「旅行する」を意味する表現に、“go on a trip” と “travel” があります。
以下のシチュエーションで、両者を使い分けられるでしょうか。
例:英会話の自己紹介で「私は海外旅行に行くのが大好きです」と言いたい。
こんなとき “go on a trip” と “travel” のどちらが適切でしょうか?
“trip” も“travel” も基本的な表現なのに、意外と使い分けが紛らわしく、混乱する方も多いですよね。
本記事を読めば、“go on a trip” と “travel” の違いを明確に理解でき、今後迷うことがなくなります!
結論:“go on a trip” 目的のため計画された特定の旅行 “travel” 一般的な広い意味での旅行
“go on a trip” は「特定の期間に何らかの目的のため」計画された旅行へ行くときに使います。 より具体性を持つ表現で、特定の計画や期間がある旅行に対して使われるのが特徴です。
対して“travel” は「旅行という活動全般」を指し、旅の期間が定まっているとは限らず、広い意味で使われます。
より一般的な表現で、広い意味での「旅行全般・旅行という概念そのもの」を表すのが特徴です。
ポイント | 例文 | |
---|---|---|
go on a trip | ・特定の期間や目的のために、計画された旅行について話すときに使う。 ・イベント的な性格を持つ。 | Let’s go on a trip to Tokyo this weekend. (今週末は東京旅行をしよう。) |
travel | ・より一般的な表現。 ・旅行という活動全般や、広い意味での移動を指す。 | I like travel. (私は旅行が大好きです。) |
「私は海外旅行に行くのが大好きです」は“I love traveling abroad.”
改めて、冒頭の例文「私は海外旅行に行くのが大好きです」について考えてみましょう。
文脈としては「ある特定の旅行」を指しているわけではなく、広い概念としての「旅行」について言及していますね。
そのため一般的な旅行を表す “travel” を使うのがより適切でしょう。
▼正しい英文:I love traveling abroad. (私は海外旅行に行くのが大好きです)
ただし、実はここで “I love to go on a trip abroad.” と言っても誤りではありません。
同様の意味は通じるので、英会話でとっさに“go on a trip” と言ったとしても、焦らなくて大丈夫です。
ただ“go on a trip” には、具体的に計画された旅行のニュアンスがあります。広い意味で「旅行が好き」と伝えたいときには、やはり一般的な意味合いで使われる“travel” の方がより自然です。
例文“I love traveling abroad.” を丸ごと覚えて、何度か音読することで口に慣らしていけば、実際の英会話で自然な表現を迷わず言えるようになりますよ。
なお「旅」を意味する単語には“journey” もあります。これは「苦難を含めた長い旅」を表し、“Life is a journey.” (人生は旅だ。)のように、比喩的に人の長い一生を表すときにも使われるのが特徴です。
参考:【1分で読める】trip / travel / journeyの違い|一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会
比喩的な「旅」ではなく、現実的な「旅行」について説明するなら、“trip” か “travel” が一般的ですよ。
次から、使い分けのポイントについて例文を紹介し、さらに詳しく解説します。
“go on a trip” は計画された旅行の期間や行き先を説明する際に使う英語表現
“go on a trip” は、計画された旅行について話すときに使います。具体的な旅の予定が決まっており、旅行期間や行き先に言及する文脈で使うのが適切です。
一時的に行く予定がある旅行は、基本的に“go on a trip” で説明できますよ。
I’m planning to go on a trip to Europe next summer.
(来年の夏、ヨーロッパ旅行に行く予定なんだ。)
We might go on a trip to a nearby prefecture for a day.
(1日だけ近くの県に旅行するかもしれません。)
They often go on trips to explore new great restaurants in Japan.
(彼らは新しくて良いレストランを見つけるため、よく日本国内を旅行します。)
このように“go on a trip” は、自分の頭の中で思い浮かべている、「ある特定の旅行」について説明したいときに便利な表現です。
「計画された具体的な旅行」や「目的のある個別の旅行」を意味するシチュエーションでは、“go on a trip” が適しています。
“travel” は旅行について抽象的な説明をする際にも使える英語表現
“travel” は “go on a trip” に比べて、より一般的な言い回しで、「旅行全体」を指すイメージです。
期間や行き先が具体的に言及されていない場合、“travel” が使われることが多く、旅行という概念全般を示すことができます。
I love to travel and see different cultures around the world.
