仕事を始めました。勇気はもちろん、それまでを切り捨てられるほどの情熱、何かに対する思いがあれば、どんな一歩でもいいのではと思います。
櫻井さん
これからはじめの一歩を踏み出そうとしている読者にエールをお願いします。
もねさん
どんな道に行くとしても、はじめの一歩って勇気や覚悟のいることだと思います。その一歩を踏み出そうと思えるほどの強い思いがあれば、きっとそのあとの二歩、三歩って進んでいけると思いますし、僕もそうだったので、熱く強い気持ちがあればいいんじゃないかなと思います。
櫻井さん
みんなが知っている【推しの子】、アクアだと思ってもらえるように心がけた
今回、ドラマ・映画【推しの子】に出演することが決まった時の心境を教えてください。
もねさん
オファーをいただく前から原作を読んでいて、本当に大好きな作品だったので、出演するという話を聞いたときは、驚きと嬉しさがあると同時に、【推しの子】という作品に対する重圧を常に感じていました。でも、それ以上にアクアという役を、自分の好きな作品を、他の人にやらせたくないという気持ちの方が強かったです。
櫻井さん
完成された映像をご覧になってみていかがですか。
もねさん
8話分のドラマシリーズを見て、その段階で報われたような気がちょっとしていて…、まだ早いんですけど(笑)。5か月という長い期間、組一丸となって現場と向き合って、葛藤などもあったんですけど、原作に対して愛とリスペクトを持って挑んだ期間が、ちゃんと編集されて出来上がってきたときに、報われた感じがしました。
櫻井さん
やりきった感…ですか?
もねさん
やりきったもそうですし、客観的に見てもすごく面白いなと。原作のパワーがあるのはもちろん、原作ファンの方もそうでない方が見ても楽しめる作品になっているなと一歩引いて見て思えました。
櫻井さん
原作から好きだったとのことですが、演じるにあたり意識したことなどありますか?
もねさん
原作の流れやセリフなどは忠実に再現をしています。原作ファンの皆さん、生み出してくださった赤坂先生、横山先生に対する無礼がないようにという原作へのリスペクトの気持ちは常にありました。原作ファンの方が見て、違和感を持つ部分ないのではないかなと個人的には思っています。
櫻井さん
先ほどプレッシャーを感じられていたというお話だったんですけど、役作りをする上で原作から忠実にしたかった部分があったら教えていただきたいのと、櫻井さんが演じる上でオリジナリティーを出したかった部分、心がけていたことなどがもしありましたら教えてください。
ライターさん
ひたすら原作を忠実に演じていました。全シーンにおいて、撮る前に原作を読んで、アニメを見て、アクアがどういう立ち方をしているのか、ポケットに手を入れているのかいないのか、どういう表情をして、どこに座っているんだろう、というところまでを常に考えながら行っていました。どのシーンを特にというわけではなく、この作品を見て、みんなが知っている【推しの子】、アクアだと思ってもらえるように心がけていました。
櫻井さん
どれくらいまで近づけたなとご自身の中で思いますか?
ライターさん
どうですかね…。僕も、もとはただの【推しの子】ファンだったので、厳しい目でジャッジしているつもりではあるんですけど。自分が最初に【推しの子】を読んで受けた衝撃みたいなものはちゃんと表現できたんじゃないかなと見て思いました。
櫻井さん
櫻井さんの思う作品やアクアの魅力などはどんなところにありますか?
ライターさん
芸能界と言ってもいろんな職業がありますが、【推しの子】では、そんな芸能界を繊細に丁寧に、リアルに切り込んでいて、それぞれの視点がちゃんと表現されています。僕個人としてはこういう仕事をしていて言えないことってあると思っていて、その言えないことを代弁してくれているような、こういう仕事をしているからこそ惹かれる部分だと感じます。そうじゃない方もここまで芸能業界の裏側を見られるというのはそうないだろうなと。キャラクターはそれぞれ自分の正義や光のようなものがあるので、誰が悪いとか誰が正しいとかではないということを常に【推しの子】は表現してくれているなと思います。キャラクターは個性豊かで、みんなから愛されるキャラクター像がある中で、そこにサスペンスやミステリー、考察できる要素が入っているところがすごく魅力的です。初めて読んだときに、自分と重なる部分や共通点がありました。
例えば恋リアに出て、そこから役者になってという流れは僕も同じようで、似ているなと。性格に関しても、僕は割と単独行動しがちで、1人でいろんなとこ行ったり突き進んだりするのですが、そういう中で、1つの物事に対する思いなどは近いのかなと思います。
櫻井さん
原作の漫画とアニメもありますが、ドラマ&映画での表現の仕方や表現する上で面白かったこと、苦労したことなどはありますか?
