就活をしていて、企業の募集要項に「採用人数 若干名」と書かれているのを目にしたことはないでしょうか。採用が少ないというのはなんとなくわかりますが、はっきりしません。ここでは、「若干名」とは何人くらいなのか、また、企業はなぜ「若干名」と書くのか、その理由を解説します。
「若干」という言葉を辞書で調べてみると、「はっきりしないが、それほど多くはない数量を表す。いくらか。少しばかり。多少。」とあります。語源は、若干の「干」を「十」と「一」に分解した「一の若く(ごとく)、十の若し」。「一のようであり、十のようでもある」ことを意味し、あまり多くない数を表すようになりました。
「若干名」という言葉には曖昧さがあり、語源に従えば、1~10名程度だといえるでしょう。
また、募集要項の採用人数には、「若干名」のほかに「数名」と書かれていることもあります。「若干名」は一人を含んであまり多くない人数を表すのに対し、「数名」は二人以上であまり多くない人数を表します。相対的に「若干名」のほうが「数名」よりも少ない人数を表すことになります。
企業はなぜ、採用人数を明確にせず、曖昧な「若干名」という言葉で表記するのでしょうか。その理由をマイナビ編集長に聞いてみました。
「募集採用要綱の掲載時期にもよるのですが、まだ採用人数が確定していない場合などに“若干名”と書かれるケースが多いですね。現場の業務状況や人員構成などが流動的なため、幅を持たせておきたいという企業側の事情があるのです。
また、もしいい人がいれば、という採用スタンスの場合もあります。ある企業の例ですが、新卒は20人採用することを確定していました。しかし、デザイナー職はスキルが高くていい人であればという条件つきで1人という程度の採用意欲でした。ところが、優秀な人材の応募が多く、結果的に3人を採用したのです。」とのこと。
・企業の募集要項の採用人数に「若干名」と書かれている場合、1~10名程度を意味します。
・企業が「若干名」という曖昧な言葉を使うのは、人員体制などさまざまな社内事情によって採用人数を明確にできないという理由があるからです。
企業の募集採用要綱を確認する際は、こういった前提の知識も入れておくと良いかもしれませんね。
(マイナビ学生の窓口編集部)