- 英語の初心者が一から取り組むべき具体的な勉強法を把握し、実践できる
- 正しい勉強法とNGな勉強法を見極めて、自分に適したやり方で上達に向けて前進できる
- 「自分なりに英語の勉強を続けてきたけれど成果が出ない」という状態からの脱却を図れる
英語を一から学びたいものの、何から手をつければ良いのか、どのような学習方法が効果的なのかわからない人は多いでしょう。
英語の学習は継続が大切ではありますが、限られた時間の中で効率的に行い、最大限の効果を引き出すように工夫を凝らすことが大切です。
この記事では英語初心者におすすめの英語学習方法や、逆に英語初心者にはNGの英語学習方法などについて詳しく解説します。
一読すれば、英語初心者の人でも英語学習の方向性が見えてくるはずですよ。
英語初心者が一から実践できる勉強法7選!インプット&アウトプットの具体的な方法

英語学習の初心者は、毎日少しでも何らかの学習に取り組み、身体に英語を染み込ませることが大切です。
しかし無理やり学習しようとすると、挫折するリスクがあるため、まずは負荷の少ない方法から実践していきましょう。
例えば、
・英語のショート動画を見る
・英語圏の海外スターやインフルエンサーのSNSを見る
・自分でも英語を使いSNSで発信する
・今自分で考えていることを英語に変換してみて、分からなければ辞書や翻訳ツールで調べる
などの行動を、1日数分だけでも毎日継続すれば、立派な英語学習になりますよ。
さらに英語初心者が一から実践できる勉強法を、具体的に7つ紹介します。
- 中学生レベルの基本的な英単語や英文法を身につける
- 英語音読を通じて正しい発音や英文の構造を身につける
- シャドーイングで正しい英語の発音やイントネーションなどを身につける
- 毎日英語で日記を書くことで英語表現の幅を広げる
- フォニックスと洋楽を使って正しい英語の発音を身につける
- 英語の多読を通じて英語脳を作り出し英語の総合力を上げる
- オンライン英会話を活用してアウトプットの機会を設ける
それぞれの勉強方法について詳細を解説するので、チェックしてみてください。
初心者向け英語学習法①中学生レベルの基本的な英単語や英文法を身につける
英語を一から学ぶ場合は、基本的な単語や英文法を身につけることが必要です。これらが身についていないと、英文の読解や英会話を理解することができないからです。
そして自分が理解できないものを読んだり聞いたりしても楽しいと感じることができないため、英語の学習に挫折することにもつながりかねません。
まずは基本的な単語や英文法を身につけましょう。その際に気をつけるべきポイントが2点あります。
1つ目は、1冊の参考書や単語集を徹底的に何度もやり込むことです。2冊以上の参考書や単語集に取り組んでしまうと集中力も途切れやすく、終わらせるまでに時間がかかってしまい挫折の要因にもなります。
2つ目は「1日○時間」と時間を区切って勉強することです。目標と達成するまでの期限を設定し、そこから逆算して1日の学習時間を決めましょう。
ページ数をノルマにする人がいますが、苦手な内容や難易度が高い章を学習していると時間ばかりが過ぎてしまい、学習に対するモチベーションが下がる可能性があるためおすすめではありません。
初心者向け英語学習法②英語音読を通じて正しい発音や英文の構造を身につける

