【実践】自己分析をやってみよう ―3―【企業サイドから見る「自己分析」26】

【実践】自己分析をやってみよう ―3―【企業サイドから見る「自己分析」26】

2015/05/26

企業研究

自己分析

過去から「今の自分」につなげる

ここまで書いてきたように、私の高校時代以前というのは、非常に狭い環境下で、学校以外の価値観に触れることがありませんでした。

今のようにインターネットもないし、アルバイトも一切やってません。

勉強も、そこそこ頑張ったとは思いますが、大学に入ってから、興味が無くなってしまいました。

「子供時代の夢」は、昆虫博士になるということでしたが、大学入学時につまづいたことにより、興味の矛先も変わってきました。

ここまで過去を振り返ってみて、私の人生のターニングポイントは、

「高校以前(あるいは浪人以前)の価値観と、大学入学以降の価値観の変化」

にあることは明らかです。

私の学生時代、「今までに一番力を入れて取り組んだこと」は、間違いなくアルバイトです。それくらい、楽しかったし、成長もできたし、学ぶことも多かった。

また、アルバイト先の社員さんから、飲み会でもらった言葉が人生の分岐点になっています。

私が「アルバイトをなぜ頑張ったか?」それは、自分の存在がそこに見出せたからです。仕事をやっていくうちに、接客の楽しさを知り、商品レイアウトの奥深さを知り、社員の人との会話で刺激を受け、ということから、本当に積極的に仕事とするようになったんです。

マネージャークラスのような偉い人からも、信頼されるようになり、ますます充実してくる、といった好循環がありました。

アルバイトでは、中学校の頃から根付いている、既成概念にとらわれない性格も活きて、滞留在庫を減らした実績もあります。

また、他のアルバイトの女の子が、理不尽な理由で辞めさせられそうになった時、戦ったこともあります。これは、正義感に由来しますね。

余談ですが、この「正義感」は、子供の頃からの私の本質です。仕事をする上では、長所にもなり得ますが、短所にもなり得る部分ですね。「融通が利かない」とも言えます。

また、バイトとしての自分のポジションも理解していたつもりなので、社員が本来の仕事をしやすいように「自分はどうすればいいか?」をいつも意識して仕事をしていました。

根が単純で、褒められれば、意気に感じてパワーを発揮する性格です。

■ ■ ■

以上、非常に簡単に書いてしまいましたが、子供の頃からの過去の掘り返しと、いくつかのキーワードによる分類で、私という人間は、次の様に表現できます。

『既成事実を是とせずに、常に、色んな角度から物事を見て、いい方法を探し出す工夫ができる。これは、仕事においては、今の仕組みに囚われずに、合理的な方法で企業の利益に結びつけることを意識する、ということである。また、自分の役回りの状況判断もできる。正義感が強いので、大きなエネルギーで突き進むこともできるが、反面、融通が利かない側面もある』

さらに、「働く動機」と関連付けると……、

『現状の仕事に満足せず、絶えず、今の仕事のやり方でいいのか? という視点で、効率的に業務を見据え、取り組むことができると思う。正義感があるから、間違いを看過しない。広い視野で企業を見ることができる、管理部門に自分の適性を見出したい。ただし、融通の利かない性格は、修正していく必要がある』

という結論になります。これを説明するエピソードとしては、アルバイトの体験談がメインになりますが、子供の頃から変わらない私の本質部分を、しっかりと掘り起こしているので、自信を持って受け答えができるはずです。

■ ■ ■

さて、ここまで非常に長くなってしまいましたが、以上で私の自己分析は終わりです。

この方法はハッキリ言えば泥臭くて、スマートに見えないやり方だと思います。一つ一つ過去から順々に思い出していって、エピソードや、考えを埋めていく作業ですから。

紹介した方法は、ひとつのやり方であって、「面倒だ!」「やりたくない!」という人は、もちろんやらなくていいと思います。

私自身「この方法がベストだ!」と、力説する気はありませんし、強制する気もありません。

ですが、過去の掘り起こしをせずに、いざエントリーシートを広げて、自己PRや志望動機を書こうと思っても、うまく書けるでしょうか?

何を書いていいかイメージできず、悩むことはないでしょうか?

多かれ少なかれ、悩んでいるはず。

自己分析は、やる順番や方向性を間違えると、すごく難しくなって悩んでしまいます。だからこそ、ひとつひとつ過去を洗い出していく作業をする方が、結果的に「今の自分を語る」ことにつながるんです。

大変だけど、どうせやるなら、中途半端にせず、是非やってみて下さい。

「過去の洗い出しをしないで、ほかに何をやるの?」と私は思っています。

学校やネットでは、さまざまな情報が飛び交うので、あれもこれもと気が焦ってしまうでしょう。その気持ちも、心から理解できます。

でも、自己分析作業で楽をしてしまうと、実際に説明会やガイダンス、そして面接という時期になったときに、定義がぐらついてしまい「自分の将来の方向性はどこに向いているんだろう?」と、堂々巡りの状態になる危険性があります。

次回はいよいよこの連載の最終回。テーマである「企業サイドから見る」ということについて最後に書かせていただき、この連載を終えようと思います。


文・コンテンツ提供●安藤恒久

【プロフィール】
東京農工大学農学部卒。その後福山大学大学院工学研究科修士課程修了。1996年、大手飲料食品メーカーに入社。主に経営部門で会社組織運営に携わる。その後は、ブライダル業界に転身。管理部門の責任者として株式公開業務担当。以降、雑貨商社、IT、教育など多様な業界で事業構築を行う。2005年6月から始めた、「会社側の本音」と「就活生の自信構築」をコンセプトに書き連ねたブログ『会社サイドの就活日記 ~面接は怖くない!企業と面接官の本音を知ってください!~』は毎年 数多くの就活生や新社会人のバイブルとして支持されている。

『会社サイドの就活日記 ~面接は怖くない!企業と面接官の本音を知ってください!~』
http://ameblo.jp/yansono/


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