見た目や感覚だけで家具を買ってしまうと、搬入の際ドアが通らなかったり、部屋のサイズにあわなかったりして、後悔することがあります。そうならないためにも家具家電の選び方、配置の決め方やお部屋の計測の方法を知っておきましょう。
レイアウトはどうやって決める?
部屋を広く見せるためのレイアウトのコツ
特に大学生などの一人暮らしでは、お風呂やトイレを除いた生活スペースが1K・6〜7畳、ワンルーム・7〜9畳の部屋が多く、あまり広いとは言えません。しかし、家具のレイアウトによって部屋を広く見せることはできます。家具を購入する前にポイントを押さえて納得した部屋づくりをしましょう。
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広く見せるポイント
●家具をまとめて配置する(散らばらせない)
●家具の色味を合わせる
●背が低めの家具をそろえる(目線より低め)
●兼用家具(2WAY家具など) で余計なものを置かない
インテリアコーディネーター 小島さん
自分の目線(※1)よりも高めの家具(1.5m以上)が必要な場合は、部屋の入り口(手前)側に置くと遠近法で部屋が広く感じられます。お部屋をすっきりと見せるためには、お部屋を家具が占める割合が30〜35%ほどがベスト。6畳なら家具を置くスペースは2畳分(※2)、と思いながら必要な家具は何か考えてみましょう
※1:目線の高さ=身長×0.9=立っているときの目線の高さ。上記の場合、身長160cm前後の人。
※2:上記の場合は、3分の1になります。
※2:上記の場合は、3分の1になります。
ちなみに兼用家具として挙げられるのは、日中はソファとして、夜は寝具として使えるソファベッドや、鏡をおいて鏡台代わりにできる低めのタンスなど。食事用のテーブルと勉強用のデスクも、兼ねられる場合は無理して2つそろえる必要はないかもしれません。
部屋の計測は生活動線を考えながら
部屋の計測で忘れてはいけないのが、生活する上で必要なゆとりを残しておくこと。
たとえばテーブルと椅子を置く場合、椅子をしっかり引いて座るためには、奥行きによって変わることもありますがテーブルから80cmほどの余裕が必要です。また、備え付けのクローゼットがある場合は、扉の開け閉めができるスペースと人が立てるスペースを確保しなければなりません。
計測の際は家具家電が「ぴったり入るスペース」ではなく「生活しやすいスペース」を意識しましょう。
たとえばテーブルと椅子を置く場合、椅子をしっかり引いて座るためには、奥行きによって変わることもありますがテーブルから80cmほどの余裕が必要です。また、備え付けのクローゼットがある場合は、扉の開け閉めができるスペースと人が立てるスペースを確保しなければなりません。
計測の際は家具家電が「ぴったり入るスペース」ではなく「生活しやすいスペース」を意識しましょう。
生活動線というのは、部屋の中での人の移動を線で表したもの。その線上に障害物がないように家具家電を設置しましょう。
部屋を計測するときのポイント
では、レイアウトを考えるために欠かせない部屋の計測はどのようにおこなえばよいのでしょうか。あらかじめ壁面の長さを測って間取り図に書き込んでおくと、置ける家具のサイズが大まかに把握できます。
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計測ポイント
●床面(各辺の長さ、柱や出っ張りがあるときはそこも)
●天井の高さ(エアコンがある場合はそこまでの高さも)
●窓の幅・高さ・カーテンレールの長さ
●ドアの幅・高さ・開く方向・開閉に必要なスペース
●コンセント・テレビのアンテナジャック・ネット配線の位置
インテリアコーディネーター 小島さん
ものの搬入経路として、ドアのサイズを測るときは枠を入れずに採寸しましょう。また、その付近に出っ張りなどがある場合はそこの採寸も。ドア周辺の経路にもクランクがないか確認が必要です。大型の家具家電が搬入できない場合があるので注意して、心配な場合は組み立て式のものなどを活用してみても
おすすめの家具の選び方
家具は、お店で見ると実際に部屋に運び込んでから見るよりも小さく見えがちです。デザインだけで気に入って決めてしまうと、部屋に運んでみてから「思ったよりも大きかった……」なんてことも少なくありません。
テーブル
一人暮らしなら、一辺の長さが50〜60cmあれば充分。友達を頻繁に家に招く場合は、80〜100cmほどのものを購入するとよいでしょう。
インテリアコーディネーター 小島さん
長方形や正方形のテーブルの方が、壁に沿って置くこともできるので一人暮らしの広さのお部屋にはバランスが取りやすく使い勝手がいいです。反対に、円形のテーブルは部屋の中央に置いても圧迫感がないことや、角がない為、やわらかな印象でくつろぎの空間をつくり出しやすくなることがメリット。また、辺が無い分、どの位置にでもチェアを置きやすいという点もおすすめ。自分の部屋の形に合わせてどの形のものにするか選びましょう
ソファ
一般的なサイズは、2人掛けの120〜140cm。1人掛けと2人掛けどちらがよいのかや、部屋のサイズだけでなく自分の身長なども関係してくるので、実際に見て確かめることをおすすめします。
シェルフ(本棚)
サイズや形、さまざまなタイプがある本棚は用途によって変わります。背面がないタイプのオープンラックを部屋の仕切りとして使用するのも、教科書や書籍をたくさん収納するため場合は大きく背が高いものを購入するのもよいでしょう。
インテリアコーディネーター 小島さん
背面がないオープンラックの場合は、向こう側が見えるので部屋の中央に置いても圧迫感が少ないのが魅力的です。また、収納がたっぷり取れるシェルフを購入する場合は、壁と同系色のものを選べば同化しやすく圧迫感が軽減されます
あると便利! な家具はこれ
余分なものを置けない一人暮らし用の部屋では、コンパクトでいろいろな用途に使える家具があると便利です。
たとえば、スツール(背もたれのない椅子)。スツールはサイドテーブルにもなり、ベッド脇のテーブルとして使用することもできます。また、踏み台にすることや友だちが来たときにも使用でき、場所もとりません。
そのほかには、おりたためる収納ボックスがあるといいでしょう。
たとえば、スツール(背もたれのない椅子)。スツールはサイドテーブルにもなり、ベッド脇のテーブルとして使用することもできます。また、踏み台にすることや友だちが来たときにも使用でき、場所もとりません。
そのほかには、おりたためる収納ボックスがあるといいでしょう。
まとめ
部屋の作りや構造によって、選ぶ家具のポイントも違ってきます。とりあえずで買ってしまうと失敗してしまうことも。計測を通してお部屋の特徴を掴んで、自分にぴったりな部屋を作りましょう。
監修・小島真子
法人、個人問わずサロン、オフィス、社員寮、ホテルなどのインテリアデザイン及びコーディネートを中心に、インテリア関連のセミナー講師や、執筆活動、コンサルティング、企画、またメディア協力でも活動中。
イラスト・MARIKO TANAKA
文・山下 茜(アート・サプライ)
文・山下 茜(アート・サプライ)