英文の音読は正しい発音や英文の構造を身につけるのに非常に効果がある学習法です。
英語音読は下記の流れで進めることをおすすめします。
- 音声だけを聞き取る
- スクリプトを読んで分からない単語やフレーズの意味を確認する
- 英文の聞き取りができなかった部分を重点的に聞く
- 1つの英文を音読する
- 全ての英文を繰り返し音読する
音読するための教材を選ぶポイントは3つあります。
まずは、ネイティブスピーカーによる音声の読み上げがある教材を選ぶことです。正しい英語の発音のお手本がないと、自己流の英語の発音になってしまい、正確な英語の発音を身につけられません。
2つ目は、英文の内容がほとんどわかるレベルの教材を選ぶことです。張り切って難易度が高い教材を選んでしまうと、知らない単語やフレーズが多く、内容を理解するのが難しくなり挫折する可能性が高まってしまいます。
加えて英文のレベルだけでなく、内容も自分が興味のあるもの、かつ文章が長過ぎないものを選びましょう。好きなものに関する教材であれば、趣味として楽しみつつモチベーションを維持しながら、継続的に学習できるようになります。
初心者向け英語学習法③シャドーイングで正しい英語の発音やイントネーションなどを身につける
シャドーイングとは、テキストの英文を見ずに英文の音声だけを聞き、真似して発音する勉強法です。
シャドー(shadow)とは英語で「影」を意味する英単語です。聞こえてきた英語音声のすぐ後に続いて、英文を影のように追いかけて発音することを心がけましょう。
シャドーイングを通じて、リスニング力、スピーキング力、語彙力が飛躍的に向上することが期待されます。
シャドーイングは下記の流れで行うと効果的です。
- テキストを見ずに英文の音声を聞き取り、大まかな内容を把握する
- テキストを見ずに音声の英語だけを頼りに1回シャドーイングをする。その際に自分の声を録音する
- 録音した自分の音声を聞きながら、発音できていなかったところ、ついていけなかったところなどの確認をする
- テキストを確認しながら、文章全体の内容を把握し、自分が聞き取れなかったり発音できなかったりした箇所の確認をする
- テキストを見ずに再びシャドーイングにチャレンジする。何回か挑戦して慣れてきたら、文章の意味や内容に意識を向けながらシャドーイングをする
シャドーイングの学習をする際に注意すべき点はいくつかあり、特に自分のレベルに合った教材を選ぶことが最も大切です。難しすぎず、簡単すぎずのレベルの英文で、自分が興味のある英文を選ぶと継続的に学習することができるでしょう。
初心者向け英語学習法④毎日英語で日記を書くことで英語表現の幅を広げる

英語で日記を書くと「これは英語でなんと表現するのかな?」と悩む瞬間があるはずです。
そこで、知らない単語やフレーズを辞書で調べれば、新たな知識を学ぶきっかけになります。
最初は英語で日記を書くのに時間がかかるかもしれませんが、徐々によく使う単語や表現が身につき、時間が短縮化されていくはずです。
英語日記を通じて、語彙力が増えるだけでなく、英単語のスペルミスや文法ミスも確認できます。ライティング力の向上に適した勉強法です。
できる限り毎日取り組み、習慣化させましょう。毎日日記を書くのがしんどい人は、朝ごはんの前・おやつの前など、必ずやる行動の前後に行うと習慣化しやすいですよ。
自分が最もストレスなく取り組めて、1日の出来事を落ち着いて振り返れるタイミングに、数行ずつでも書いてみましょう。
最初は日付や今日の気分、行動を一言二言書くだけでも構いません。下記のような内容に触れて、徐々に英文の内容を膨らませましょう。
- 日付
- 天気
- 今日食べたもの
- 今日の行動
- 場所
- 気持ちや体調
- 感想
- その行動を起こしたり、気持ちになったりした理由
- 誰と
「日記」と聞くとノートが必要なのかと考える人がいるかもしれませんが、スマホのアプリやメモ帳機能を活用することもできます。どちらが優れているといったことはありません。自分が継続しやすいやり方で取り組んでください。
「記録をつけること自体が面倒くさい……」という人も、普段から「この気持ち・状況は、英語で何と言うのだろう」と考えることを習慣化させましょう。
英語で日々の様子を表現する習慣が確立されれば、徐々に英語であらゆるシーンを説明できるようになるはずです。
初心者向け英語学習法⑤フォニックスと洋楽を使って正しい英語の発音を身につける
日本語と英語の発音は大きく異なります。そして正しい発音を身につけることができると、初心者であっても相手に伝わる英語が話せるようになるでしょう。
英語の発音の勉強法は下記の通りです。
- 英語の発音の本を1冊購入し、その本をしっかりとやり込んで英語の発音のルールを知る
- YouTube動画などを活用してフォニックスを身につける
- アクセントやイントネーションなど英語独特のリズムを知り、意識しながら英文を読み上げたり、英単語を発音したりするように心がける
- 1-3で学んだことを意識しながら、自分が好きな洋楽の歌を歌ってみる。何度も繰り返して歌い、スムーズに歌えるようになったら次の歌に進む
フォニックスとは英語の発音と文字の関係性を学ぶための音声学習法です。フォニックスを通じてそれぞれのアルファベットの発音を学ぶことで、知らない単語でも正しく発音できるようになります。
ある程度知識を習得したら、実際に発音がうまくできるか、洋楽を歌うことで楽しく確認してみてください。
初心者向け英語学習法⑥英語の多読を通じて英語脳を作り出し英語の総合力を上げる

