hope / wish / desire は、いずれも「願望(する)」「希望(する)」という意味を持ちます。「欲しい」を表すwant とともに、英会話では頻出する単語です。
では、以下の場面において、hope / wish / desire のうち、どれが最も適切か即答できるでしょうか?
例:家のキッチンが狭く使い勝手が悪いので「もっと広いキッチンがあればなぁ」と言いたい。
「自分の願望」を表したいと言っても、どの単語を使えば適切なのか、使い分けが難しく混乱してしまいますよね。
見分けるポイントは「実現の可能性」と「願いの強さ」にあります。
今回の記事を読めば、hope / wish / desire の単語の違いを明確に理解でき、今後迷うことがなくなりますよ!
結論:hopeは「実現可能な願望」wishは「実現不可能な願望」desireは「強い願望(野心)」という違い
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3つとも願望を表しているものの、実現の可能性や願いの強度が異なる点に違いがあります。
hopeは実現できそうな願望を表し、wishは実現できそうにない願望を表します。desireはどうしても手に入れたくて、義務感にとらわれるほど熱望する感情を表す単語です。
hope「実現可能な願望」を表現。和訳:(手に入れようと思えば得られそうなものを)手に入れたいなぁ
wishは「実現不可能な願望」を表現。和訳:(きっとダメだけれど)できたらいいなぁ
desireは「強い願望・野望」を表現。和訳:ぜひしたい!
ニュアンス | ポイント | 例文 | |
---|---|---|---|
hope | ~したいなぁ ~だったらなぁ | 実現可能な願望 | I hope to see you soon. (近いうちに会えたらいいな。) |
wish | ~できたらなぁ ~だったらなぁ | 実現不可能な願望 挨拶など決まり文句 | I wish I had a larger kitchen. (もっと大きなキッチンがあればなぁ。) |
desire | 〜したい! 〜であってほしい! | 強い願望 | He desires success in business. (彼はビジネスにおいて成功を望んでいる。) |
冒頭の例文「もっと広いキッチンがあればなぁ」は、現実のキッチンは狭いので、実現不可能なことを願っている状況ですよね。したがって “wish” が最も適切となります。
日常生活で、単純に話し手が「これがほしい」「こうしてほしい」と、特定のものやアクションを求める場合は、“want” を使えば問題ありません。
しかし微妙なニュアンスの違いが含まれる場合は、紹介した3つの単語を使うことで、適切な言い回しになります。
以下より分かりやすい例文を挙げながら、さらに詳しく解説していきますね。
“hope” は「実現可能な願望」を意味する英語表現
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“hope” は「実現可能な願望」を表したい時に使うのがポイントです。
I hope to see you soon.
(近いうちにお会いできるといいですね。)
She hopes to improve her English skills.
(彼女は英語スキルを向上させたいと思っています。)
We hope the weather will be clear for our outdoor event.
(屋外イベントのために天気が良くなることを願っています。)
「会いたい」「向上させたい」「天気が良くなってほしい」といった具体に、現実的な願いについて話す場面では、 “hope” を使うのが適切です。
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“wish” は「実現不可能な願望」を意味する英語表現で挨拶の定型文でも使う
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“wish” は「実現不可能な願望」を表したいときに、仮定法とともに使われます。
I wish I had more free time on weekends.
(週末にもっと自由な時間があればなぁ。)
→ 現実は、忙しくて週末に自由時間を取ることができない。
She wishes she could sleep in a bit longer every morning.
(彼女は毎朝もう少し寝られたらいいなぁと思っています。)
→ 現実は、毎朝早く起きなければならない。
上記2つの例文は、現実とは異なる状況を想像して「〜だったらいいのになぁ」と願っていますね。何らかの不可抗力があるなどの理由で、どうしても実現が不可能なことに対する願望です。
そのため、非現実的な願望を表す“wish” の後に続くのは、実現不可能な状況を仮定する「仮定法」となります。
また、もし相手から“I wish you would ~” と言われた場合は、相手はあなたに何かをしてもらうことを期待していると覚えておきましょう。和訳すると「あなたが~してくれたらいいのに」です。
現実の話ではなく、仮定の話をする「仮定法」では“will” ではなく、過去形の“would” が付きます。
これに非現実的な願望を示す“I wish” が付くことで、建前上は「別にあなたに~してほしいわけではない」というニュアンスになるのです。
本音では、仮の話として「もし~してくれたらいいんだけどなぁ」と期待していることを匂わせています。
このようにwishは、仮定法とともに使うことで、願望だけでなく相手への依頼を暗示することも可能です。
参考:高橋基治「実用的知識としての英文法指導 :丁寧用法の観点から」『人文・社会科学論集 第37号』(東洋英和女学院大学, 2019 年)
ちなみに“We wish you” と言えば、「挨拶などの決まり文句」になりますよ。
We wish you a wonderful and prosperous New Year.
(素晴らしく繁栄した新年でありますようにお祈りしています。)
→ 挨拶などで使う決まり文句。
例文は、会話ではあまり使われない形式ですが、ポストカードや文章などで使われる定型の挨拶文です。
クリスマスソングの定番“We Wish You a Merry Christmas” (楽しいクリスマスを過ごせるよう祈っています)のタイトルもこの形式ですよ。
“desire” は「強い願望」を意味する英語表現
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“desire” は「強い願望」を表したい時に使うのがポイントです。
I desire to live on my own when I become a college student.
(大学生になったら、一人暮らしをしたいと願っています。)
She desires a challenging job that allows her to utilize her skills.
(彼女は彼女のスキルを活かせる、やりがいのある仕事を望んでいます。)
He desires to make a positive impact on the team.
(彼はチームにポジティブな影響を与えたいと願っています。)
“desire” はかなり強い願望を表現する単語です。「〜だったらいいのになぁ」というニュアンスの “hope” や “wish” と異なり、「ぜひ~したい!」という、義務感にまで発展しつつある強い欲求を伝える印象ですね。
主語の人物の強い意志・願望を表現するシチュエーションでは、“desire” が適しています。
まとめ:hope/wish/desire の違いは実現の可否や感情の強度にある
hope / wish / desire の違いをまとめると、以下の通りです。
hope :実現可能な願望
wish :実現不可能な願望・挨拶などの決まり文句
desire:強い願望
今回登場した例文をくり返し音読すると、自然とそれぞれの表現を使い分けられるようになっていきます。
自分で実際に例文を作ってみるのも、どのシチュエーションでどれを使うべきか判断できるようになるのでおすすめですよ。