やはり不安視している若者が多い……!? いまの大学生って将来の「年金」についてどう思っているの?
「破綻しないのか」「そもそも自分が受給されるのか」など、何かと問題視される公的年金。現在大学生の皆さんはこの年金についてどう思っていますか? もしかすると、「払いたくない」と思っている人も多いかもしれません。今回は、学生の皆さんに「公的年金制度」について聞いてみました。
■一番不安なのは年金制度がなくなること!
大学生や大学院生、また短大生など、現役の学生401人に「公的年金制度」について質問してみました。まずはこの質問からです。
Q.将来、自分たちが年金をもらえると思いますか?
・はい……132人(32.9%)
・いいえ……269人(67.1%)
現在学生の皆さんに聞いてみたところ、「将来年金がもらえると思っていない」という人が約7割と多数派でした。やはりさまざまな問題が指摘されているだけに、不安に思っている人の方が多いようです。
続いて、それぞれに回答理由を聞いてみましたのでご紹介します。
●将来年金がもらえると思っている理由
・もらえると思うが、今ほどの金額は望めないとは思う(女性/20歳以下/大学2年生)
・不安はあるけど、行政も信頼のために必死で少額でも年金を払えるシステムを構築すると考えるので(女性/22歳/大学4年生)
・恐らく形を変えて維持すると思います(男性/23歳/大学4年生)
・もらえなかったら国民が黙っていない!(女性/20歳以下/大学1年生)
「将来年金がもらえると思っている」と回答した皆さんからは、このような回答が多く寄せられました。特に多く回答があったのは「支給額は減るが継続するはず」というもの。また、「なんとかなる」と思っている人も意外と多いようでした。
●将来年金がもらえると思っていない理由
・少子高齢化が進んで、私たちが老人になったときそれを負担する子供の数が足りずちゃんと配布されなさそうだから(男性/23歳/大学4年生)
・そもそも年金のシステムが破綻していると思っているから(男性/20歳以下/大学2年生)
・そのうち制度自体がなくなる(男性/22歳/大学4年生)
・最悪の事態を想定しておいた方が、いざという事態に対応できるから(女性/22歳/大学4年生)
多数派だった「将来年金がもらえると思っていない」という人たちからは、こうした回答が多く寄せられています。特に多かったのが「破綻すると思う」といったもの。回答者269人のうち85人が「破綻する」「なくなる」といった回答をしています。若い世代の多くが「将来的に年金制度がなくなる」と不安に思っているようです。
■もらえる見込みはなくても掛け金を払うという学生も多い
さて、多くの学生が「将来年金がもらえると思っていない」と回答したわけですが、では年金の掛け金についてはどのように思っているのでしょうか?
Q.社会人になって、年金の掛け金を払いたいと思いますか?
・はい……181人(45.1%)
・いいえ……220人(54.9%)
こちらでも「掛け金を払いたくない」というネガティブな回答が多い結果になりました。ただ、先ほどの「年金をもらえると思っているか」という質問と比べると、回答結果の差は小さくなっています。「もらえるとは思っていないが、掛け金は払う」という人が意外と多いのでしょうか。
回答理由を聞きましたので、ご紹介します。
●掛け金を払うと回答した理由
・払わない人が増えればそれだけ破綻に近づくから、自分は払おうと思う(女性/20歳以下/大学1年生)
・現在払える者が払わないと、今の高齢者のためにならないから(女性/22歳/大学4年生)
・年金は返ってこないだろうけど、国の役には立つから(女性/22歳/大学3年生)
・働けなくなった老後の暮らしの保険として払って、安心を得たい(女性/20歳以下/大学2年生)
・万が一のことを考えたら、払っておく方がいい(男性/21歳/大学4年生)
・国民の義務だから(男性/22歳/大学4年生)
「掛け金を払う」と回答した学生からはこうした意見が多く寄せられています。「念のため」という人が特に多く、また「義務だから」「仕方ない」といった回答が次いで多く見られました。「もらえないだろうけど払う」という回答も意外と多く寄せられていました。
●掛け金を払いたくないと回答した理由
・その分自分で貯蓄しているほうが確実だから(男性/24歳/大学院生)
・払った金額よりもらえる金額が少ないかもしれないので、払いたくない(女性/20歳以下/大学3年生)
・年金をもらえたとしても、その年まで自分が生きている保証がないから(男性/20歳以下/大学2年生)
・恐らく払うお金がない(女性/21歳/大学4年生)
・海外へ永住する予定なので(女性/22歳/大学4年生)
「掛け金を払いたくない」という理由では、やはり「将来支給されないものに払う必要はない」という回答が最も多く寄せられています。また、「支払う分を自分で運用したい」という回答も多く見られました。自分の老後は自分で責任を持ちたい、という学生が多いということでしょうか。
現役学生のみなさんにアンケートで聞いてみましたが、公的年金制度についてネガティブなイメージを持っている人が多くいるという結果になりました。また、掛け金を支払いたくないという人も多数派と、かなり厳しい結果が出ています。現状を顧みるとこの結果も仕方ないかもしれませんが、少しでも好転するような展開になり、若い世代がポジティブなイメージを持ってくれるようになるといいですね。
これを読んでいる同じ学生世代の人は、公的年金についてどう思っていますか?
調査期間:2016/01(学生の窓口調べ)
調査対象:大学生・大学院生・短大生・専門大生の男女
有効回答件数:401件
(中田ボンベ@dcp)