if anything / if any / if ever / if not の違いと使い方を徹底解説!【例文あり】

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英語には、似たような形でありながら、意味が異なる表現が多く存在しています。

以下はすべて “if” で始まる、似た形をとる熟語ですね。すべての意味を、正確にパッと思い浮かべることはできますか?

if anything 

if any

if ever

if not

形が似ており、とても紛らわしいですよね……。それぞれの意味を即答できなかった方は、ぜひ本記事を読んでみてください。

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目次

結論:if anythingは「どちらかと言えば」 if anyは「(数量が)たとえあるにせよ」

if anythingは「どちらかと言えば」if anyは「(数量が)たとえあるにせよ」という表現で、形は似ているものの意味が異なります。

if everは「(出来事の頻度が)たとえあるにせよ」if notは「~ではないにせよ」という意味の表現です。

表現和訳例文
if anythingどちらかと言えば
むしろ
The movie wasn’t bad. If anything, it was better than I expected.
(その映画は悪くなかった。むしろ、私が期待していた以上でした。)
if anyたとえあるにせよ
(数量)
At the closing time of the bakery, if any, there were hardly any products left.
(閉店間際のパン屋には、たとえあるにせよ、ほとんど商品が残っていなかった。)
if everたとえあるにせよ
(頻度)
I doubt such an event will occur again, if ever.
(そのような出来事がもう一度起こる可能性は、たとえあるにせよ、ほとんどないと思います。)
if not~でないにせよThe room was cold, if not enough to turn on the heating.
(暖房を付けるほどではないにせよ、部屋の中は寒かった。)

丸暗記しようとしてもうまく覚えられないかもしれません。ここから、if anything, if any, if ever, if not の違いを詳しく解説するので、ニュアンスを理解して使いこなせるようになりましょう!

“if anything” は「どちらかと言えば」や「むしろ」を意味する英語表現

“if anything” はどちらかと言えば」「むしろと訳される表現です。“if any” の和訳は「(数量が)たとえあるにせよ」なので、形が似ているだけで意味合いが異なります

“if anything” は前半で述べた内容を否定し、逆の方向に傾ける際に使うのに適した表現です。

▼例文

The meeting wasn’t too long. If anything, it ended sooner than expected.
(会議はあまり長くありませんでした。どちらかと言えば、予想よりも早く終わりました。)

The journey wasn’t tiring. If anything, it was rather relaxing.
(その旅は疲れるものではありませんでした。むしろ、かなりリラックスできるものでした。)

例文を見ると、“if anything” を使うことで前半が否定され、後半の内容=「予想より早く終わった・リラックスできた」が、より強調される結果となっていますね。

そもそも「どちらかと言えば」「むしろ」という表現には、「強いて言えば」というニュアンスが含まれています。この表現によって、最初に抱かれやすい印象を打ち消して、自分が感じた逆の印象を伝えることが可能です。

前半の内容を否定しつつ、後半で逆の主張をしたい文脈では “if anything” (どちらかと言えばむしろ)が適した表現です。ぜひ活用して、「これはネガティブな印象を抱かれやすいけれど、強いて言えばいいものなんじゃないか」という微妙なニュアンスを正確に伝えてみてください。

“if any” / “if ever” は「たとえあるにせよ」や「もしあれば」を意味する英語表現

“if any” と “if ever” はいずれも「たとえあるにせよ」や「もしあれば」と訳される表現です。違いは“if any” が「数量」、“if ever” が「頻度」を表す点にあります。

【2つの違い】
if any  ⇒「数量がたとえあるにせよ・もしあれば」と述べるとき=“few” や“little” に近い

if ever   ⇒「頻度がたとえあるにせよ・もしあれば」と述べるとき=“rarely” に近い

“if any” は“few” / “little” (ほとんど~ない)のように、数が少ないイメージを含みます。

対して“if ever” は具体的な数量ではなく、頻度が「あるとしても滅多にない」というニュアンスを含み、 “rarely” に近い表現です。

▼例文(if any)

Feel free to tell us if any help is needed.
もし何か助けが必要なら、私たちに言ってくださいね。)

He is lazy, and if any, he has little motivation for studying.
(彼はなまけもので、もしあるとしても、勉強への意欲はほぼなかった。)

▼例文(if ever)

He hardly works overtime on weekends, if ever.
(彼はたとえあるにしても、ほとんど休日出勤はしません。)

She rarely opens up about her concerns, if ever.
(彼女はたとえあるにせよ、ほとんど悩みを打ち明けることはありません。)

ポイント!

if any  ⇒ 助け・勉強への意欲の「数量」

if ever   ⇒ 休日出勤・悩み相談の「頻度」

“if any” と“if ever” は、いずれも数を意味する表現で混同しやすいのが特徴です。スキマ時間にでも、“if any” =「数量」、“if ever” =「頻度」というポイントを見直し、正しく使えるようになってくださいね!

