意外と知らなかった? 重曹が得意とする汚れの簡単な覚え方と活用方法

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一人暮らしの生活は、できればお掃除も手軽で経済的に済ませたいものですね。最近では100円均一のお店などでも豊富に、お掃除グッズが揃っています。陳列棚を見渡すと“重曹スプレー”や“クエン酸入り”などと書かれた洗剤が売っているのを見かけた人もいるでしょう。ここでは掃除に焦点を絞り、重曹がどんな汚れによく効くのかを解説し、使い方のポイントを3つに絞ってご紹介していきます。これさえ覚えておけば、重曹を家じゅうのお掃除に役立てられるようになりますよ。

この記事で書いている3つのポイント

①重曹はバーキングパウダーや医薬品にも含まれる身近で環境にも優しい洗剤
②重曹は油(油)汚れに代表される酸性の汚れに効果的
③重曹は防臭・除湿効果があり、臭い取りにも便利

重曹ってどんな物質?

重曹の正体は炭酸水素ナトリウム。お料理ではベーキングパウダー、医薬品としては胃薬などにも利用される安全な物質といわれています。

重曹はもともとお掃除用として生まれたものではありません。しかし、水に溶かすと弱アルカリ性になってお掃除効果を発揮します。合成界面活性剤が含まれていないことで環境に優しい洗剤として活用される注目されるようになりました。
食用の重曹とは別に工業用・薬用などの粉末が販売されていますが、お掃除には安価の工業用で十分でしょう。

重曹がよく効く汚れの種類

では、どのようにして重曹の弱アルカリ性がお掃除に役立つのでしょうか?
ここで理科の実験を思い出してみましょう。酸性とアルカリ性の水溶液を混ぜるとお互いの性質を打ち消し合う化学変化が起きますが、これを「中和」といったのを覚えているでしょうか。

汚れ落としの基本はこの中和作用によるもので、汚れと反対の性質の洗剤を使用するのが基本です。つまり重曹はアルカリ性なので、酸の汚れに対して高い効果を発揮してくれるというわけです。同様に、重曹でなくとも、アルカリ性の洗剤を使うと汚れを中和させて落とす事ができるのです。
ちなみに、アルカリ性の汚れにはクエン酸やお酢などの酸性の物を洗剤に使います。

酸性汚れとアルカリ性汚れを確認しよう

汚れの種類を酸性とアルカリ性に大きく分類してみましょう。お掃除の際の目安になりますよ。
【酸性:重曹が得意とする主な汚れ】
油汚れ・手あか・皮脂・食べこぼし・湯あか・血液(タンパク質)・生ごみの臭い・腐敗臭
【アルカリ性:クエン酸やお酢が得意とする汚れ】
水あか・石けんカス・トイレのアンモニア臭や尿石・電気ポット内部の汚れ(水道水中のカルシウム汚れ

重曹の効果的な使い方

ポイント1.中和作用を利用する

弱アルカリ性の性質を生かして酸性の汚れを中和させて落とします。40℃前後のぬるま湯100mlに対し、重曹小さじ1~3杯を目安にスプレーボトルに入れ、振って溶かすと便利です。
水は腐るので一度の掃除で使い切る量にしましょう。

洗濯時に入れると、洗剤の働きを助けて汚れ落ちがよくなります。必ずお湯を使い、量は目安として水40Lに対し大さじ4杯ほど、単体ではなく洗濯洗剤の補助として利用します。

ポイント2.研磨効果を利用する

水に溶けにくい性質を生かし、粉末をクレンザー変わりにして物理的に汚れをこすり取ります。キッチンの五徳や鍋にこびりついた頑固な油汚れや焦げ付きなどに固めのスポンジにつけて使いましょう。

ポイント3.防臭効果・発泡作用を利用する

排水溝の臭いやぬめり取りに、粉末をそのまま振りかけてから、お酢やクエン酸を溶かしたお湯を流す、という方法があります。
シュワシュワと発泡して臭いと汚れが落ち、消臭効果で臭いもスッキリしますよ。シュワシュワと出てくるのは二酸化炭素。排水口程度なら危険性はほとんどありませんが、念のため換気しながらやりましょう。

重曹を使うときの注意点

弱アルカリ性なので、使用の際はゴム手袋をつけるとよいでしょう。

アルカリ性の性質により大理石などの天然石の天然素材は変色・変質してしまう事があります。粒子が傷つけてしまうことがあるので、漆器、塗装された木製家具などにも注意が必要です。変色の恐れがあるアルミ製品や天然素材のラグや畳なども拭き使用は控えましょう。

洗濯も麻の衣類は使えません。また重曹使用不可の洗濯機もあるので事前に、ご自身の製品を確認してくださいね。

重曹の保存方法

重曹は湿気を吸収すると固まりやすくなってしまうので、密閉容器入れて保存します。高温多湿や直射日光の当たる場所を避けて保管してください。保存状態がよければ基本的に3~5年は利用できます。

まとめ

一人暮らしのお部屋で限られたスペースに種類の違う洗剤をたくさん買い置きして場所を取るよりも、クレンザーや液体洗剤、さらには消臭剤など多機能に使えるお掃除グッズとして、重曹を活用してはいかがでしょうか?

コスパも高く節約にも繋がります。界面活性剤も入っていないので、洗い流しが簡単で時短掃除にもなる上に、地球にも優しいエコ洗剤です。
重曹が得意とする汚れをしっかり狙い撃ちして、さっと家じゅうをピカピカにお掃除してみてくださいね。

監修:白井佳子
お掃除講師

一般向けのお掃除セミナー『クリンネスト2級・1級講座』認定講師。ドイツ留学で掃除に目覚め、家事代行業に就職。ミニメイド・サービス㈱所属。富裕層宅でのクリンネス経験500件以上。「期待を超えるサービス」をモットーに入社4年で社内表彰・大賞を受賞。社内研修トレーナー。上記お掃除講座の講師養成を担当。家のお掃除がまるわかりと評判の『苦手な掃除がラクになる!~プロに教わるシンプル掃除術』(双葉社スーパームック)監修。

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