【タニタの先輩社員】デザイン部:久保田朋実さん 2ページ目
久保田さんの「ガクチカ(学生時代一番力を入れたこと)」は?
▲学生時代の久保田さん
私の出身大学は、1専攻20人ぐらいで、学科としては60人程度しか学生がいないので、みな顔見知りで、学生同士も家族のような絆で結ばれていました。その中で、一生懸命取り組んだことは、やはり自分の作品作りですね。必修の実技の授業はだいたい午前中で、午後は学科の授業、そのあと午前中に終わらなかった課題に再び取り組み始めて、帰るのは夜中、ときには夜が明けてしまうこともありました。
実は、私の通っていた大学は3月1日の卒業式に、卒業生がコスプレをする大学としてまとめサイトに紹介されるぐらい有名ですが、そのような美大ならではのイベントも数多くありました。クラスメートと一丸になって、課題にもイベントにも精一杯一生懸命に取り組んだ4年間だったと思います。
仕事で役立っている大学時代の経験は?
あるとき、LEDを使って基板から何か光るモノを作る課題が出ました。私は、水に浮かべた花の花びらが開いていくと、その中にあるLEDランプが光るというものを作りました。LEDが小さなものしか取り付けられず、かなり地味なものになって「しまった」と思いました。けれども、水に浮かべたら光が水面に反射して、暗くすると大きな会場内でも光の花びらが広がるようで、きちんと光っていることがわかる作品になったのです。これには教授も驚いていて、自分でも印象に残る作品になりました。
95%ぐらいは失敗の連続で、それでも諦めずに課題にトコトン向き合い、集中して自分の作りたいものを突き詰められたことは、いい経験になっていると思います。いろいろな失敗を繰り返したことで強くなれたのかもしれません。ダメ出しは、学生時代より今のほうが多いですが、頑張っていけるのは、学生時代の経験があるからではないでしょうか。
就活前にやっておいたほうがいいことは?
私は、デザイナーという特殊な職種なので、受ける企業にポートフォリオと呼ばれる自分の作品集を作って持って行く必要がありました。タニタでも、一般職の採用とは異なり面接や筆記試験だけではなく、実際の作品を見ての選考や、課題の提出などが課されたり、インターンを体験したりもしました。中でも、ポートフォリオの作成では、自分のデザインの傾向や、好きな工程などがわかって、自分のしてきたことへの「振り返り」ができましたので、とってもためになりました。ですから、専攻が違う方も、もし可能だったら、同じように自分がやってきたことを振り返り、まとめてみたらよいのではないかと思います。自分の作品に関して、文章で説明することは、就職してからも多くあるプレゼンの機会にもとっても役立ちました。
商品のデザインは、自分がいいと思うデザインを考えるだけではなく、商品の特性や予算なども含めて考えなければいけません。久保田さんがさまざまな人との折衝を続けながら、辛抱強く新しい商品デザインを生み出せるのは、課題にとことん向き合ってきた学生時代の経験があったからなのでしょう。次はどんな商品がその手から生み出されるのか、楽しみですね。
趣味:散歩、水泳、ドライフラワー、DIY
特技:ガス・アーク溶接、カラーコーディネーターの資格を保持
就活で受けた企業: 8社
志望していた業界: デザイナーを募集する企業
今の会社の魅力: 社員の健康意識が高い、担当業務の幅が広い
文:イマーゴ
写真:中邨誠
取材協力:株式会社タニタ