期待の女性柔道家! 山梨学院大学・出口クリスタさんインタビュー
山梨学院大学は柔道の強豪校として知られています。2015年、柔道部女子は全日本学生柔道優勝大会の5人制で2連覇(通算6回目の優勝)という素晴らしい成績を収めています。出口クリスタさんはそんな山梨学院大学で昨年の同大会で優秀選手に選出され、期待される女性柔道家です。
――柔道を始めたのは3歳のころだそうですが?
出口さん はい。3歳のときに誠心館で柔道を習い始めました。父は私に武道をやらせたくて「空手」を薦めたのですが、母が「柔道」を推しました。祖母が誠心館の館長と知り合いだったのでそのご縁もありました。
――空手と柔道の選択があったのですね。柔道を続ける中で、小さいころに途中で嫌になったことはありませんでしたか?
出口さん 小学校高学年ぐらいのころは嫌で、やめたくなることがしょっちゅうありました。
――なぜ続けられたと思いますか?
出口さん やめると言い出せる雰囲気じゃなかったので……(笑)。
――現在までの素晴らしい戦績を拝見するとやめなくて良かったのではないでしょうか。中学時代には柔道部に入っていたのですか?
出口さん 丘中学に進学して柔道部に入っていましたが、その練習場所は誠心館でした。ですから3歳のころからずっと誠心館で柔道を学んだことになります。
――誠心館で学んだことが出口さんの基礎になっているわけですね。
出口さん はい。本当の子供のようにかわいがっていただきました(笑)。
――どんな柔道家を目指していらっしゃいますか?
出口さん 一番は、「一本を取る柔道」ですね。そして、「二つ持って投げる柔道」です。これは誠心館の精神でもあります。この二つは今も大事にしています。その上で「勝ちきれる選手」「決めきれる選手」になりたいです。
全日本学生柔道優勝大会で「内股」を掛ける出口さん。
――ライバルはいらっしゃいますか?
出口さん 57kg級はかなり層が厚くて、誰がライバルというよりも全員がライバルですね。昔から知っている選手が多いです。
――得意技は? Wikipediaでは「大内刈り」となっていますが?
出口さん 高校生のころのインタビューを参照してそう書かれているんだと思います。大内刈りが警戒されて最近はあまり掛からなくなっていまして……(笑)。現在は「大外刈り」でしょうか。
――素人には分かりにくいのですが、外国人の柔道家は日本人と違いますか?
出口さん 違いますね。まず力がすごく強い。日本人の場合、技を大事にしますが、それよりも腕力で持っていかれる感じがします。あと寝技が強い選手が多いです。
――尊敬する柔道家はいますか?
出口さん 貝山(仁美)先生です。先生にはとても良くしていただいています。先生は強くて努力家の柔道家です。大内刈りもすごく上手で、参考になりますし。
私はMMA(Mixed Martial Artsの略で「総合格闘技」)が好きなんですが、ジョルジュ・サンピエール選手も尊敬しています。ジョルジュ・サンピエール選手はチャンピオンになっても高飛車になることなく、敗れた相手のことを敬える度量の持ち主です。また、大変な努力家ですので。引退したのが残念ですね。
*……ジョルジュ・サンピエール氏は、極真空手三段・士道館空手黒帯・ブラジリアン柔術黒帯で元UFC世界ウェルター級王者。
――柔道の面白さとは何でしょうか?
出口さん 練習はすごくつらいんです。有酸素運動、無酸素運動のミックスでとても激しい運動ですから。その厳しい練習を越えて、試合で相手を投げたときの快感ですね(笑)。その一瞬のためだけに練習しています。
――2020年には東京オリンピックがありますが、日本代表を目指していかれるでしょうか。
出口さん そうですね。頑張ってオリンピックに出場できるような選手になりたいと思います。
――ありがとうございました。オリピックで出口さんの姿が見られることを楽しみにしています。
今年はオリンピックイヤーでブラジルで「リオ五輪」が開催されます。2020年の東京オリンピックまであと4年。来る「東京五輪」で出口さんの大外刈りが見られるかもしれません。これからの出口さんを活躍に期待しましょう!
試合中写真の提供:出口クリスタさん
(高橋モータース@dcp)