(私は旅行をして、世界中の異なる文化を見るのが好きです。)
His job requires him to travel to many cities for meetings.
(彼の仕事は、会議のため、様々な都市に移動することを必要とします。)
During the holidays, we plan to travel to visit family.
(休暇中、家族のところに訪れるため、旅行する予定です。)
例文はいずれも、より広い概念としての「旅行」を表現していますね。また2つ目の文章のように、「移動」という意味を表すこともできます。
特定の旅行ではなく抽象的な意味合いでの旅行について説明する際や、具体的な情報がなくてもいいシチュエーションでは “travel” が適しているんです。
ちなみに……
英語初心者の方は、どうしても“go on a trip” と “travel” の使い方に迷いやすいと思います。
その場合は、「旅行」という単語を使わなくても、旅行に行く予定を伝えることが可能なので安心してください。
▼例文
I’m going to New York for two weeks.
(ニューヨークへ2週間の旅行に行きます。)
未来の計画を表す句動詞“be going to” を使って、“be going to 場所”と伝えれば、相手は「話し手が旅行に行くこと」を理解してくれますよ。
また、日本人学習者は、「行く」=“go” と認識して、“be going to go to” と言いやすいかもしれません。間違いではありませんが、“I’m going to go to New York” は長くて口にするのが面倒くさいですよね。
旅行に行くことを伝えたい場合、“be going to 場所” だけで意味はきちんと伝わるので、“go to” は省略してもOKですよ。
英会話では分かりやすさが重要なため、迷った場合はシンプルな表現で言いたいことを伝えましょう。
“go on a trip” と “travel” の違いについて理解度チェックテスト
“go on a trip” と “travel” の違いについて理解できたか、チェックテストで確認しましょう!
次の文章を英訳してください。
① 去年の夏、彼女はパリに旅行に行った。
② 彼は旅行が大好きで、50か国以上を訪れています。
③ 砂漠を横断するという彼らの旅は、困難で過酷なものでした。
解答
① She went on a trip to Paris last summer.
⇒ 特定の旅行を表すのは“go on a trip” で、かつ過去形なので“went on a trip” となります。
② He loves to travel and has visited over 50 countries.
⇒ ここでは、50カ国訪れた中の特定の旅行については語っておらず、「旅行全般が好き」というニュアンスなので“travel” が適しています。
なお「現在までに継続的に50カ国を訪れてきた」というイメージなので、過去形“visited” ではなく、「現在まで~している」状態を表す現在完了形“has visited” を使っています。
③ Their journey across the desert was challenging and exhausting.
⇒ 長い距離や時間がかかり、時に苦しみをともなう旅は、人生にも例えられる“journey” で表します。
うまく使い分けるのが難しかった人もいるかもしれませんね。最後に、旅行を表現する単語についてまとめていくので、おさらいに活用してマスターしていきましょう。
違いまとめ:“go on a trip” は計画された特定の旅行 “travel” は旅行という概念を意味
あらためて、“go on a trip” と “travel” の違いをまとめると、以下の通りです。
ポイント | |
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go on a trip | ・特定の期間や目的のために、計画された旅行について話すときに使う。 ・イベント的な性格を持つ。 |
travel | ・より一般的な表現。 ・旅行という活動全般や、広い意味での移動を指す。 |
ただし、2つは厳密に使い分けられているかというと、実際にはそうではないケースもあります。ネイティブスピーカーは「特定の旅行について話すから“go on a trip” だ!」と細かく考えているというよりも、むしろ日常会話の中では、2つを互換可能な表現として使う場合が多いです。
しかし、日本人の英語学習者は、より正確な英語表現を覚えることで、ネイティブスピーカーに「自分の英語がうまく伝わらない」という経験を減らしていくことができます。
“go on a trip” と “travel” のニュアンスが持つ、それぞれのニュアンスを押さえれば、より自然な英語表現について理解も深まりますよ。英会話の場面で、シチュエーションによって適切な表現を使いこなせるようになるために、違いを意識して損はありません。
ぜひ今回の記事を参考に、“go on a trip” と “travel” 、加えて“journey” の違いも理解して、使い方をマスターしてみてください!