ライターさん
漫画の実写化って、もちろん原作が正解のようなもので、それを超えるなんて…大それたことは言えないんですけど。漫画でいうコマとコマの間みたいな描かれていない部分はリアルな人間の映像になることで映るものなので、想像しながら、原作ファンの方に違和感のない表現をしたいなと。毎シーンずっと読み込んでいると、描かれてはいないけど、その間にアクアがどうしているかがなんとなく見えてきて、それをどう生身の人間で表現するか。2次元で描かれたキャラクターたちが3次元になって、人間になるとこうなるんだろうなと思えるような表現を心がけました。
櫻井さん
撮影現場では、スタッフさんとコミュニケーションをとったり、出演シーン以外でも他の方のお芝居をご覧になっていたとのことですが、具体的に刺激を受けた役者さんはいらっしゃいましたか?
ライターさん
誰かといわれると…全員です。
僕がクランクインした初日は吉田鋼太郎さん演じる苺プロの初代社長・斉藤壱護さんと倉科カナさん演じる斉藤ミヤコさんとのシーンで、その翌日は鋼太郎さんと2人の芝居だったんですけど、鋼太郎さんの演じる壱護さんの圧をガっと感じて、刺激ってこういうことだなと思うような経験をしました。それが撮影初日、2日目だったので、今でも鮮明に覚えていますし、作品に対してもとから気合は入っていたんですけど、そこでさらにギアをあげてもらったような感覚です。
櫻井さん
共演者の方に同世代の方もいらしたと思いますが、お芝居について話したことや相談したことなどはありますか?
ライターさん
芝居について話すなどはとくになかったです。それをしなくていいというわけではないんですけど、しなくても一緒にやれるというのは、みんなが同じ方向を向いていて、原作への愛があって、リスペクトがあるからこそで、その共通認識として“原作のこのシーン”があるからできるといいますか…。僕は客観的に見ていて、齊藤なぎささん、原菜乃華さん、あのさんの3人が演じるB小町の空気感や、あかね(茅島みずきさん)が登場する恋リアのパート、劇中劇の「東京ブレイド」で姫川大輝(山下幸輝さん)と出会って…という流れの中で、 本当に自分が【推しの子】の世界に入り込んでしまったかのような気持ちになりました。現場にいてみんながキャラクターそのままだなと思いましたし、だからこそとても安心感があって、リアルにそれぞれのキャラクターを見ているような感じがしました。
櫻井さん
合間などにお話されたことで印象に残ってることとかはありますか。
ライターさん
齊藤さんの“あのさんのモノマネ”が上手かったです(笑)。
櫻井さん
【推しの子】は魅力的なキャラクターがたくさんいますが、櫻井さんの推しのキャラクターはいますか。理由もぜひ教えてください。
みさきさん
この作品のオファーを受ける前からずっと有馬かなが好きで…ドタイプなんです(笑)。プロデューサーさんにも話していて、【推しの子】という世界の中において、僕は1番かながピュアだと思っています。1番は喜怒哀楽など表現がはっきりしているし、人間らしいキャラクターだなと思うので…。可愛いですね、好きです。
櫻井さん
有馬かながすごくお好きというお話ありましたが、今回のドラマ・映画を通して原作とかアニメとはまた違う、よりキャラクターが見えてきて、より印象に残ったキャラクターはいましたか?
ライターさん
原作を読んでいたとき、そこまで好きではなかったんですけど、戸塚純貴さん演じるGOAを見て、すごく好きになりました。原作でもすごく悔しがる表現などが特徴的なんですけど、そこを戸塚さんが演じることによって、可愛らしさも出ていて。「東京ブレイド編」を楽しみにしていただけたらと思います。
櫻井さん
【推しの子】は転生がきっかけで展開していくお話ですが、櫻井さんご自身が転生したらどんな人生を送りたいですか?
ライターさん
人間ですか?
