2019年02月25日 更新

プロパンガスは料金が高いって本当? 一人暮らしの家がプロパンガスだったら。

一人暮らしを始めるにあたって「この物件はプロパンガスです」と言われると、「そもそもプロパンガスって何?」という疑問や、「ほかにもガスがあるの?」「プロパンガスって高いの?」などという疑問を持つ人も多いでしょう。家庭で使用するガスは都市ガスだけでなく、プロパンガスもあります。この記事ではそんなプロパンガスについて解説します。基本的なことからガス代を抑える節約方法まで、ぜひ参考にしてみてください。

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プロパンガスってどういうもの?

家庭で使用するガスは、都市ガスかプロパンガスのどちらかです。今使っているガスがどちらなのかは、ガスボンベを利用しているかどうかで簡単に見分けられます。
都市ガスは地下に張り巡らされたガス管を通じて家庭までガスを届けていますが、プロパンガスは家庭にガスボンベを設置してガスを使用しているからです。

プロパンガスの料金は高いの?

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基本的に、プロパンガスの方が都市ガスよりも料金が高くなります。プロパンガスはガスボンベを各家庭まで届ける人件費がかかるからです。
都市ガスとプロパンガスの料金体系や1ヶ月の平均料金については下にまとめました。

都市ガス

料金体系

「基本料金+従量料金(単位料金×ガス使用量)」

基本料金はガスを使用しなくても毎月かかる料金で、従量料金はガスを使用した分かかる料金です。

  • 1ヶ月の平均料金

「745.20(基本料金)+142.66(単位料金)×5(ガス使用量)=1,458.5円」

一人暮らしの平均ガス使用量は5立法メートルです。それと基本料金、単位料金を当てはめて計算すると、上記のとおり1,458円になります(小数点以下切り捨て)。

プロパンガス

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料金体系

「基本料金+従量料金(単位料金×ガス使用量)」 料金体系は都市ガスと変わらないところが多いです。ただし、プロパンガスと都市ガスでは熱量が異なるので、使用量で月々の料金を比べるなら、少し計算方法を変える必要があります。

プロパンガスの熱量は都市ガスのおよそ2.23倍。簡単に説明すると、同じ量のお湯を沸かすのにプロパンガスは都市ガスの半分程度のガス量で済むことになるのです。月々5立方メートルの都市ガスを使う生活と仮定すると、プロパンガスの場合は約2.2立法メートルで1か月生活できます。先ほどの計算式に当てはめて計算してみましょう。

  • 1ヶ月の平均料金

実際の請求の際の使用量は、小数点以下切り捨てになるので、2.2立法メートル分のガスを使っていた場合は2立法メートルで計算されます。

「集合住宅 1,900(基本料金)+530(単位料金)×2(ガス使用量)+236(消費税)=3,196円」

今回のケースでは2倍程度高い計算になりましたが、プロパンガスは都市ガスよりも住む地域やガス会社による値段の幅があるので、しっかり把握したい人は、実際に暮らす予定のエリアやガス会社を調べて、計算するようにしましょう。

プロパンガスにメリットはないの?

プロパンガスは都市ガスに比べて、どこにいても利用できるというメリットがあります。
上述したように、都市ガスは地下に張り巡らせたガス管を通じてガスを供給しています。そのため、ガス管がないところにはガスを供給することができません。これが都市ガスと呼ばれる所以で、人口の多い都市部では地下にガス管を作ることができますが、都市から離れた地域ではなかなかガス管の整備ができず、プロパンガスを利用しているところが多いのです。
このように、都市ガスは使えないところでもガスを使えるというのが、プロパンガスのメリットです。

また、例えば都市ガスの供給網に問題が発生しても影響を受けないため、災害時に復旧が早いというメリットもあります。

プロパンガスの会社は選べる?

プロパンガスは会社によって基本料金や単位料金が異なります。そのためガス料金が安い会社を選べば、ガス代を安く抑えることができます。
賃貸にお住まいの方は、大家さんが同意してくれるとガス会社を変えることができます。一度相談してみるのもよいでしょう。

プロパンガスで安く生活するコツは?

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これから一人暮らしする家のガスがプロパンガスの場合、都市ガスに比べガス代が高くなる可能性があります。特に賃貸マンションなどでは、自由にガスを選ぶことができない場合も。そこで、簡単にできるガス代節約方法をご紹介します。

追い炊きをしない

お風呂で、お湯の温度が下がるとつい追い炊き機能を使いがちですが、追い炊きにはガスを多く使用します。温度を下げないよう蓋を閉めたり、保温シートを利用したりして追い炊きの回数を減らしましょう。

電化製品を利用する

お湯を沸かしたり、野菜やパスタを茹でたりするときにガスコンロを使うのではなく、電気ポットや電子レンジを使ってみましょう。ガス代節約だけでなく、時短にもなるので一石二鳥です。

強火を避ける

調理中に強火ばかり使うのは避け、基本的には中火を使いましょう。コンロの火をつけた後、フライパンや鍋などの底に火がつくかつかないか程度に火を弱めるのがおすすめです。

それでもガス代が高いままだという場合、設定されたガス代自体が高い可能性があります。その場合は、プロパンガス会社を変更するとガス代を抑えることができるかもしれません。

まとめ

プロパンガスは、都市ガスと比べると人件費がかかるので、料金が高く設定されています。一方で、都市ガスの整備されていない場所でも使えるというメリットがあります。プロパンガスを利用する住宅に住むことになったときには、ご紹介したガス代節約方法を実践してみてください。それでも効果がない場合には、ガス会社を変えることも検討されてはどうでしょうか。
監修:矢野翔一
暮らしやお金のアドバイザー
宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP) 関西学院大学法学部法律学科卒。 数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を手掛ける。引越しや住宅ローンといった暮らしやお金の様々な悩みに対してアドバイスを行う。
※掲載の価格、商品スペック等は掲載時の情報です。

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