弁護士に聞いた! 司法試験合格のためにどれくらい勉強が必要なの? 3ページ目
■法学部卒業でなくても司法試験に合格できる!?
――法学部卒でなくても、また社会人になってからでも、司法試験に合格することは可能だと思われますか? そのためにはどんなことが必要でしょうか?
篠田弁護士 声を大にして言いたいのですが、「合格は可能」です。むしろ、法学部以外の学部や、社会人の経験がある方は、法学以外の知識も備えていることや、コミュニケーション・サービス精神を学んでいるので、法曹になった際にその経験はとても生きてくるはずです。
――なるほど。法学部出身者以外にも利点はあるわけですね。
篠田弁護士 ただ、「法学を学んだことがない」となると、初めは「法律」というもののイメージがつかみづらかったり、「法的な考え方」がなかなか身に付かなかったりという障壁はあるかと思います。
ただ、「法律」は、「具体的にイメージすること」によって、とても身近な存在になります。例えば、「不法行為に基づく損害賠償請求……」と聞くとなんだか難しいなあというイメージがあると思いますが、「人を殴ってけがをさせたら治療費や慰謝料を払わないといけないよね」と考えればスッと入ってくると思います。
また、社会人の方は、その仕事の上で法律トラブルに接していることも多いと思いますので、具体的なイメージがつかみやすいというメリットもあると思います。法学部卒でなくとも、むしろ「難しい」という意識を捨てれば、法学部卒の受験生にも引けを取らないスピードで法律を身に付けることは可能だと思います。
――社会人ではどんな勉強法が良いのでしょうか?
篠田弁護士 社会人の方は、「勉強」というものからしばらく離れていることや、時間がなかなか取れないことが、大きなネックになるかと思います。勉強の感覚については、実際に勉強を始めてみればすぐにその感覚は戻ってきますので、どんなに時間があいていても、これを過度に気にする必要はないと思います。
ただ「勉強時間の確保」の点は問題です。司法試験が「さほど難しくはない」とはいっても、「絶対に覚えなければならないこと」の数は少なくなく、物理的に「最低限の勉強時間」は確保しないと合格は厳しいです。
仕事と並行して勉強しようとすると、必要な勉強時間の確保が難しくなることは否定できませんし、体や頭も仕事がヘビーな分だけ疲れた状態での勉強となってしまいます。可能であれば、社会人としてのお仕事はいったん休んで、勉強に専念することが望ましいとはいえそうです。