ドラマの部屋を作っている方にお話をうかがい、一人暮らしの部屋を素敵に演出するコツを教えていただく企画第三回は、ドラマ「まだ結婚できない男」の主人公・桑野信介(阿部寛さん)が過ごす、都内のマンションの1室にうかがいました。桑野は建築家なので、部屋のいろいろなところにこだわりが見られます。そんな部屋を見ながら、自分でも真似できそうなところを見つけてみましょう。
13年後、桑野の部屋に変化は?
13年前、阿部寛さん演じた桑野信介は40歳独身の建築家。ちょっと偏屈で「結婚なんてメリットがない!」と独身生活を謳歌していましたが、腹痛を起こして運ばれた病院の夏川結衣さん演じる女医・早坂夏美といい感じになり……。2枚目俳優の阿部さんが、皮肉屋で偏屈な結婚できない男を演じ、そのギャップが面白いと話題になったドラマでした。
ドラマに登場するのは、桑野が1日の大部分を過ごすリビングダイニングルーム。扉を開けて入ると、手前右手にクラシック好きな桑野が音楽を聴くミュージックエリアがあります。大音量でCDを聞くため、お隣と揉める原因になりました。
このミュージックエリアの奥には、PCが置かれたデスクのあるワーキングエリア。右手には本棚があって、建築関係の本が並んでいました。上段の右端にある本には『ローマと日本をつなぐ風呂の文化』というタイトルが。これって、まさか阿部さん主演のあの映画のこと?と思いましたが、どうなんでしょうか……。
「桑野さんのリビングダイニングルームには、このふたつのライトに加えて、もうひとつ間接照明があるのですが、これがひとつあると部屋のイメージがだいぶ変わります。雰囲気が出ると言ったらいいでしょうか。天井にきちんとした照明があっても、ひとつでもいいので、間接照明を部屋におくといいですよ」(吉野さん)
さすがに「TALIESIN2」は高額で手が出なくても、お手頃価格の間接照明は、いろいろありますね。いつも自分が過ごす場所の横にでも、置いてみたくなりました。
余計なものはおかない。シンプルながら重厚感のある部屋に
「これは、既製品を使うわけにはいかないので、市販のスピーカーを使って作っています。側面が光るようになっているのは、中にLEDを仕込んであるからです。このように、市販されているものが使えない場合は、自作することは多いですね」(吉野さん)
赤い光がぼーっと点滅するのは、なんだか生きているみたいでかわいらしく、愛嬌も感じられます。ドラマが始まったら話題になりそう。
部屋は好きなものを中心に考える
「桑野さんは、音楽が好きですよね。だから、CDもたくさん持っています。特に男性は、そんな趣味のものをコレクションする人が多いんですが、まずCDならCD、フィギュアならフィギュアがきちんと納まるものということで家具を考えていくといいと思います。あ、この棚いいなとか、器から考えるのではなく」(坂東さん)
「家具が好きな人は多いので、この椅子を置きたいということで考えてもいいとは思います。その場合は、桑野さんの部屋もそうなんですが、部屋の中で一番目立つのはソファです。だったら、まずソファを置いてみて、その色味に合うものをということで、他の家具を考えていくと、すっきりとした部屋になると思います」(吉野さん)
ドラマ まだ結婚できない男
出演:阿部寛、吉田羊 ほか
脚本:尾崎将也
偏屈×独善的×皮肉屋の建築家・桑野信介が令和になってさらに進化!? 人生100年時代と言われるこのご時世で、53歳になった桑野は偏屈さに一層磨きがかかり、相変わらず独り身を謳歌する日々。しかし、ひょんなことから出会った女性達との間で、回り始める運命の歯車。果たして今度こそ人生のパートナーを見つけることができるのか?