目次
ポリエステルとはどんな素材か?
合成繊維の90%を占めるポリエステルは、軽くて丈夫であるということが大きな特徴です。下着から上着までさまざまな衣類をはじめ、幅広い製品に使用されています。
そのほかにもうれしいポイントを多く持つポリエステル。その特徴を一つずつ見ていきましょう。
そのほかにもうれしいポイントを多く持つポリエステル。その特徴を一つずつ見ていきましょう。
耐久性が高く洗濯しても型崩れしにくい
ポリエステルの最大の魅力は耐久性です。繊維がしっかりしており、ポリエステルで作られた衣服は強度に優れています。複数回の洗濯をしても他の素材と比べて型崩れを起こしにくく、長期にわたって繰り返し使用できます。
しわになりにくい
繊維の丈夫さのため、干す際に手で軽くしわを伸ばすだけで、目立ったしわはほとんど気にならなくなります。アイロンなどの手入れを必要とせず、洗濯後にそのまま手軽に着用できるのもこの素材の魅力です。
吸湿性が低く乾きやすい
ポリエステル製の衣服は、洗濯後に乾きやすいという性質も持っています。綿などの素材に比べて汗を吸収しにくいですが、その代わり速乾性があります。洗濯した後の乾燥スピードも速く、洗濯ものが乾きにくい梅雨時期には生乾きの臭いが付きにくいというメリットがあります。
手触りが良く美しい光沢がある
着用した時に独特の肌触りがあるのも特徴です。着心地がよく、美しい光沢があるのでさまざまな場面、用途で活躍してくれます。
ポリエステル素材のデメリット
上記のようにポリエステル素材にはさまざまな魅力がありますが、一方で扱う際に注意しなければいけない点も存在します。これらを意識することでポリエステル製の衣服をより長く使用できるようになるでしょう。
洗濯などで毛玉ができやすい
繊維が丈夫なことと表裏一体で、一度繊維が絡まると取れなくなり、毛玉になってしまいがちです。繰り返し同じ衣服を着用したいという場合は洗濯ネットを使用して摩擦を抑えましょう。
専用のブラシなどでお手入れをするとよいでしょう。
専用のブラシなどでお手入れをするとよいでしょう。
静電気が起きやすい
冬場は気温が低く静電気が起こりやすくなりますが、吸湿性の低いポリエステルは非常に静電気を集めやすいという性質を持ちますので、衣服を脱ぐ際は要注意です。
天然繊維であるウール製品と重ね着する時は特に静電気が起こりやすいので重ね着する時は同じポリエステル製でまとめるのがポイントです。そのほか、洗濯時に柔軟剤を使用するのも、静電気の発生を抑制するのに役立ちます。
天然繊維であるウール製品と重ね着する時は特に静電気が起こりやすいので重ね着する時は同じポリエステル製でまとめるのがポイントです。そのほか、洗濯時に柔軟剤を使用するのも、静電気の発生を抑制するのに役立ちます。
燃えやすい
合成繊維としては比較的高温に強いポリエステルですが、原料が石油であるため火そのものには弱く引火しやすいという特徴があります。料理をする際やアウトドアで着用する際には十分に注意が必要です。
着用してしばらくすると異臭がする
速乾性の高いポリエステルは汗をかいた時に水分がすぐ蒸発しますが、皮脂などの汚れは水分を奪われて繊維に絡みついて硬くなってしまいます。そのため洗濯しても汚れが落ちづらくなり普通に洗濯を繰り返すといつの間にか臭いが取れなくなることも。
定期的につけおき洗いや酸素系漂白剤といった洗剤の効果をアップさせるものも利用しながらしっかり汚れを落とすことが必要です。
定期的につけおき洗いや酸素系漂白剤といった洗剤の効果をアップさせるものも利用しながらしっかり汚れを落とすことが必要です。
ポリエステルを洗濯する際のポイント
上記の特徴とデメリットを踏まえ、実際に自宅でポリエステル素材の衣服を洗濯する際の注意点を4つまとめました。
事前に洗濯表示の確認と色落ちのチェックを
ポリエステルは色落ちや色移りが起こりづらい繊維ではありますが、色落ち色移りが絶対に発生しないことが保証された繊維ではありません。
色移りや色落ちを避けたい場合、事前に目立たない部分に洗剤を直接少量塗り、色落ちするかどうか確認するという方法があります。あらかじめチェックしておくことで、洗濯の失敗を防ぐことができます。
色移りや色落ちを避けたい場合、事前に目立たない部分に洗剤を直接少量塗り、色落ちするかどうか確認するという方法があります。あらかじめチェックしておくことで、洗濯の失敗を防ぐことができます。
シミや襟元には直接洗濯洗剤をつけて数分置く
ポリエステルに付いた汚れは意外と落ちにくいものです。シミや襟元の汚れが気になる場合は、洗濯機に入れる前に直接洗剤をつけて、数分間置いてから洗濯するとよいでしょう。
ポリエステルは洗濯機での「逆汚染」に注意
洗濯機の中で浮き出た汚れが、きれいにしているはずの衣服を逆に汚してしまうことを逆汚染と言います。ポリエステルはこの逆汚染が生じやすい素材なので、ポリエステルを含む衣服は汚れのひどいものと一緒に洗わないようにするなどの注意が必要です。
脱水後はしわを伸ばして日陰に干す
ポリエステルはしわになりにくいので、基本的にはノンアイロンで着ることができます。脱水後は、手のひらなどで軽くしわを伸ばしてから干せば十分です。ただし、直射日光に当てると色褪せの可能性があるので、風通しのよい日陰のほうが適しています。
乾燥機の使用はなるべく控えたい
ポリエステルは合成繊維の中では熱に強い素材ですが、乾燥機などにかけると深いしわが付き戻らなくなったり、縮んだりする可能性もありますので注意してください。
乾きやすいのが特徴で、自然乾燥でも乾燥機とほぼ同等の時間で乾くことも可能な繊維ですから、乾燥機の使用はできるだけ避ける方がよいでしょう。
乾きやすいのが特徴で、自然乾燥でも乾燥機とほぼ同等の時間で乾くことも可能な繊維ですから、乾燥機の使用はできるだけ避ける方がよいでしょう。
まとめ
軽くて丈夫、しわになりにくく乾きやすい、などの魅力を持つポリエステル製の衣服。デメリットもありますが、生地の特徴をよく理解し、洗濯の際のポイントを押さえておくことで、お気に入りをより長く着ることができます。適切なお手入れをして、お気に入りの服を楽しみましょう。
監修:神崎健輔
実家がクリーニング店でもあったので小さな頃から洗濯を手伝い、クリーニング師の資格を取得して洗濯の知識をとことん勉強。
現在は、白洋社クリーニングと宅配クリーニングネクシーという二つのクリーニングカンパニーに所属。「洗濯ハカセ」を名乗り、日々ストイックに「もっと洗濯がキレイに楽にできる方法」を研究しながら培った知識をブログで発信中。家庭での洗濯が上手になる方法や、クリーニングいらずの洗濯術などを公開しながら、テレビ、雑誌、ラジオとたくさんのメディアでも活躍中