背伸びせずに、ありのままで。吉高由里子から学ぶ“自分らしさ” #あの人の自己PR力 Vol.5

背伸びせずに、ありのままで。吉高由里子から学ぶ“自分らしさ” #あの人の自己PR力 Vol.5

2020/10/13

就活の悩み・疑問

エントリーシートや面接など、就活には欠かせない「自己PR」の場面で、自分の魅力をどう相手にうまく伝えればいいか悩んでいる就活生に向けてお届けする連載『あの人の自己PR力』。

今回のゲストは、10月23日(金)に公開される映画『きみの瞳(め)が問いかけている』で、視力を失くしても明るく前向きに生きる柏木明香里を演じた吉高由里子さん。どこまでも前向きな女性を演じた吉高さんご自身は、これまでどんな「自己PR」をしてこられたのでしょうか。

自分を一言で表すと“ナマモノ”



ーー吉高さんの思う、ご自身のいちばんの強みはなんですか?

そうですね……寝たら忘れることが多いのは強みかな。あとは、ちゃんと感情を出してるかもしれないです。

ーーそのときそのときの気持ちに素直、ということですか?

はい、よくも悪くも出ちゃいます。

あとは、はじめて行ったお店なのに、メニューにないものを頼もうとする(笑)。友だちに「いや、常連じゃないじゃん!」とか言われながら、「(控えめな口調で)……ちょっとこういうのありますか?」っていう交渉をします。

ー自分の希望や意思があったら、それをちゃんと相手に伝えることができるんですね。

かなぁ? 図々しいオバちゃんなだけかもしれないけど(笑)。

でも、昔は面接やオーディションであんまりいいイメージは持たれなかったです、自己PRができないので。名前と年齢と事務所しか言わなくて、「やる気ある?」って聞かれたこと、何回もあります(笑)。

ーーでも確かに、最初から自己PRがうまい人なんてそんなにいないのかもしれないですよね……。とはいえ、就活生はなんとかがんばって自分をアピールしないといけないのですが、吉高さんは、普段からご自身をより魅力的にみせるためになにか意識していることはありますか? たとえば取材の前日にはきちんと睡眠をとるとか……。

そうですね、意識はしてるんですけど……ちょっと緊張しちゃって昨日は2時間ぐらいしか寝れなかったんですよ。取材の前日って、緊張して眠れないことが多いんです。だから今日もさっそく(スタッフに)「むくんでるよ」って言われちゃって……ダメですね(苦笑)。

ただ、ふだんから人の目を見て話すようにはしています。それは意識してやってますね。

ーーちなみに、今面接を受けていると仮定して、面接官に「あなたを一言で表すならどんな人ですか?」と聞かれたらどのように答えますか?

(少し考えて)……わかりやすいタイプだと思います。“ナマモノ”です。


ーーなんだか深いですね。

深いようでそのまんまだったりするかもしれないですけど(笑)。

障がいのある方々から学んだこと


ーー視覚に障がいのある役を演じるのはたいへんだったと思いますが、明香里を演じてみていかがでしたか?

とにかく最初はわからないことだらけだったので、視覚障がい者の方たちの施設に行って、メイクや料理の仕方、道の歩き方なんかを習ったんです。なので、知らないことを知っていくっていう、ほんとに久しぶりの新鮮な感じがありました。

物語はせつなかったり儚かったりするんですけど、撮影中はすごく優しい気持ちでいられました。

ーー新しいチャレンジをすることで、役者として新たに気づいたことはありましたか?

今まで障がいのある方たちとちゃんとじっくり話したことがなかったんですけど、今回いろんな施設で耳だったり目だったりに障がいのある方たちと話していて気づいたのが「全然ハンデと思ってないんだな」ということ。健常者の方よりも力強い生命力を感じたんです。
わたしはそのことに心がすごく震えて、この映画を通じてそういう方たちと会って話せたことは自分にとってすごく大きなものになったなって感じました。

ーーご自身と明香里に共通点はありますか?

わたしは結構人に甘えちゃってる部分が多いというか、スケジュールですら自分で把握できてなかったりするんですけど、明香里さんはひとりでなんでもやっちゃうのですごいなって思います。志というか、気持ちが。頼れる人もいないでしょうし、自分で自分を奮い立たせて……っていう感じなんでしょうね。

横浜流星さんはいろいろな表情を持っている人



ーー相手と目を合わせないお芝居はかなり難しかったと思うのですが、横浜流星さんとお芝居をしていて、思わずドキっとしたり、新鮮だったことはありますか?

現場では相手の目を見ていなかったので、作品を観たときにはじめて「あ、このときこんな表情してたんだ」って思ったんです。それは嬉しい発見というか、新鮮でしたし、不思議な感覚でもありました。だから、最初に観たときは「あのときああだったな、こうだったな」って振り返ることや、反省、発見が満載で、客観的には観れなかったです。

ーー年下の男性と恋に落ちる役柄でしたが、横浜さんと共演された感想は?

撮影に入る前に監督と3人でご飯を食べようという会があって、そこで初めてお会いしたんですけど、テレビで見るよりも実物のほうが小さく感じたというか、華奢というか……。

24歳の男性にしては幼いような、ピュアすぎるような感じで、正直ビックリしました。真面目で、プライベートが見えないというか、ある意味ミステリアスな感じだと思うんですけど、落ち着いてるのか子どもっぽいのかわからないような、いろんな表情を持った方だなって思いました。でもお芝居になるとスイッチの入り方がすごいので、さすがだなって。


ーー共演していて特に印象深かったシーンはありますか?

