specific / unique / particular は、すべて「特別」や「特有」といったニュアンスを持つ言葉です。
各単語の意味をなんとなく理解していても、3つの違いを明確に説明したり、シチュエーションごとに使い分けたりするのは、なかなか難しいもの。
一度、具体的なシチュエーションを設定して考えてみましょう。
例:「この料理には特定の材料が必要なので、レシピに正確に従ってください」と言いたい。
こんな時、 specific / unique / particular どれが最も適切な表現でしょうか?
現時点で即答するのは難しいかもしれません。
でも今回の記事を読めば、紛らわしいspecific / unique / particular の違いを理解でき、迷うことがなくなりますよ。各表現のマスターに向けて、さっそく内容をチェックしていきましょう!
結論:specific「具体的な」 unique「唯一無二の」 particular「特にこの」
specificは「特定のもの(具体的な何か)」を指すのに対し、uniqueは「特有のもの(他とは違う唯一の何か)」を指します。
particularも「特有のもの」を指しますが、数多くある同類の中から「特にこれ」と1つのものをピックアップしたいときに使うのが特徴です。
単語 | 和訳 | ニュアンス | 例文 |
---|---|---|---|
specific | 特定の | 「具体的な」 | I need specific details about the meeting time. (会議の時間について具体的な詳細が必要です。) |
unique | 特有な | 「他に類を見ない」 「唯一無二の」 | Her paintings have a unique charm. (彼女の絵画には、唯一無二の魅力があります。) |
particular | 特有の | 「(数ある同類の中から)特にこの」 | I enjoy the flavor of this particular brand of tea. (特にこのブランドの紅茶の風味が好きです。) |
例文「この料理には特定の材料が必要」は具体的な材料=“specific” が適切な表現
では、冒頭の例文「この料理には特定の材料が必要なので、レシピに正確に従ってください」について考えてみましょう。
「特定の材料」とは、たとえば特定の野菜やスパイスの種類など、具体的な材料を指しますよね。
“unique” は「唯一無二の」というニュアンスがありますが、レシピに必要なのは「他に類をみない」ような材料ではありません(ちょっと大げさですよね)。
“particular” は「数ある同類の中から、特にこの」という特別感がありますが、レシピで紹介される材料は、一般的に手に入る食材ですから、この文脈では不自然です。
つまり今回の「一般的な材料の中でも特定のもの」という文脈では、「具体的な」「特定の」というニュアンスを持つ “specific” が最も適切な表現です。
▼正しい英文:
This dish requires specific ingredients, so please follow the recipe precisely.
(この料理には特定の材料が必要なので、レシピに正確に従ってください。)
以下より、specific / unique / particular の例文を挙げながら、さらに詳しく解説していきます。
“specific” は「特定の」や「具体的な」を意味する単語
“specific” は「特定の」や「具体的な」と訳される単語です。「具体性や詳細をはっきりと示したい時」に使うのに適しており、ぼんやりとした情報ではなく、明確で疑いようのない情報を求める場合に使えます。
【“specific” が持つ印象】
・具体的な
・明確な
・はっきりとした
We need specific dates for your availability.
(あなたの都合の具体的な日程が必要です。)
Please give me specific details about your favorite movie.
(あなたのお気に入りの映画について具体的に詳細を教えてください。)
I need specific instructions on how to use this smartphone.
(このスマートフォンの使い方に関する具体的な指示が必要です。)
例文はいずれも、スケジュール・映画・スマートフォンの使い方など、対象物の具体的な内容について表現したいシチュエーションですね。
このように、ハッキリとした「具体的な情報」や「詳細」を表したいなら“specific” が適しています。
“unique” は「唯一の」や「特有な」を意味する単語
“unique” は「唯一の」や「特有な」と訳される単語です。日本語でも「ユニーク」という言葉があるので、イメージしやすいですよね。
【“unique” が持つ印象】
他に類を見ない
比類のない
独特な
“specific” は単に「特定の」何かを指すのに対して、“unique” は「他に類を見ない、唯一無二の感じ」を表したいときに使うのに最適です。
単語の頭の部分にあたる接頭辞“uni-” は、「1つ」を意味します。ここから、他にはないただ1つのものを表す多くの単語は、“uni-”で始まります。
ドラマ『ドラゴン桜2』でも、“unite”(団結する)=「1つになる」、“unicorn”(ユニコーン)=「一角獣」などが紹介されたので、覚えている人も多いかもしれませんね。
“unique” はまさに「たった1つのもの」を表現する単語です。
『ドラゴン桜2』では1人の男子生徒が“uni-” の付く単語として「ユニクロ」を上げていました。
アパレルブランドの名前で、一見英単語ではなさそうですよね。
しかし実は、「ユニクロ」は正式名称が、
“UNIQUE CLOTHING WAREHOUSE” (他にはない衣類の倉庫)
です。
しっかり“unique” (他にはない)=「唯一の」という単語が入っていましたね。
このように“unique”は、現状あるものの中でただ1つの存在感を放ち、珍しく、特別な存在であるというニュアンスを含む表現です。
参考:Cambridge Dictionary
The design of this building is unique. You won’t find anything similar.
