エントリーシートや面接など、就活には欠かせない「自己PR」の場面で、自分の魅力をどう相手にうまく伝えればいいか悩んでいる就活生に向けてお届けする連載『あの人の自己PR力』。今回のゲストは、12月20日(金)に公開される映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』で、主人公・すずの声を務めたのんさん。のんさんはこれまでどんなふうに「自己PR」をしてこられたのでしょうか。
ーーのんさんが思う、ご自身のいちばんの“強み”はなんですか?
好奇心かな? って思います。今、すごく好奇心旺盛にいろんなことに挑戦しているので、そんなふうに自分に制限をかけずに、気になったら飛び込んでいくというか、自分を解き放っているところは強みかなって。
ーー就活生は面接や履歴書などで自分自身をアピールする場面が多いのですが、のんさんが、ご自身をより魅力的にみせるために意識していることはありますか?
自分が第一印象で人に与えるであろう印象と、自分の中にあるいろんな特徴の中で、その第一印象と合いそうな部分とをすり合わせていくように気をつけてます。自分のルックスが与える印象と自分の性格を一致させていくというか。
ーー見ただけで、「この人はきっとこういう人なんだろうな」とわかりやすくする?
そうですね。わたしはルックスと第一印象を一致させることをすごく大事にしていて、それで自分の土壌を作っているんです。最初はそれで人に認識してもらって、余裕ができたら「こういう一面もあります」っていうのを出していくんです。まずは自分のフィールドを固めて、確立させた上で刺激や驚きを与えていくというか。
ルックスと全然違う性格だと「こういう人なんだ」って引いちゃうし、ビックリさせちゃうと相手の思考が止まっちゃうので、余裕がある思考を持たせて相手が油断してる中で驚かせていく、みたいな。
あと、たのしい人だと思われたいので、仕事で初めて会う人と話したりするときはユーモアを大事にしていて。おもしろおかしく会話したいなっていつも思ってます。
ーーもし、のんさんが就活の面接を受けるとして、面接官に「一言で表すなら、あなたはどんな人ですか?」と聞かれたら、どのように答えますか?
これ、考え抜いてきたから言うの恥ずかしいんですけど……(笑)。
「ボーッとしているように見えるけど、爆発力のある女です」って言ったらどうかなと思って、考えてきました。
ーーさすが! きっと面接官も「おおっ!」と思うと思います。
すずさんと自分の似ているところの話をしているときに、人から「ボーッとしてるって言われるけど、働き者なところが似てるよね」って言われたことがあって、目からウロコだったんです。矛盾した言葉が合わさってるのがおもしろいなって思って。さっきの“土壌を作って驚かせる”を一言に込めてみました(笑)。
(C)2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
ーー前作『この世界の片隅に』に続き、すずの声を担当していかがでしたか?
期間をおいて同じ役に挑むというのが初めての経験だったので、ちょっと緊張しました。ですが、改めて作品を見直して、原作も読み直して、感覚を思い出していく中で、改めて「この作品はすごいな」というのを実感したので、それを感じられただけでもすごく刺激的なことだったなと思います。
ーー声優として、声だけで複雑な心境を表現することは難しかったですか?
そのシーンに描かれているのと同じ状況で演技できないことがいちばん難しかったです。すごく性能がいいマイクを使っていたらしくて、おなかが鳴る音とか衣擦れの音も聞こえちゃう感じだったので、腕を動かすことすらダメだったんですよ。なにも動かさずにほんとに声だけでやらないといけなかったので、それが難しかったです。
ーーたとえば、嫁いで来たばかりのときのすずと、周作とぶつかり合うときのすずでは声が違うように感じたのですが、演じる上でどのようなことを心がけられたのでしょうか?
シーンごとに、「すずさんがどういう心境か」を自分なりに考えて、あとは現場で片渕監督の演出を受けながらすり合わせていきました。
(C)2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
ケンカしてるときの状態、フラットな状態、緊張してるときの状態ってそれぞれ全然違うんです。声の大小や高低もそうですけど、声の出し方も、ノドが締まっていたり開いていたりと違うので、そういう考えを持ちながら集中して、そのときの感情を動かしていれば自然と変わっていくものだと思うんです。
ただやっぱり、声だけの演技だと実写の演技のときよりも声に情報を乗せていかないと成立しないというか、よりテクニカルだなぁと思いました。
ーー本作では新たなエピソードもたくさん加わっていますが、のんさんが今作で一番印象に残っているシーンやセリフがあれば教えてください。
(遊郭で働く)リンさんが「居場所はそうそうのうなりゃせんのよ、すずさん」って言ってくれるセリフがすごく印象に残ってます。見ててドキッとする人もグッとくる人もいると思うし、その言葉をリンさんが言ってくれたっていうのがすごく大きいと思います。
(C)2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
もしかしたら子どものころにすずさんが出会った、ボロボロの着物を着て屋根裏に隠れて暮らしていた子だったかもしれない、そして今は遊郭で働いているリンさんが言う「居場所はなくならない」って言葉には、ものすごく重みがありますよね。
ーーとあるできごとのせいで、すずはこれまで当たり前にしていたことが思うようにできなくなってしまいますが、もしのんさんが今まで当たり前にしていたことができなくなってしまったら、その事実とどう向き合いますか?
すずさんの場合はほんとに想像を絶するようなできごとですけど、“今まで当たり前にしていたことができなくなる”ということで言えば、わたしも仕事に追われているとインプットの時間がなくなってきて、自分がすり減っていくような感覚がすごくあります。
そんなときは「吸収していかなきゃな」って強く思います。1年に1回ぐらい、定期的にそういうときが現れるんです。
なので、そんなときは外に出て、美術展や映画、舞台を観に行ったりお掃除をして気分転換をするようにしています。とにかく「思い立ったときに行く」のがいいんじゃないかと思うので、「今行ける!」って思ったらすぐ行動するようにしていかなきゃな、ってすごく思います。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
12月20日(金)ロードショー
ほんわかした雰囲気や話し方とは対照的に、鋭い分析力やテクニックを駆使しながら人やお仕事と真剣に向き合っているのんさん。
取材時も「考えぬいてきたから、言うのが恥ずかしい(笑)」なんて照れながら、こちらが用意していた質問について事前にいろいろと考え、準備をしてきてくれたのんさんを見ていると、こんなふうに一つひとつのお仕事にていねいに向き合う姿こそがなにより就活やその後の社会人生活の参考になるのでは……と感じました。
文:落合由希
写真:島田香
編集:就活スタイル編集部
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2019年12月20日(金)15:00〜2019年12月25日(水)15:00
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