FPが教える! 夢の「不労所得」で生きていくにはどうしたらいい?

更新:2015/08/04

投資・ローン


お給料も思うように上がらないし、先輩世代ほど年金ももらえないかもしれない。お給料以外の収入があった方が安心なのではないかと考える人もいるかもしれません。お給料以外の収入源として耳にすることがある「不労所得」。具体的にどんなものがあるか、取り組む場合の注意点などについて考えていきましょう。■不労所得とはどういうもの?

不労所得とは一般的に労働を伴わない(不労)で得られる収入のことを指します。不動産から得られる家賃収入、書籍出版による印税収入、株式投資で得られる配当金などが例として挙げられることが多いです。

所得は日本の所得税法上、「利子所得」、「配当所得」、「不動産所得」、「事業所得」、「給与所得」、「退職所得」、「山林所得」、「譲渡所得」、「一時所得」、「雑所得」の10種類があります。労働によって得られることが多い「給与所得」、「退職所得」、「事業所得(実作業も自分が行うもの)」を除く区分に分類される所得を不労所得と呼んで良いかもしれませんね。

■労働はなくても学習や努力が必要

「利子所得」は国債や預貯金で受取った利子などを指します。「配当所得」は株式投資の配当金や投資信託の分配金などを指します。仮に年利1%程度受取ることができる金融商品があった場合、100万円を預け入れて1年間で1万円(税引前)受取ることができます。毎月1万円を得るためには1200万円の元手が必要なので、これらの方法でまとまった金額の不労所得を受取るためには貯蓄などの事前努力も大切だとわかります。また利率を研究して預け先を決めたり、銘柄を調べて投資をするなどの学習も必要です。

不労所得の代表格といわれる「不動産所得」だとどうでしょうか。所得税法上の不動産所得は売買による収入ではなく、家賃収入などの貸付けから発生する所得のことを指します。そのため、家賃が手堅く得られるような物件を選ぶことが重要になります。物件選びの眼を養うことや情報収集にエネルギーを注ぐ必要がありますね。また将来、保有している物件が安い値段でしか売れないかもしれない(譲渡損)といった「損をする可能性」を請け負うことも必要です。もちろん、逆に高く売却できた場合はその差額が「譲渡所得」としてまとまった不労所得になることもあり得ます。

会社員の副業などは「雑所得」にあたることが多いです。自分で作成したサイトで広告収入を得ている、写真やイラストなどの素材をWeb上で販売しているなどが該当します。収入が多く継続的なものについては開業届を提出し「事業所得」として処理する必要があります。サイト構築や買ってもらえるような写真を撮ること、イラストを描くことにはそのための技量を高めることが必要になります。

このように、不労所得と呼ばれる収入を得る場合、元手を作るための貯蓄や情報収集、リスク(損したり得したりする可能性)を請け負うこと、技量を身につけることなどの努力が必要であることがわかります。労働収入に比べて有利なのは1度努力をすることで2度目以降は負荷が軽くなったり、労力なく収入を得られるかもしれないという点といえます。そのため努力や労力と将来的に得られそうな収入があまりにも見合わない選択だとメリットを十分に活かせない場合もあります。一般的にはその努力が自分にとって楽しめる手段であればうまくいきやすいといえます。副業に関する会社の就業規則なども確認し、無理のない範囲から試してみるのが良いですね。

風呂内亜矢(ふろうち あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディア実績も多数。著書に『貯金80万円、独身の私にもできた! 自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』がある。

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