後世に語り継ぎたい!と思う名作少女漫画ランキングTop10
現在につながるストーリー少女漫画は手塚治虫先生の『リボンの騎士』に始まるといわれます。その後、女性の少女漫画家が多く登場し、1960年代後半から現在まできら星のごとく名作・傑作少女漫画が描かれました。今回は、後世に語り継ぎたい少女漫画をピックアップしてご紹介します。
●第1位 『花より男子』神尾葉子
英徳学園高校は名門の子弟が入学することで知られる超一流校。牧野つくしは、一般庶民の家庭育ちでしたが、玉のこしを狙えると勧める母親に押され同校に入学します。学園は「F4」というグループによって牛耳られていて、つくしはこのF4とトラブってしまいます……。アニメ化、ドラマ化もされるほどに人気を博した作品です。2015年、『少年ジャンプ+』にて続編『花のち晴れ~花男 Next Season~』の連載が始まっています。
掲載誌:『マーガレット』
連載期間:1992年-2004年
マーガレットコミックス :全37巻
●第2位 『ガラスの仮面』美内すずえ
貧しい家庭で育った北島マヤは、往年の大女優・月影千草と出会い、演劇の才能を見いだされます。北島マヤは演劇の魅力にとりつかれその才能を開花させていきます。演劇界のサラブレッドといわれる姫川亜弓はマヤの才能を認め、ライバルとして演技で火花を散らせるのです。
大河ドラマというべき作品で、北島マヤと姫川亜弓の戦いは現在も続いています。さまざまな舞台で素晴らしい演技が披露されるので、そのたびに読者は感動し物語に引き込まれます。多くの困難に打ち勝って演劇の道を進んでいくマヤの姿には、世代を超えて読み継がれるだけのパワーがあります。
掲載誌:『花とゆめ』/『別冊花とゆめ』
連載期間:1975年-連載中
花とゆめコミックス:49巻(既刊)
●第3位 『フルーツバスケット』高屋奈月
女子高生・本田透は母親を亡くし天涯孤独な身となります。一人でテント暮らしをしていたのですが土砂崩れでそれも駄目になります。厄介な体質を持つ草摩家の家で暮らすことになるのですが……。草摩家の人間は異性に抱きつかれると動物に変身してしまうのです。
コメディー的な設定ですが各キャラクター造形が確かで、各キャラの成長ぶりに読者が共感できる点が素晴らしいのです。主人公の前向きで優しい性格が周囲のキャラクターを少しずつ変えていく様は心に響きます。読むと気持ちが温かくなる作品です。
掲載誌:花とゆめ
連載期間:1998年-2006年
花とゆめコミックス:全23巻
●第4位 『花ざかりの君たちへ 』中条比紗也
アメリカで育った芦屋瑞稀は、佐野泉に会うために、男装して男子校の桜咲学園に入学します。運良く泉と同じクラス、寮でも相部屋になるのですが、男子ばかりの中に女子一人という生活が始まります。さて、彼女の恋の行方は……というストーリーです。
一途な女子とその周囲であたふたする男子の騒動が面白く、お約束な展開なども多々ありますが、それもまた本作の魅力。胸がきゅんとする人が多い作品です。
掲載誌:花とゆめ
連載期間:1996年-2004年
花とゆめコミックス:全24巻(番外編1巻含む)
●第5位 『天使なんかじゃない』矢沢あい
冴島翠は、創立間もない「私立聖学園」の生徒会役員候補にされてしまいます。気になっていた男子・須藤晃、麻宮裕子、瀧川秀一、河野文太と共に生徒会役員になってしまった翠は、楽しくも切ない高校3年間を送ることになります。
恋と友情の物語ですが、「冴島翠になりたい」と思わされるほど主人公のキャラクターが魅力的です。また優しさが作品内にあふれていて、あちこちに号泣ポイントがあります。こんな学園生活が送りたいなあ、と思ってしまう永遠の傑作です。
掲載誌:『りぼん』
連載期間:1991年-1994年
りぼんマスコットコミックス:全8巻
●第6位 『ハチミツとクローバー』羽海野チカ