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“if not” は「〜でないにせよ」を意味する英語表現

“if not” は〜でないにせよを意味する表現です。前半の内容を打ち消したうえで、自分の主張を述べるために使われます。

▼例文

If not spicy, this curry was delicious.
(そのカレーは、辛くないにしても、おいしかった。)

If not tall, he has a good style.
(彼は、背は高くないにしても、スタイルがいい。)

If not noisy, the cafe was not suitable for a quiet time.
(そのカフェは騒がしくはないにせよ、静かに過ごすには向いていなかった。)

上記のいずれの例文も、“if not” を使って「〜でないにせよ」と、ある状況を否定することで、後半で述べたい内容を強調しています。

ニュアンスとしては“at least”(少なくとも)に近い意味だと理解しましょう。

最初の例文では、
「辛いとまでは言えないが、少なくともおいしくはあった」
と、おいしさを強調していますね。

参考:田中廣明『会話の含意の棚上げと阻止現象 : if any, if anything, if ever, if not, not…until』(言語文化研究, 1997)

このように事実を伝えつつ、それを打ち消しながら自分の意見を述べる文脈では、 “if not” によって自分が感じたことを強調できるんです

どうしても客観的な事実と、主観的な意見が一致しないときには、“if not” (〜でないにせよ)を使ってみてください。うまく使いこなせれば、微妙なニュアンスを英語で表現でき、英会話で正確な意図を伝える第一歩になりますよ。

if any や if anything の違いについて理解度チェックテスト!

最後に、if any や if anything の違いについて理解できたか確かめるために、チェックテストに挑戦しましょう!

以下の例文を英訳してください。1つの例文につき、一度はif anything / if any / if ever / if not のいずれかを使うこと。

① その映画は退屈ではなかった。むしろかなり面白かったと思う。

② もしいたとしても、イベントにほとんど人はいなかった。

③ 彼がジムに行かない日は、もしあるとしても、ほとんどない。

④ この解決策は有効だ、完璧ではないにせよね。

解答

① The movie wasn’t boring, if anything I thought it was quite entertaining.
⇒“if anything” は「むしろ」を意味する表現

If any, there were few people at the event.
⇒“if any” は「たとえあるにせよ(数量)」を意味する表現

③ He rarely, if ever, misses a day at the gym.
⇒“if ever” は「たとえあるにせよ(頻度)」を意味する表現

④ This solution is effective, if not perfect.
⇒“if not” は「~でないにせよ」を意味する表現

うまく答えられなかった人も大丈夫です! 最後のまとめをチェックして、各表現の違いをマスターしましょう。

違いまとめ
if anything=どちらかと言えば if any=数があるにせよ
if ever=頻度があるにせよ if not=でないにせよ

あらためて冒頭で示した、ifで始まる表現の一覧を見てみましょう。全部の意味を答えられるようになりましたか?

if anything 

if any

if ever

if not

if anything / if any / if ever / if not  の違いを再度まとめると、以下の通りです。

表現和訳
if anythingどちらかと言えば
むしろ
if anyたとえあるにせよ
(数量)
if everたとえあるにせよ
(頻度)
if not~でないにせよ

しっかり使い分けられるようになるための、おすすめの学習法は、自分で実際に例文を作って、それぞれに適したシチュエーションを理解すること。

「数量」を表す例文では“if any” 、「頻度」を表す例文では“if ever” と、英文を書きながらおさらいすることで、使い方が理解できるようになっていきます

今回紹介した例文を声に出して覚えて、感覚的に使える状態を目指すのも効果的です。単語と意味のみを覚えるよりも、文章全体で理解した方が、それぞれの正しい使い方が脳内に定着しやすくなりますよ。

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