最初はあまりこだわらずに幅広く企業を見ていたとしても、どこかで自分の企業選びの軸を認識する必要があります。
企業選びの軸があやふやだとどうなるかというと、膨大に存在する企業に、やみくもに応募し続けて就活途中で疲弊してしまったり、面接でのアピールに説得力がなく選考に通らないのです。
では、自分の志望企業はどのように絞っていけばよいのでしょうか。
それは以下5つの方法で分かります。
例えば人と話すのが好きであれば、販売・接客・営業の素養があると言えます。
細かい数字を見比べたりデータを読み解くのが苦手でなければ、マーケティングが向いているかもしれません。
現在プログラマーに就いている人は、子どもの頃、工作や図工などものづくりが好きだった人が多いです。
まずは自分の得手不得手を認識しましょう。
社会人は学生よりも多くの人と会ってきていますし、世の中の仕事内容をある程度、把握しています。その経験値を活かして自分を判断してもらうというのも一つの手です。できれば何回か会ったことのある、自分の人間性を知っている社会人に、自分はどんな仕事が向いていそうか聞いてみましょう。
ただし、人はそれぞれ見る面が違うため、自分の意図と異なる意見が出てきたり、人によって全く違う意見が出てくる可能性は十分あります。振り回されすぎず、ひとつの客観的な声として受け止めましょう。
例えば「営業」と聞いただけでキツい仕事だというイメージを持ってしまったり、「商品企画」と聞いただけで華やかな仕事だというイメージを持っていたりしませんか?実際はどの仕事も、イメージと実際の仕事内容とでは少なからずギャップがあります。その実態を知る有効な手段にインターンシップがあります。企業の内側で業務理解を深めることで、全てのギャップを埋めることはできなくても、ギャップを小さくすることは可能です。少しでもリアルな姿を知ってからのほうが、志望企業を選ぶ判断がつきやすくなるでしょう。
最初は企業のネームバリューや条件、仕事内容に目がいきがちですが、最終的にあなたが重要に感じるポイントは、まったく別の部分である場合もあります。
これまでに自分が惹かれた企業の共通点を洗い出してみましょう。
社長のキャラクターは?社風は?企業規模は?
今まで見逃していた「重視ポイント」が見えてくるかもしれません。
憧れと、向き不向きは別物です。ある業界に興味があるのに、ことごとく選考が進まない。一方で、ある業界の選考は予想外にスムーズに選考が進む。そんなことがあったなら、あなたの「やりたい」と、人事が見る「向いている」にギャップがあるということです。
人事は毎年数百人、数千人の面接をしている「人を見るプロ」です。
いったん自分の意思は置いておいて、「人を見るプロ」の判断を受け入れてみるのも一案です。
就活を進めていくと、自分でも自分の方向性が分からなくなって焦る場面もあるかもしれません。そんな時は、この5項目を見返して、もう一度自分のことを考えてくださいね。
文・森暁子
【プロフィール】森 暁子(もり あきこ)
人事採用コンサルタント兼、人事ライターの肩書きも持つ。ベンチャーから大企業まで様々な企業にて人事業務をコンサルティングする。人事ライターとしては、年間800人の面接経験を活かした人事目線の文章が人気。趣味で朝活を行う。共著に「ソーシャルメディア時代の朝活術」( アスキー・メディアワークス)。