英語の多読はリーディング力の向上だけでなく、英語脳を作り出すのに効果的です。やり方は非常に簡単で、ただ英語の本を読むだけです。
ただし、英語多読をする際には下記の3点に気を付ける必要があります。
- 多読中は辞書を引かない
- 分からない単語は飛ばす
- 「合わない」と思ったらすぐにやめる
「とにかく読み進める」ことが多読のポイントであることから、自分のレベルに合った本を選ぶことが大切です。
ポイントとしては「1ページに知らない英単語やフレーズが5つ未満」の本を選ぶと良いでしょう。英語初心者の場合は英語の絵本からスタートさせても構いません。徐々にレベルを上げていってください。
英語の多読をするためには、Kindleなどの電子書籍であれば紙媒体の洋書よりリーズナブルです。
また、洋書の多読ができるスマホアプリもあります。これらを活用すれば、コストを抑えて幅広い教材で読解力を上げることが可能です。
初心者向け英語学習法⑦オンライン英会話を活用して英語でのアウトプットの機会を設ける
英語に限らず語学は文法や単語の知識を学ぶだけでなく、それを実際に使ってみないと記憶に残らず、身につけることが難しいです。そのため、英語をアウトプットする機会を設けましょう。
英語をアウトプットするための方法は、独り言や英作文などいくつかあります。独学でも、普段から英語で話したり書いたりと、アウトプットの時間を設ければ、ある程度は英語で発信することに慣れるはずです。
ただ、1人では本当に「通じる英語」が身に付いているか判断できないため、週1回でもオンライン英会話を活用することをおすすめします。
オンライン英会話とはオンラインビデオ会話ツールを使って、オンライン上で英会話のレッスンを提供するサービスのことです。
オンライン英会話を英語初心者におすすめする理由は下記の通りです。
- 英会話スクールよりレッスン料が安い
- 通学にかかる時間とコストを節約できる
- スマホと通信環境があればいつでもどこでも受講できる
- 1回のレッスンが25分ほどと短いため、初心者であってもプレッシャーが少ない
- プライベートレッスン(マンツーマンレッスン)が主流なので自分のペースで学習できる
身につけた英単語や英文法は、レッスン中にどんどん使うように心がけましょう。定着度がグッと上がりますよ。
NGな英語勉強法!初心者や独学の人がやりがちな間違った学習法&解決策を紹介

下記は英語初心者や独学の人がやりがちな間違った英語の勉強法とNG例です。
- 「〜だけ」学習で英語の4技能をバランスよく育成しようとしない
- 「聞き流し」や「英語のシャワー」は英語初心者には効果がない
- アウトプットだけする。英会話スクールに通うだけでは英語力はアップしない!
- さまざまな英語学習方法にトライし続けて中途半端な勉強をする
- 毎日英語に触れておらず、英語学習が習慣化されていない
それぞれの学習法がどうして間違っているのかを解説します。
NG英語学習法①「〜だけ」学習で英語の4技能をバランスよく育成しようとしない
英語の音声を聞く「だけ」で口を動かそうとしない。
英語のフレーズを読む「だけ」で書こうとしない。
このような「〜だけ」学習では英語の4技能であるリーディング力・リスニング力・ライティング力・スピーキング力をバランスよく育成させることは難しいです。
それぞれのスキルを連動させながら学習することで学習効果を倍増させることができます。
また、4技能をバランスよく身につけるように心がけることで、特定の技能に対する苦手意識をなくすことにもつながりますよ。
特に、日本人はライティングやスピーキングといったアウトプットの技能が弱いため、この2つの技能を向上させることを意識しながら英語学習に取り組むと良いでしょう。
実践的な英語力を身に付けたいのであれば、偏った学習をやめて総合的な学習をするように心がけてください。
例えば、英語の単語やフレーズを覚える際には、紙に書きながら発音することで、ライティング力・リスニング力・スピーキング力の向上につながります。
NG英語学習法②「聞き流し」や「英語のシャワーを浴びる勉強法」は英語初心者には効果がない