(この建物のデザインは唯一無二で、似たようなものは見つからないだろう。)
Her perspective on the matter is unique and interesting.
(彼女のその問題に対する視点は、独特で面白いです。)
Snowflakes have unique patterns, like tiny works of art.
(雪の結晶はユニークな模様を持っており、小さな芸術品のようです。)
例文の“unique” はいずれも、建物のデザイン・彼女の視点・結晶の模様の「他に類を見ない、唯一無二の感じ」を表していますね。ジョニー・デップのような個性的な俳優や、実験的で斬新な映画について説明する際に使われるイメージがあります。
このように“unique” は、対象物だけが持つ特別な性質を説明したいシチュエーションで、適した表現です。
“particular” は「特有の」や「独特の」を意味する単語
“particular” は「特有の」や「特にこの」と訳される単語です。同じ種類のものがいくつもある状況下で、「その中から特にこれ」と指定します。
【“particular” が持つ印象】
(数ある同類の中から)特にこの
個々の
特別の
以下の例文を読んで、“particular” が持つ「他の同類のものから、特に指定して取り上げたいとき」というニュアンスを確かめてみてください。
She has a particular talent for playing musical instruments.
(彼女は楽器の演奏という、特有の才能を持っています。)
This shop sells tea from a particular region known for its high-quality leaves.
(この店は、高品質の茶葉で知られる、特定の地域のお茶を販売しています。)
He noticed a particular smell that reminded him of childhood.
(彼は子供時代を思い出させる、特有の匂いに気づきました。)
例文はいずれも「(数ある同類の中から)特にこの」というニュアンスがありますね。
このように同一の性質を持つ複数のものの中から、対象物だけを指定したいシチュエーションでは “particular” が適しています。
なお時々、末尾にsが付いた“particulars” という形を見かけるかもしれません。sが付く場合、公のデータに記録するための、人や物に関する「詳しい情報」を意味するので、あわせて覚えておきましょう。
参考:Cambridge Dictionary
specific / unique / particular の違いについて理解度チェックテスト
最後にチェックテストで、specific / unique / particular の違いについて理解できたか確認しましょう!
以下の文章を英訳してください。
① このレストランを選んだのには特別な理由があるんです。
② 彼女のファッションはとても独特だ。
③ クラシック音楽には特に関心があります。
④ この質問に対する具体的な返答をいただけますか?
解答
① I have a specific reason for choosing this restaurant.
⇒ ハッキリとした具体的な理由があるニュアンスを含むので“specific” が適切
② Her fashion is so unique.
⇒ 個性的なニュアンスを含むので“unique” が適切
③ I have a particular interest in classical music.
⇒ 音楽の中でも「特にクラシック」というニュアンスを含むので“particular” が適切
④ Can you give me a specific answer to this question?
⇒ 具体的で詳細な返答を求めているニュアンスなので“specific” が適切
うまく回答できましたか? いまいち理解しきれていない感覚がある人は、最後のまとめをご覧ください!
specific「具体的な」 unique「唯一無二の」 particular「特にこの」
ニュアンスの違いまとめ
あらためて、specific / unique / particular の違いをまとめました。
和訳 | ニュアンス | |
---|---|---|
specific | 特定の | 「具体的な」 |
unique | 特有な | 「他に類を見ない」 「唯一無二の」 |
particular | 特有の | (数ある同類の中から) 「特にこの」 |
まぎらわしい3つの表現ですが、改めてニュアンスに注目すると、それぞれ意味合いが結構異なることが確認できたかと思います。
上記の表を眺めて各ニュアンスを覚えるのもいいですが、もっともおすすめの方法は、実際に使用されている文脈の中で、使い方を理解しながら覚えることです。
今回の記事で基本の情報をチェックした後は、実際に単語を使ってアウトプットすることで、うまく使いこなせているか確かめられますよ。
自分で3つの表現を使った例文をそれぞれ作ってみたり、今回の例文を声に出して繰り返し読み上げたりすると、感覚的に違いをつかめます。
ぜひこの機会に、specific / unique / particular の使い方をマスターして、英会話の際にはシチュエーションごとに正しい表現でやり取りしてみてくださいね。