“road” と “street” は「道」を意味する基本的な英単語で、日本語でも「ロード」や「ストリート」と言う場面も多いほど、日常に溶け込んでいます。
しかし、実際の英会話の場面で、こんな風に迷ったことはありませんか?
例:自宅まで車で迎えに来てくれる友人に「うちに来るまでの道は、住宅街で狭いから気を付けてね」と言いたい。
でも、この場合の「道」は “road” と “street” どっちが適切なんだっけ……?
本記事を読めば、“road” と “street” の違いを明確に理解でき、今後迷うことがなくなりますよ!
また理解を深めるため、他に「道」を表す英単語も4つ紹介し、意味・ニュアンスの違いについて解説していきます。ポイントをしっかりおさえてマスターしましょう。
結論:“road” は「車が通る広い道・道路」 “street” は「人が通る狭い通り・街路」を意味する
“street” は店や住宅が並ぶ「狭い通り・街路」を指します。ショップや住宅が並んでおり、人が歩いているイメージです。
一方 “road” は車が通るために舗装された「広い道・道路」を指します。舗装された大通りで、車やバイクが走っているイメージです。
つまり2つの主な違いは「広さ」にあります。
狭い市街地の路地について説明するなら“street”、大通りや幹線道路について説明するなら“road” を使えばOK。
即座に使い分けるために、“street” には人、“road” には車が通っているイメージを思い浮かべましょう。
「ストリートミュージシャン」はいても、「ロードミュージシャン」はいませんよね!
street のイメージ
road のイメージ
“road” と “street” の違いまとめ
広さ | 具体例 | 和訳 | |
---|---|---|---|
road | 広い | ・大通り ・幹線道路 ・一般的な道路 | ・道 ・道路 |
street | 狭い | ・市街地 ・住宅地にある狭い道 | ・通り ・街路 |
“road”と “street” は、いずれも「道・道路」と訳される単語ですが、「広さ」の点では意味・ニュアンスに微妙な違いがあるんですね。
「うちに来るまでの道は、住宅街で狭いから気を付けてね」の「道」= street
冒頭の例文「うちに来るまでの道は、住宅街で狭いから気を付けてね」について、再度考えてみましょう。
判断のポイントになるのは「“住宅地”の“狭い”道路」という情報です。上記の表と照らし合わせると、市街地・住宅地にある狭い道を表現する、“street” がより適していると分かりますね。
▼正しい英文の例:
The street to my place goes through a neighborhood, and it’s a bit narrow, so just be mindful on your way here, okay?
(うちに来るまでの道は住宅街で、ちょっと狭いから気をつけて来てね。)
- go through:通る、進む
- a bit:少し・ちょっと
- be mindful on:~に気を付ける
以下より、それぞれ例文を挙げながら、さらに詳しく解説していきます。
“road” は「車が通る比較的広い道」を表現し、車が走る一般的な「道路」も意味する
“road” は「比較的広い道」を指す言葉で、具体的には、以下のような道を指します。
- 国道(National road)
- 高速道路(highway)
- 幹線道路(main road)
- 都市部などにある広い通り etc.
複数車線あるような大通りや、幅の広い道がイメージされますね。また、車が走る一般的な「道路」を指す場合は “road” が使われます。
アメリカの映画や文学にもよく登場する有名な道路「ルート66(Route 66)」は、まさに典型的な“road” です。
現在では廃線しているものの、かつてはシカゴからロサンゼルスまで東西3,940キロメートルを結び、西部へ移動する人々の交通を支えた大道路でした。
“road” の意味を覚えるなら、ルート66のように広く大きな道路を思い浮かべて、イメージと結び付けると、すぐ記憶に定着しますよ。
The main road through the city is wide and well-maintained.
(市内を横断する幹線道路は広く、きれいに整備されています。)
To reach the airport, follow the signs for the express road.
(空港に行くには、高速道路の案内に従ってください。)
On the business district’s main road, there are plenty of cafes perfect for lunch.
(そのビジネス街の大通りには、ランチに最適なカフェが揃っています。)
例文は、いずれも車が通る大通りを示していますね。このように、幅が広く、きれいに舗装された道を表現する場合には、“road” が適しています。
なお、アメリカ英語には“road” を使った便利な表現があります。
“hit the road” で「出発する」を意味し、“Let’s hit the road!” と言えば「さあ出発しよう!」と呼び掛けられるんです。
アメリカの友人や知人とカジュアルな会話をする際には、ぜひ使ってみてください。
“street” は「人が通る比較的狭い道」を指す言葉で、住宅街の路地などを意味する
“street” は、イメージ的には以下のように「比較的狭い道」を指す言葉で、具体的には以下のような道を指します。
- 住宅地の狭い通り(residential street)
- 路地(alley)
- 街路(avenue)etc.
上記を見ていると、住宅地などにある、比較的狭い通りがイメージできますね。ビジネス街などの大通り“road” から、一本入った狭い路地があれば、 “street” にあたります。
After leaving the big road, I walked into a small, dark street.
(大きな道路を離れ、私は小さな暗い通りに入った。)
There’s a cute bakery on the street that sells delicious bread.
(その通りには、美味しいパンを売っている可愛いベーカリーがあります。)
We often chat with our neighbors on the street in the evenings.