英語力を向上させるためには毎日英語に触れることが大切です。
「聞き流し」や「英語のシャワーを浴びる勉強法」であれば毎日英語に触れられるし、楽そうだからトライしてみようと考える人も多いのではないでしょうか?
残念ながら、これらの勉強法は英語の基本的な知識がない初心者の人には不向きの勉強方法です。ある程度の英語力がある人が「聞き流し」や「英語のシャワー」を浴びると、内容を多少なりとも理解することができるため学習効果があります。
しかし、英語初心者の場合は、流れてくる英語の音声がただの音の塊にしか聞こえず、全く効果がないと言っても過言ではないでしょう。
英語をマスターするのに楽な方法はありません。前章で紹介した7つの学習法で地道にコツコツと努力を続けるしかないのです。
英語学習の道のりは長く大変ではありますが、正しい方法で継続すれば、努力が裏切られることはありませんよ。
NG英語学習法③アウトプットだけするのもNG!英会話スクールに通うだけでは英語力はアップしない
英会話スクールに通うだけで英語力がアップすると考える英語初心者の人は非常に多いです。しかし、この考え方は間違っています。
「~だけ」の学習がNGという考え方に通じますが、「アウトプットだけ(英語で話すだけ)」では、残念ながら英語力は上がりません。
英会話スクールやオンライン英会話は、インプットした学習内容をアウトプットするための場所です。つまり、英語を学ぶための場所ではなく、英語を定着させるための場所といえます。
英語の基礎が身についていない状態で英会話スクールに通っても、自動的に英語が話せるようになるわけではありません。
英会話スクールに通うこと自体に問題があるわけではありません。
ただ英会話の効果を実感したい場合は、自分自身でも英文法や単語を学んだり、英文を音読したりと自習して、インプットの時間も設けることが大切です。
もちろん「インプット」だけでも英会話は上達しないため、学んだ内容をアウトプットする時間とのバランスを保ちましょう。
予習の時間を設けて、次の英会話レッスンで学ぶ予定の内容や、使う予定のテキストを読んで知識を付けるのは、立派なインプットです。またレッスンを受ける中で生じた疑問や不明点、新たに学んだ内容などを、復習の時間に改めてインプットすると、しっかり記憶に定着しますよ。
NG英語学習法④さまざまな英語学習法にトライし続けて中途半端な勉強をする

英語力を向上させたり、勉強の効果を感じたりするためには、どのような学習法であってもある程度の時間が必要です。そのため一度決めた学習法には、最低でも3ヶ月は取り組むようにしましょう。
有名人が紹介する英語の勉強法が新鮮で魅力的に感じるのも理解できますが、その方法が自分の性格やレベルに合うとは限りません。
もし現在取り組んでいる英語学習法に疑問を感じたり、効果を感じなかったりした場合、自己判断で勉強を中断し、新しい英語学習法にとびつくのはやめましょう。
英語力が高い友人や信頼できる英語の指導者に、勉強法を相談してみることがおすすめです。
英語学習に関する知識や経験がある人に意見を聞くことで、遠回りな英語学習をするリスクを下げることにつながります。
成果を出した人が実践してきた勉強法から、特に自分に合った勉強法を取り入れれば、自分も同じように上達できる可能性があるのです。
また、あなたの性格や志向をよく知る人に相談することで、自分に適した英語の勉強法を教えてもらえるかもしれません。
NG英語学習法⑤毎日英語に触れておらず、英語学習が習慣化されていない
英語力を向上させたいのであれば、週に1回30分学習するよりも、毎日5分ずつ学習する方が継続の面で効果的です。
英語初心者の人は、まずは英語の学習を習慣化させるように心がけてください。ただ忙しい日常の中で、英語学習のための時間を確保することは難しいですよね。
2021年にBizmatesが発表した「英語学習の挫折に関する実態調査」によると、英語学習を始めた社会人の90%が挫折し、そのうちの80%が3ヶ月以内に英語の学習を諦めたというデータもあります。
1日2〜3時間ほど英語の学習時間が確保できるのが理想ではありますが、それは現実的ではありません。
忙しい人は、日常の中で下記のようなスキマ時間を有効に活用して英語学習をすることをおすすめします。
- 通勤時間
- ランチタイム
- スマホをいじっている時間
このようなスキマ時間を英語学習に活用することで、1日20〜30分ほどの学習時間を確保することはできるでしょう。
1日のスケジュールを見直して、英語学習に充てられる時間がないかどうか考えてみてください。
【レベル・目的別の英語勉強法】自分に適した学習内容が分からない人必見