個人的には海辺でのシーンですね。撮影のとき、西陽がガンガンに当たってたんです。もうほんとに、彼の目を燃やす勢いで当たってたんですけど、「まぶしい〜!」って言いながらも、本番になったらパチッと目を開けてやっていて、「すごい!」って。私だったら絶対に目が開かないんですよ。だから、なんであんなにまぶしくても目を開けて感情込めてお芝居できるんだろうって思いました。

ーーなんで目を開けることができるんでしょうね。

聞いたら「気合」って言ってました。気合が相当すごいというか、アスリートなんだろうなぁって。わたしが気合入れて目を開けようとすると絶対白目になってると思うんで……(笑)。気合の入れ方のレベルが違いすぎて「すごいなぁ!」って感心することが何回もありました。

ーー横浜さんは肉体改造もして、体重を10kgぐらい増やされたんですよね。

切り替えのスピードも早いから「あぶな、置いてかれるとこだったよ……」みたいな場面もありましたし、最初の本読みのとき、もう台本持ってなかったんで「ウソでしょ!? 今、ドラマやってるよね!?」みたいな(笑)。
仕上げてくるスピードも早いし、意志が強くて。その意志の強さは(役柄の)塁くんと似てるんじゃないかなって思いました。

「愛」は見返りがないもの



ーー今作はすごく直球なラブストーリーですが、こういった作品に出演されるのは久しぶりですよね。吉高さんは、ラブストーリーを演じるときには役にのめり込んでしまうタイプですか? それとも役は役という感じなんでしょうか。

のめり込めないから恥ずかしくてやってこなかったのかもしれないですね。「こんなセリフ言ったことない」とか「自分の口から出すのが気持ち悪い」という苦手意識もあったので、それで「ダメだ!」ってなったのかもしれないです。ウキウキとかキュンキュンというものが、自分に合うものかとか、自分から出るものなのかもわからなかったし……。

でも今回、明香里がデートの服に悩んだ結果、かわいいワンピースを着ていくのかなと思ったら普通の服にしちゃうシーンなんかは、恋の始めのころの感情の起伏ってハタからみるとおもしろいな、カワイイなって思いながら演じていました。

ーー演じるのが気恥ずかしい思いがあったラブストーリーを今回演じようと思ったのは、何か心境の変化があったんですか?

やれるとは思ってなかったんですけど、たまたま今作にわたしのマネージャーがプロデューサーとしても入っていて。今作の原案(『ただ君だけ』)を見たとき「これをやってもらいたいんだ」って言われたんです。いろんなタイミングが奇跡的に重なったこともあって、一緒に夢を叶えようと思って、やらせていただこうという気持ちになりました。

ーーラブストーリーをやる上で心がけたことはありますか?

今作は、原案があってネタバレもしてるし、ファンがいるのも確実にわかってる中でのトライだったので、プレッシャーや不安はすごくありましたけど、そういう人たちが見てもいいと思ってもらえるような作品になったらいいなと思いながら撮影していました。


ーーちなみに、吉高さんご自身は「愛」とはどういうものだと思いますか?

「~してあげたのに」って思わないもの 
、じゃないですか? 見返りの気持ち皆無というか。お母さんですよね。
たまにお母さんがわたしのいないときに家に来て、作った料理を冷蔵庫に入れたり、家の掃除をしてくれることがあるんですけど、「とっちらかった部屋をどんな気持ちで片づけたのかな」と思うと「はぁ……。恥ずかしい」って(笑)。

「30過ぎにもなってロクに片づけもできない娘ですみません」って言うと、「いいのよ、お仕事忙しいでしょ」みたいに言われて、「え、どういう感覚!? ほんとは怒りたいけど怒れないのかな?」とも思うけど、でもなんにも言わず、そうやって陰ながら支えてくれてるんだなぁと思うと、愛を感じますね。

☆取材裏バナシ☆


終始にこやかでフレンドリーに、そして相手の目をまっすぐに見て話してくれた吉高さん。最後に就活生に一言メッセージをお願いしたところ、「背伸びしなくてもいいと思います。ありのままのほうが(いい)」と笑顔で答えてくれました。

昔、自己PRができなくていいイメージを持たれなかったという経験をもつ吉高さんの“背伸びしなくてもいい”という言葉には、なんだか不思議な説得力と重みがありますよね。

実力以上に自分をよく見せようとしてうまくいかない……と感じている人は、自分のありのままの魅力を伝えられるようシフトチェンジしてみると、案外うまくいくものなのかもしれません。


文:落合由希
写真:島田香
編集:就活スタイル編集部(おもち)

映画情報



『きみの瞳(め)が問いかけている』
10月15日(木)先行上演決定
10月23日(金)全国ロードショー

吉高由里子 横浜流星
やべきょうすけ 田山涼成 野間口徹 岡田義徳/町田啓太/風吹ジュン
監督:三木孝浩
主題歌:BTS「Your eyes tell」
©2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
©2020 Gaga Corporation / AMUSE Inc. / Lawson Entertainment,Inc.

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