櫻井さん
なんでもいいです。人間じゃなくても。
ライターさん
僕は鳥になりたいです。鳥と言っても、空飛びたいとかそういうことではなく、焼き鳥になりたくて。
櫻井さん
焼き鳥ですか?(笑)
ライターさん
大好きなんです。焼き鳥への愛情とリスペクトがあるんだという前提で聞いてほしいんですけど、半年くらい毎日1日1食は焼き鳥を食べていて。焼き鳥にもそれぞれのキャラクターがあって、地鶏もいろんな種類がいて、さまざまな養鶏場で育ち、それぞれの人生を歩んできて、残酷だけど処理されて、我々の知っている焼き鳥になるんですけど。その気持ちを1回は食べる身として知っておくべきだなと…。人間は自分が死んじゃった後に誰かに食べてもらうなどないじゃないですか、なので、その経験をしてみたいです。
櫻井さん
食べられてみたいということではなく…?
ライターさん
人だったら嫌ですよ(笑)。でも、自分が鳥になって美味しく誰かの体の一部にしてもらえるのであれば、そういう経験もしてみたいです。
櫻井さん
転生したときに、自分が食べられる運命だともうわかった上での鳥になりたいですか?
ライターさん
それも気になるんですよ!鳥がどういう思いでいるのか、知らないはずなので…。自分たちがどういう人生をここから歩んでいくのかというのを1回してみたいです。
櫻井さん
もし何かが間違って焼き鳥にならない場合もあると思うんですが、それでも鳥で大丈夫ですか?
ライターさん
はい、大丈夫です。鳥ならなんでも大丈夫です。
櫻井さん
焼き鳥は何が1番好きですか。
ライターさん
ソリレスというモモの付け根の希少部位なんですけど、モモなのに独特の噛みごたえがあって、噛めば噛むほど油と旨味が溢れ出してくるんです。モモとはちょっと違う独特の感じが僕は好きです。
櫻井さん
アクアは基本本心を見せないというか、常に壁をはったり緊張したりしている状態のイメージなんですけど、櫻井さん自身が素になれる場所や空間などありますか?
ライターさん
僕もアクアと同じようにずっと壁を張っているので、自分の素というのはあんまわかんないですけど、その壁を張っている状態の自分も素だと思っているので、裏表のようなことはなくて。人によって何かを演じているような、距離感を変えているところは常にあります。でも強いて言うなら、学生時代の友達は一番子供に戻れるかなと思います。常に大人でいなきゃいけない仕事をしているので、そういう自分でいますけど…。小さい頃から知っている幼馴染の前は無邪気で、別に子供に戻りたいというのは思わないんですけど、子供らしくいれるなという感じです。
櫻井さん
今まで櫻井さんは爽やかな役から、今回のようにちょっと闇がある役など演じられていると思うんですけど、今後挑戦してみたい役柄はありますか。
ライターさん
劇中劇「今日は甘口で」で、かなに迫るストーカー役みたいな、ちょっとサイコパスな役を演じたときにすごく楽しくて。今回はアクアが演じている役の中ではあるんですけど、そういう役を櫻井海音として演じてみたいなというのは、今回の作品を通して思いました。
櫻井さん

さくらいかいと 櫻井海音
2001年4月13日生まれ。東京都出身。2023年までバンド”インナージャーニー”のドラマーを担当。2020年から俳優としても活動をスタートし、映画「嘘喰い」で映画初出演。近年の主な作品に、映画「バジーノイズ」(24)、映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」(24)などがある。
・ヘアメイク/高草木剛(VANITÉS)、吉沢実希
・スタイリスト/藤井 晶子
『【推しの子】』
2020年に週刊「ヤングジャンプ」にて赤坂アカと横槍メンゴの共同名義で連載を開始した「【推しの子】」。産婦人科医・ゴローの前に、"推し"のアイドル「B小町」のアイが現れるところから物語が始まり、伝説的アイドル・アイの“推しの子”として転生するファンタジックな設定、ショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、そして“芸能界”を新たな切り口から描く斬新なストーリーで人気を博している。
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取材・文/もね、みさき(ガクラボメンバー)
編集/マイナビティーンズ編集部
撮影/三橋優美子
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
これまでを振り返って、今の自分に繋がるはじめの一歩だったなと思う出来事やきっかけはありますか?
みさきさん