続いてレベル・目的別に英語の勉強方法を紹介します。レベルと目的は下記の5つに分類しています。
- 日常的な英会話ができるようになりたい人(TOEIC 400-600点 )
- まとまった量の英文を理解し、自分の意見を英語で表現できるようになりたい人(TOEIC 600-700点 )
- ある程度複雑で専門的な話題でも理解できるようになりたい人(TOEIC700-800点)
- 仕事でバリバリ英語を使えるようになりたい人(TOEIC 800-900点)
- ネイティブスピーカーレベルの英語力を身に付けたい人(TOEIC900点以上)
自分のレベルや目標に合った勉強法が分からない人は必読です。
日常的な英会話ができるようになりたい人(TOEIC 400-600点)
TOEIC400-600点は英語初心者がまずは目指すべきレベルです。これらの目標に到達できたら、基本的な英語を理解し日常的な英会話ができるレベルであると言えます。
ちなみにIIBCが発表した「TOEIC L&R 国・地域別平均スコア(2021年)」によると、日本人のTOEICの平均スコアは574点でした。
まずは中学校や高校で学ぶ英文法や英単語をマスターすることがおすすめです。英文法や単語の学習に使用する参考書やテキストを1冊ずつ選び、徹底的にやり込んでください。
中学生や高校生の時に英語が苦手で授業についていくことができなかったからといって、現在も理解できないとは限りません。大人になってから英語を学び直してサクサクと勉強できるようになることはよくあることです。
まずは中学生や高校生時代に英語に抱いていたネガティブなイメージを払拭することから始めましょう。そして、少しずつで良いので毎日英単語や英文法の学習に取り組んでみてください。
まとまった量の英文を理解し、自分の意見を英語で表現できるようになりたい人(TOEIC 600-700点)

このあたりから履歴書で企業に英語力をアピールできるレベルになります。
TOEIC600点台の取得は難しくはありませんが、独学では挫折してしまう可能性があるため、専門学校や英語コーチングなどプロの手を借りて学習することがおすすめです。
あなたに合った学習プランを立ててくれたり、理解できていない部分を個別指導してくれたりするため、短期間で効率的に英語力アップを目指すことができるでしょう。
また、このレベルの人におすすめの勉強方法はディクテーションとシャドーイングです。シャドーイングについては前章で解説したため割愛します。ディクテーションとは英語の音声を聞き取り、それを書き取る英語学習法です。
いずれの学習方法も英語力がついているのを実感するまでに時間はかかりますが、正しい方法で取り組めば力が身につきます。一朝一夕に身に付くスキルではないため、簡単に投げ出さず、コツコツと学習を続けるようにしてください。
ある程度複雑で専門的な話題でも理解できるようになりたい人(TOEIC700-800点)
TOEIC700点台以上は、2023年7月のTOEIC日本人受験者の中で上位約25%に入るレベルです。
就職・転職・昇格昇級をするために求められるスコアが730点であると言われており、英語中級者はTOEIC730点以上を目指すことをおすすめします。
このレベルの人におすすめの英語勉強方法はオンライン英会話や英会話スクールに通ってアウトプットする機会を設けることです。
このレベルであれば、これまでにインプットした英単語や英文法の知識があるはずです。アウトプットをすることで定着度がより高まるでしょう。
また、英会話スクールやオンライン英会話で本物の人間と会話することを通して、臨場感を持つことができます。これはテキストや参考書の学習では得られない感覚です。臨場感によって、相手の発言をしっかりと聞き取ろうと、より集中力が高まります。
聞き取りづらい発音や意味が分からない単語・フレーズがあっても、文脈から推測しようとする能力を鍛えることも可能です。
仕事でバリバリ英語を使えるようになりたい人(TOEIC 800-900点)

TOEIC800点以上の人は、2023年7月のTOEIC日本人受験者の中で上位10%に入るレベルで、英語上級者と言えるでしょう。このレベルの英語力があると、転職の幅を広げたり、教員採用試験で優遇措置を受けられたりするというメリットがあります。
このレベルの人が目指すべきなのは、英語を読むスピードを上げることです。特にTOEICの場合は短時間で膨大な量の英文を読む必要があることから、速読力を身につけることが高得点を取得するために求められます。
速読力を身につけるために下記の3つの英語学習方法を取り入れましょう。
- さらに語彙力を増やす
- 長文読解のコツを身につける
- 洋書の多読に挑戦して、大量の英文を読み進めることに慣れる
このレベルの人は、英語の長文を読む際に単語1つひとつを追ったり、それぞれの文を日本語に訳したりしません。英語を英語のまま理解できるようになることを目標にして、読解力・速読力を高めていきましょう。
ネイティブスピーカーレベルの英語力を身に付けたい人(TOEIC900点以上)
このレベルは英語超上級者と言えます。ただこの中に入る人でも、これまでネイティブスピーカーが話す英語ばかり耳にしてきたのではないでしょうか?
2022年にStatistics & Dataが発表した”The Most Spoken Language in the World”では、世界で最も話されている言語は「英語」で、14億人以上にものぼると報告されています。
実はその中で、アメリカやオーストラリアのように英語を母国語として話すネイティブスピーカーはわずか3億7千万人程度です。ノンネイティブスピーカーの数が圧倒的に多いことが分かります。
そのため動画配信サイト「TED Talks」や映画などを活用して、ノンネイティブスピーカーが話す英語も聞き取れるようにすることがおすすめです。
世界のそれぞれの国や地域で独特の英語が話されています。特にインド人の英語はアクセントがきつく理解するのが難しいですが、将来的なインドの成長を考えると、音に慣れておくことが大切です。
ノンネイティブスピーカーが話す英語まで理解できれば、多国籍の人と英語でやり取りする上で、怖いものはなくなるでしょう。
英語の勉強法に関する学術論文から初心者の英語上達のポイントを解説