(よく夕方に通りで近所の人たちとおしゃべりします。)
例文はいずれも車ではなく、人が多く通る狭い小さな道を示しています。
1番上の例文は「大きな道路」=“road” と、「小さな通り」=“street” が両方登場していますね。この一文の意味を丸ごと覚えれば、“road” と“street” の違いを一度に理解できますよ。
その他の「道」を表す単語:“avenue”(整備された大通り) “way”(道筋)など
“road” と “street” の違いを解説してきましたが、他にも「道」を表す単語は存在します。それぞれ微妙なニュアンスの差があり、英会話で意図を正確に伝えるには、正しく使い分けることが重要です。
avenue / boulevard:大通り
“avenue” “boulevard”は「広くて美しい大通り」というイメージです。商業地域・住宅地などでよく見られ、道の両側に木や花が植えられて、景観が整備されている美しい通りを指します。
“boulevard”の方がより広い道を表現できますが、2つはほぼ同じ意味で、きれいな並木道を表現したいときにはどちらを使ってもOKですよ。
▼例文
I love walking down the avenue / boulevard near my house. It’s beautiful with shops and flowers.
(私は近くの通りを歩くのが好きです。お店や花がある美しい通りです。)
path:小道・細道
“path” は「狭い小道・細道」というイメージで、人通りから少し離れたような、静かな雰囲気を伴います。
▼例文
The path beside the river is perfect for a peaceful walk.
(川のそばの小道は、穏やかな散歩にぴったりです。)
way:道筋・方法
“way” は、道そのものを表すこともありますが「道筋・道のり」のニュアンスも持っています。そこから転じて「進む方向」を示すのが特徴です。
これまで紹介してきた単語と比べると、物理的な道を表すだけではなく、「やり方・方法」などという抽象的な意味合いでも使われます。
▼例文
If you follow this way straight ahead, there’s a nice cafe on your right at the end.
(この道をまっすぐ進むと、突き当たり右手にいいカフェがありますよ。)
Choosing the right way to solve a problem can be challenging.
(問題を解決する正しい方法を選ぶのは、難しいことです。)
“road” と “street” の違いに悩む人が知っておきたい質問と回答
以下の質問と回答には、“road” と “street” の違いに悩む人が、理解を深められる情報が詰まっています。早速チェックして、「道」を意味する表現をマスターしていきましょう。
“highway” と“road” の違いは何ですか?
“road” は一般的な意味合いでの「道路」を意味し、幅広く使われます。“highway” は“road” が表す「道路」の一種。特に複数の車線がある、信号の少ない道路を意味するケースが多く、アメリカの高速道路について話す際によく使われる表現です。
“road” と “street” の使い方は、地域によって異なりますか?
“road” と “street” の使い方に大きな地域差はなく、世界共通で使えます。ただし、アメリカ英語の場合は高速道路について話すとき、“highway” か“freeway” を使うことがあるため、覚えておくと便利でしょう。
“road” と “street” の違いについて理解度チェックテスト!
“road” と “street” の違いについて理解できたか、チェックテストに挑戦して確認しましょう!
以下の太字の箇所を、より自然な表現に変えてみてください。
① The main street connects two cities.
(和訳:主要道路は2つの都市を結んでいる。)
② I took a shortcut through the road to get to the supermarket.
(和訳:スーパーに行くため近道を通った。)
※自転車や徒歩で行ける範囲のスーパーに向かう場合の近道
解答
① street ⇒ road
2つの都市を結ぶ重要な道を表現する場合は、“road” を使うのが自然です。
なお都心にある道を意味する“main street” という言葉もありますが、規模の大きい主要道路を表現するなら、“road” を使いましょう。
② road ⇒ street
自転車や徒歩でスーパーに行く場合、通る近道は狭い街中の道なので、“street” が自然です。
“road” と “street”、その他の「道」を意味する表現の違いまとめ
今回の記事では、「道」を表す英単語として代表的な “road” と “street” の違いを解説し、さらにその他の表現についても紹介してきました。
まずは今回の記事のイメージ画像を踏まえて、広い道=“road”、狭い道=“street” というそれぞれの特徴を理解してみてください。
次に以下の表を参照し、幅広い表現も押さえていきましょう。
広さ | 具体例 | 和訳 | |
---|---|---|---|
road | 広い | ・大通り ・幹線道路 ・一般的な道路 | ・道 ・道路 |
street | 狭い | ・市街地 ・住宅地にある狭い道 | ・通り ・街路 |
Avenue Boulevard | 広い | ・美しい景観の広い大通り | 大通り |
path | 狭い | ・人通りから離れた道 ・静かで狭い道 | ・小道 ・細道 |
way | - | ・より抽象的な「道」 ・手段・方法 | ・道筋 ・方法 |
今回の記事を活用して、各表現のニュアンスの違いをしっかり理解すれば、正しく使い分けられるようになっていきますよ。
無理やり暗記しようとすると覚えにくいので、登場した例文を音読したり、自分で英作文を書いたりして、文脈の中で自然に使いこなせる状態を目指すのがおすすめです。
分からなくなったり、使い分けに迷ったりしたら、本記事を何度でもおさらいして、“road” と “street” の違いを押さえていきましょう!