美大に通う竹本祐太は、先輩・真山巧、森田忍と同じボロアパートに暮らし、面白く濃い人生を送っていました。そこに、美大の助教授・花本修司のいとこの娘・花本はぐみが登場します。彼女は同じ美大に通う予定でした……。
少年・少女の恋と自己実現の群像劇です。才能についての話でもあります。重いテーマを扱っているのに羽海野先生の絵柄と、適度に入る軽いギャグで誰にも読みやすくなっています。若者の心情が丁寧に描かれているので、キャラクターの成長を自分のことのように感じられます。読者の胸の奥にまで入ってくる作品なのです。
掲載誌:『CUTiEcomic』/『ヤングユー』/『コーラス』
連載期間:2000年-2006年
クイーンズコミックス:全10巻
●第7位 『ベルサイユのばら』池田理代子
オーストリア帝国、ハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネット。フランス、ブルボン王朝、近衛士官のオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェは男装の麗人です。スウェーデンの貴公子フェルゼン伯爵。この3人の愛と運命を描いた歴史ドラマです。
フランス革命を背景に、運命に翻弄(ほんろう)されながらも自らを貫くように生きる主人公たちの姿はドラマチックで、読者の胸を打ちます。アニメ化、実写映画化もされました。宝塚で舞台化されてこちらも大ヒット。時代を超えて読み継がれる作品の一つでしょう。
掲載誌:『マーガレット』
連載期間:1972年-1973年
マーガレットコミックス:全10巻
●第8位 『動物のお医者さん』佐々木倫子
大学受験を控えた西根公輝と二階堂昭夫は、ある夜近道しようとしたH大学構内で奇妙な格好をした大学教授に出会い子犬を押しつけられます。シベリアンハスキーの般若のような顔をした子犬は「チョビ」と名付けられ、西根家で暮らすようになります……。
少女漫画誌で連載されましたが、恋愛に関する描写は全くといってよいほどなく、気持ち良く距離を保ったさっぱりとした人間関係があるのです。そのため作品内はとても心地良い空間。また、たくさんの動物たちが登場し、それがとてもかわいらしくて癒やされます。
連載誌:『花とゆめ』
連載期間:1988年-1993年
花とゆめコミックス:全12巻
●第9位 『こどものおもちゃ』小花美穂
倉田紗南は子役タレントとして活躍しています。彼女には羽山秋人という親友のような天敵のような関係の少年がいました。紗南と秋人を中心に、子供たちの生活をリアルに、しかしユーモアを交えて描いています。
ギャグもありますが、その実小学校で起こるリアルな現実を見事に捉えた作品です。シリアスな展開では泣いてしまう人も少なくないでしょう。この原作漫画はアニメ版とはずいぶん趣きが異なります。もしアニメ版しか見たことがないならぜひ原作を手に取ってください。評価ががらっと変わるのではないでしょうか。
掲載誌:『りぼん』
連載期間:1994年-1998年
りぼんマスコットコミックス:全10巻
●第10位 『赤ちゃんと僕』羅川真里茂
交通事故で母を亡くした小学校5年生・榎木拓也が、まだ赤ちゃんの弟・実を世話しながら奮闘します。家事に学校にと頑張る拓也、父親・春美、甘えん坊だった実、それぞれが周囲の助けも借りながら成長していく姿を描きます。
振り返ってみれば一瞬のように過ぎる赤ちゃんとの生活、育児の大変さ、そして大切さを伝えてくれる作品です。読むとほのぼのでき、優しい気持ちになる作品です。
掲載誌:『花とゆめ』
連載期間:1991年-1997年
花とゆめコミックス:全18巻
10作品を挙げましたがいかがだったでしょうか。他にも名作といわれる少女漫画はたくさんあります。あなたが、後世に語り継ぎたいと思う作品は何ですか?
(高橋モータース@dcp)