英語の勉強法に関する2本の学術論文から、初心者の英語上達のポイントについて解説します。
それぞれ日本人に合った英語学習方法と、効果的な語彙学習についてです。
英語学習の際にぜひ参考にしてみてください。
英語上達の鍵を握るのは今も昔も「暗記」や「記憶」!
論文タイトル: 日本人が好む英語学習方略 – 高橋五郎著「最新英語教習法」を読む-
著者名: 多田洋子
発行年: 2008年
発行元: 城西国際大学大学院紀要
明治中期から大正初期にかけて活躍した翻訳家・評論家である高橋五郎は、英語教育に関する著書を数多く世に出してきました。
その中の1冊「最新英語教習法」を見ると、現在に通ずる英語の勉強法もあることが分かります。
例えば、記憶重視というストラテジーです。高橋は下記の6つの方法で記憶力を高めることを推奨しています。
- 反復と復習
- 連想
- 耳、目、手、口を使う
- 興味を持つ
- 文中で意味を記憶する
- 大人は特に理屈を理解してから記憶する
100年以上も前の識者が提唱したやり方ですが、内容はシンプルであり、現代の英語学習にも通ずるものがあります。
研究の結果:英語初心者は英単語や英文法の暗記といった勉強法から取り組むのがポイント
論文では、暗記や記憶力を重視した勉強法が、日本・フィリピン・中国などアジア圏の国で重視されている英語学習方法であることに言及しています。
つまり記憶の定着化や暗記は日本人が好む勉強法、日本人に効果的な英語学習方法であると言えるでしょう。
英語初心者が英語力を向上させるためには、英単語や英文法などの暗記が必要になってくることが改めて分かりますね。
論文では、単独で覚えることが困難なイディオムは文章の中で覚えるといった、実践的な方法についても言及されています。
高橋の提唱する学習方法が少しでも気になった場合は、このわかりやすい論文をぜひ一読してみてください。
英単語を覚えるためには語呂合わせや接頭語・接尾辞を活用するのがベスト!

論文タイトル:学習方法の違いによる語彙習得率の比較研究
著者名:千葉県 千葉県立匝瑳高等学校 教諭 中池宏行
発行年:2004年
発行元:日本英語検定協会 STEP BULLETIN vol.16
大学入試における英語試験では、語彙力が求められる問題が多いことから、多くの受験生は英語の語彙や発音に勉強時間をかけています。
実際に高校教諭として働く著者が、効果的な語彙習得の方法を調査しようと考えました。下記の5つの単語学習の方法を比較しています。
- 絵を用いた単語学習方法
- キーワード法
- 文脈を用いた学習方法
- 語根・接頭語・接尾辞・単語の組み合わせを使って学習する方法
- 単語をジャンル別に整理して記憶する方法
キーワード法とは、ある英単語を覚える際に、母国語の中でその英単語に意味も発音も似た単語を見つけて、それを媒介して英単語を暗記する方法のことです。「英単語連想術」や「語呂合わせ」と呼ばれています。
例えばtemperature(温度)という単語の発音を、音がよく似た「天ぷらジュワー」という日本語に変換し、「(高い)温度」と連想して覚えるというものです。
研究結果:キーワード法と組み合わせが語彙の習得のポイント
実験を通じて、下記の方法が語彙の習得に効果的であることが判明しました。
- キーワード法
- 語根・接頭語・接尾辞・単語の組み合わせ
英語を学習する際に避けて通れないのが英単語やフレーズの暗記です。現在さまざまな単語集が書籍として販売されており、単語やフレーズの並び方はそれぞれの単語集で異なります。
上記の研究結果から、語呂合わせを数多く活用している単語集、または接頭語や接尾辞などの意味のグループで分けられている単語集が、容易に記憶することができると判明しました。
キーワード法はダジャレを楽しむつもりで気軽に学習でき、結果として継続的に語彙の学習がしやすくなるでしょう。
ぜひ単語を覚える際には「語呂合わせ」と「組み合わせ」を意識してみてください。
インド式英語学習法とは?英会話初心者におすすめの勉強法なのか真相を解説

