「コミュ障ニート・偏差値28」から早稲田王に! 早大4年の西江健司さんインタビュー
早稲田大学の学祭で行われる「早稲田王決定戦」。過酷な試練を耐え抜き、見事最後まで勝ち残った者が「早稲田王」になれるというイベントです。このイベントで2014年、2015年と前人未到の連覇を果たしたのが、商学部経営学科4年の西江健司さんです。
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https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/28474
「早稲田で知らぬ人はいない」ほどの有名人である西江さんですが、なんと次は本を出すとのこと。そこで今回は、どういった内容の本なのか、またどういったきっかけで本を出すことになったのかなど、お話を伺いました。
■浪人時代に始めたブログが出版のきっかけ
――本を出されるそうですが、どういった内容の本なのですか?
西江さん 『引きニートコミュ障、偏差値28から早稲田に行く』というタイトルの本でして、僕自身の浪人時代の体験談や、勉強法などがまとめられているものです。
――そもそも、本を出すきっかけは何だったのでしょうか?
西江さん 『早稲田に恋して~捲土重来ver~』(http://ameblo.jp/143614361436/)というブログをやっていまして、それが「受験生ブログ」のジャンルでランキング1位になったのがきっかけです。
――ブログ自体はなぜ始めたのですか?
西江さん 僕は早稲田に入るまで2浪していまして、1浪目のときに「自分自身と向き合う」という意味でブログを始めたんです。でも1浪目は引きこもりの生活で結局はまた落ちてしまい、そこでブログを全部消したんです。
――そこからなぜまたブログを始めようと思ったのですか?
西江さん 自分の中でもいろんな葛藤があったのですが、「自分の経験をブログに残すことで、いつか同じ受験生の役に立つかもしれない」とまたブログを始めました。僕自身、ものすごく影響を受けた受験ブログがありまして、それは「高校を中退した人が働きながら大学を目指した人」のブログだったのですが、それが非常におもしろく、同じように受験生を楽しませ、励みになるブログになればいいなと思いましたね。
――そのブログがランキング1位になったと……。
西江さん 4月にブログを始めて、秋くらいに見てくれる人が少しずつ増えてきました。同じ浪人生の方が多く見てくれていたようです。浪人生の気持ちは同じ浪人生にしか分からないものだったりするので……。
――同じ苦しみを知っているからこそ、共感できるのでしょうね。特に人気の高かった記事はどんなのがありましたか?
西江さん やはり勉強法の記事は人気が高いですね。今でもアクセスが多くありますから。他には僕自身の日々の出来事をつづった体験記も意外と人気でした。あとは、合格報告の記事もすごいアクセスがありました。
――応援してくれていた人が非常に多かった証しでしょう。ブログがランキングで1位になったときはどうでしたか?
西江さん 多くの受験生が参考にしてくれているということですから、純粋にうれしかったです。それに読者が僕と同じように早稲田大学に入学するケースもあり、実際に学内で「ブログを読んで早稲田に入った」と声を掛けてくれることもありました。そうしたことがあると「自分のブログが受験生の役に立っていたんだな」と思って本当にうれしいですね。
――多くの人に影響を与えていることを実感できますね。
■自分から積極的に動いて出版化……
――ブログから本へ……ということですが、どういった経緯で出すことになったのでしょうか。
西江さん ランキングで1位になったことをきっかけに、2年生の春休みに受験系や勉強系に強い出版社へ企画書を送ったんです。そこである出版社に採用してもらいました。商業出版できる可能性は低いといわれていたので、本当に良かったです。
――それだけ西江さんのブログに魅力があったということでしょうね。
西江さん 自分のブログが認められたということなので、本当にうれしかったです。特に本になることで、ブログを知らない大学生や受験生にも読んでもらえる機会ができたのもうれしいですね。
――「商業本を出す経験」は、大学生ではなかなかできないことだと思いますが、実際に本を作る作業に関わってみていかがでしたか?
西江さん 非常に大変なことなんだと感じました。8万字書かないといけないのですが、締め切りを3、4回過ぎてしまって……。かといって「8万字埋めるために書く」のでは意味がないですから、申し訳なかったのですけど自分が納得できるまで待ってもらいました。
――他にはどんなことが印象的でしたか。
西江さん 「これ」というものではありませんが、全体的につらいことばかりだと感じました。「1冊の本を出すのはこんなに大変なことなんだ」という学びはありました。その苦しみがあるからこそ、できあがった本を見たときにうれしいんだなと思いましたね。
――実際に書店で自分の本が並んでいるのを見ると、さらに実感するでしょう。
西江さん ものすごく楽しみにしています(笑)。
■読んだ人の背中を押せるような内容に!
――本の内容を教えてください。
西江さん 断片的だったブログをより詳しく、それにプラスアルファの内容になっています。体験談なども受験生のモチベーションが上がりやすいような内容にしています。
――例えば勉強法だと、どういった内容になっていますか?
西江さん 参考書に関するアドバイス記事だと、その本の名前だけ挙げておしまい、というケースが多く見られます。でも参考書にもレベルがあって、集中して学ぶべき内容の参考書と、本当に参考程度に見る参考書などさまざまです。でもそれが分からないと、どの参考書をやればいいのか分からなくなったり、効率が悪くなってしまいます。
――確かに参考書の名前だけ挙げられても、詳しい解説がないと分かりにくいですよね。
西江さん ですので、僕の場合はそれぞれの参考書ごとに内容の特徴やどういったメリットがあるのかをまとめ、それを分類しました。また何月にどういった勉強をすることで効率良く身に付くかといった流れもまとめました。
――一歩踏み込んだフォローをしていると……。
西江さん そうですね。本で伝えられるだけのことはしました。他の勉強本よりかは、流れなどは詳しくアドバイスできていると思います。それと僕の場合は失うものがないので、かなり「攻めた内容」になっていると思います。
――そういった本の方が、より参考になりますよね。
西江さん それと、この本はある意味で「自己啓発本」のようなもので、読めばやる気になる内容になっていると自分で思っています。内容は受験生向けのものですが、受験生だけではなく、「何かに立ち向かって頑張りたい、でもなぜかいつも頑張れない、そんな自分を変えたい!」と思っている全ての人に読んでもらいたいです!
――ありがとうございました。
勉強にまつわる細かなアプローチの面だけでなく、西江さんがどん底から早稲田入学までの軌跡もつづった一冊。これから大学を目指すという受験生だけでなく、現役の大学生にもお薦めです。
『引きニートコミュ障、偏差値28から早稲田に行く』(2016年5月17日発売予定)
http://www.amazon.co.jp/dp/4753933490
(中田ボンベ@dcp)