突然ですが、「インド式英語学習法」について聞いたことはありますか?
基本的に3つの動詞と2つの前置詞だけを使い、初心者も簡単な英語でやり取りできる状態を目指す学習法です。
この章では、従来の学習法では英語を話せないままの人に向けて、インド式英語学習法のやり方や、おすすめできる人の特徴について紹介・解説します。
インド式英語学習法とは?発音や文法ミスを気にせず言いたいことを伝える方法
日本人は国民性もありますが、完璧主義で自身の発音や文法ミスを気にしてしまい英語を話すことを苦手に感じている人が多いです。
しかし、インド式英語学習法は異なります。英語はあくまでコミュニケーションツールであって、正確な発音・アクセント・イントネーション・文法などは二の次で、自分が言いたいことをしっかり伝えようとすることに重きをおいています。
先述した通り、2022年にStatistics & Dataが発表した”The Most Spoken Language in the World”によると、世界で英語を話す人々のほとんどがノンネイティブスピーカーです。
そしてノンネイティブスピーカーが話す英語は、それぞれの母国語の言語に基づいた発音やアクセントなどの特徴を持っています。そのため世界中に数多く存在する英語は「正しい」「間違っている」ではなく、単純に異なっているだけです。
ネイティブスピーカーを目標に英語の学習に励むことも大切ではありますが、私たちはノンネイティブスピーカーであることから完璧さを目指して肩肘を張る必要は全くありません。自分の言いたいことが相手に伝われば十分なのです。
インド式英語学習法の進め方をステップ式に紹介【成功するための具体的な5ステップと実例】

それでは、インド式英語学習法の進め方をスモールステップで解説します。
これらの3つの動詞を使って下記のような文型を作ります。
A sound(s) B. 「AはBのようです。」
例) Your idea sounds good. あなたの考えは良いですね。
人 find(s) A B.「人はAがBであることが分かります。」
例) He found that story true. 彼はその話が真実であることに気づきました。
主語 give(s) 人 + モノ「主語は人にモノを与えます」
例) The book gives me energy. その本は私にエネルギーを与えてくれます。
A sound(s) B. 「AはBのようです。」
↓
A look(s) like B. 「AはBに見えます。」
人 find(s) A B.「人はAがBであることが分かります。」
↓
人 make(s) A B.「人はAをBにします。」
主語 + give(s) +人 + モノ.「主語は人にモノを与えます」
↓
主語 + tell(s) + 人 + モノ.「主語は人にモノを言います。」
インド式英語学習法のメリット:心理面も学習量も負担が少ない
インド式英語学習法のメリットは下記の通りです。
- 発音を気にしなくて良いから心理的な負担が少ない
- 新しい単語やフレーズを覚える必要がないから学習の負担が少ない
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
発音を気にしなくて良いから心理的な負担が少ない
多くの人が英語を話す際に、発音、文法、イントネーションなど様々なことを一度に考えながら話しているのではないでしょうか?
これは英語初心者や英語を苦手に感じている人にとっては至難の業で、英語学習に挫折してしまうのも無理はありません。
しかし、インド式英語学習法であれば、発音を気にしなくて済むため、英語を話しながら気にすべきことが減ります。つまり、英語を話すことに対する心理的な負担が軽減されるということです。
新しい単語やフレーズを覚える必要がないから学習の負担が少ない
英語学習に挫折する要因は数多くありますが、その中でも多いのが「単語やフレーズを覚えるのが面倒くさいから」です。
一方でインド式英語学習法は、基本的には「自分が既に知っている英単語やフレーズを使って英文を作ること」をモットーにしています。つまり新しい英単語やフレーズを覚える必要はほとんどありません。
通常の英語学習よりも、学習の負担が少ないため、楽しく継続的に英語の勉強を進められるでしょう。
単語の暗記や文法の理解を負担に感じ、英語を嫌いになってしまった人は多いのではないでしょうか。
そのような人にこそ、限られた情報だけで意思疎通を図るインド式英語学習法がおすすめなのです。
インド式英語学習法のデメリット:英語ネイティブを相手に上級の英会話をするのは難しい

インド式英語学習法のデメリットは下記の通りです。
- インド式英語学習法だけで英語中級者や上級者を目指すのは難しい
- 英語圏の国での英会話をするには不十分である
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
インド式英語学習法だけで英語中級者や上級者を目指すのは難しい
インド式英語学習法は英語を話すことに抵抗がある人や、英語初心者が英語を話すきっかけを作るのにおすすめの方法ではあります。
しかし残念ながら、ある程度の英文を作ることができるようになると、それ以上の上達が難しい可能性が高いです。
したがって、英語中級者から上級者を目指す場合は、より高度な表現を自分で学んでいく必要があります。
インド式英語学習法を通じて、ある程度英語を話すことに対する恐怖や不安が払拭できた場合は、次の段階に進むタイミングです。
英単語やフレーズをさらに覚えたり、自分で英語の発音の勉強をしたりと、一般的な英語学習に移行していきましょう。
英語圏の国での英会話をするには不十分である
インド式英語学習法はノンネイティブスピーカー向けの英語学習法です。上記にもありますが上達には限界があるとともに、英語圏のネイティブスピーカーと英会話をする上では不十分といえます。
元々は英語が苦手で「簡単なフレーズだけを使って、相手に言いたいことさえ伝わればいいや」と考えている人なら、インド式英語学習法で目標達成を目指せます。
しかし上達していくうちに「英語圏のネイティブスピーカーとも流暢にやり取りできるようになりたい」と、気持ちが変わっていく人は少なくないはずです。
その場合は、ネイティブスピーカーのオンライン英会話レッスンを受けるといった、一般的な英語学習法に移行していきましょう。
インド式英語学習法をおすすめできる人の特徴:文法が苦手な人やうまく話せない人
インド式英語学習法をおすすめできる人は下記の通りです。
- 英語初心者
- 英文法が苦手な人
- 英語を話すのに抵抗感がある人
- コストをかけずに英語学習をしたい人
インド式英語学習法は、基本的には3つの動詞と2つの前置詞を使って英文を作るだけなので、英語初心者や英語に対して苦手意識を感じている人におすすめの方法です。
シンプルな英語で自分の言いたいことが伝えられるようになれば、自信を持つことに繋がります。徐々に複雑な英文を作成できたり、英語学習に対するモチベーションが上がったりするでしょう。
初心者の人はまず、インド人のように文法的な間違いや訛りを気にせずに堂々と自信を持って英語を話し、英語で会話することの楽しさを知ってください。
また、インド式英語学習法はコストを抑えて英語学習をしたい人にもおすすめです。非常にシンプルな学習法であるため、高額なテキストやツールは必要ありません。
英語の勉強法に迷う初心者や挫折経験者からよくある質問と回答

最後に英語の勉強法に迷う初心者や挫折経験者からよくある質問とその回答を紹介します。
Q:英語の勉強におすすめの映画はある?子供向けと大人向けを1作ずつ知りたい。
まず、子供向けにおすすめなのはディズニー映画またはジブリ映画を英語で視聴することです。
英語を完全に理解することを目的とするのではなく、楽しむことが大切。既にストーリーを知っている映画を英語で視聴することで、新鮮味を感じながら楽しく視聴できるとともに、セリフの聞き取りに集中できます。
大人向けの映画でおすすめなのは、「ターミナル」です。この映画は全く英語を話せない主人公が英語を身につけていく過程を描いているため、簡単な英会話しか登場しません。英語初心者であっても楽しみながら視聴できるでしょう。
Q:英語の勉強でノートを取っていると情報が多くなり、まとまらない…きれいにまとめるコツを教えて。

英語を勉強するために使うノートを、下記のように用途ごとに使い分けてみてください。
- 板書用
- 復習・演習用
- 暗記用
- 自習用
1冊のノートにまとめるのではなく、複数冊のノートにまとめることで綺麗にまとめやすくなるでしょう。
Q:一から英語を勉強したい!子供だけでなく大人も使える本を教えて。
『中学英語をもう一度一つ一つわかりやすく。』をおすすめします。
この本1冊で中学3年間で学ぶ英文法の基礎を身につけることが可能です。無料の解説動画もついており解説が丁寧であるとともに、英語音声のCD付属であるため、リスニングやスピーキングの勉強にも使えます。
>> 『中学英語をもう一度一つ一つわかりやすく。』についてさらに詳しく知りたい人はこちらへ
Q:英語が全くできない中学生向けの学習アプリはある?
英語がとても苦手な中学生におすすめの英語学習アプリは「Speak」です。
AIを相手に英語のスピーキング練習ができます。英語が苦手な人は人前で英語を話したり発音したりすることに対して恐怖や不安を感じるものですが、AIが相手であればこれらの心理的なハードルが払拭されるでしょう。
20分のレッスンで平均1,000単語以上もの英語を使うように構成されていることから、机に向かって英語を勉強するのが苦手な中学生におすすめです。