面接での逆質問、何を聞けばいい?【逆質問例&NG例20選】

面接での逆質問、何を聞けばいい?【逆質問例&NG例20選】

2021/12/20

面接

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「何か質問はありますか?」。面接の最後に問われる逆質問はどう対処すればよいのでしょうか。面接官の意図を理解したうえで、選考に効果的な質問を投げかけたいもの。ここでは、逆質問のポイントと注意点を説明し、質問例を紹介します。

面接官が逆質問をする意図

面接官が質問し、受験者が回答する面接スタイルは「一方通行」という問題を抱えています。この「一方通行感」をやわらげ、「コミュニケーションを深めたい」という姿勢を受験者に示すために、逆質問の機会を提供しています。逆質問への回答を通して、「会社や仕事に対する疑問を解消し理解を深めてほしい。その結果として、受験者と会社の関係性を深めたい」と面接官は望んでいるのです。

※余談ですが、対面選考を「面接」ではなく「面談」と表現する企業ほど、受験者とコミュニケーションを深めたいと望んでいます。よって、逆質問の機会も増えます。

逆質問には、受動と能動の2パターンがある

例えば、面接終盤に面接官から「最後に何か質問はございませんか?」とふられて行うのが「受動的逆質問」です。

対して、「一つ質問させていただきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」と、自分から申込むのが「能動的逆質問」です。基本は、面接官に逆質問をふられるのを待ちます。面接が終わりかけているのにふられそうもない場合、「能動的逆質問」を行いましょう。

逆質問には、研究と誘導の2パターンがある

「志望企業について知りたいこと」、または「どの会社を第一志望とするかの決定に役立つ情報」を得るためにするのが「研究のための逆質問」です。例えば、「海外勤務のチャンスは早くて何年目か?」等の会社や仕事の内情に関する質問です。

対して、「面接官の質問を誘導することが目的の逆質問」もあります。例えば、以下のような質問です。

 エントリーシートには記述していないのですが、2年の夏の2か月間、コンサル会社のインターンシップに参加し、実際に顧客に提案する資料を作り、プレゼンもしました。この経験は、御社の企業調査室を希望するうえで役立つでしょうか?

このように逆質問することで、「ほう、提案はどのような内容だったの?」とインターンシップ関連の質問に誘導することができます。自分が思い描いたアピールできなかった時などに、この誘導目的の逆質問を行ってみましょう。

能動的逆質問を控えたほうがよい場合もある

集団面接は、短時間で複数人の受験者を審査することが目的で、1日に何組もの集団面接がセットされています。そのため、面接官は時間をにらみながら事務的に進行させる(=予定外のことを嫌う)傾向にあります。加えて、逆質問に答えてもらうことで他の受験者の拘束時間も長引かせることを踏まえれば、控えたほうがよいでしょう。

逆質問全体像図解

「面接段階・役職別逆質問」14例

質問の意図や質問したい理由も加えて質問すると、「人から情報を引き出す能力が高い」という印象を与えられます。また、より良質な情報を得るために、面接官の役職や選考段階に応じて質問を変えましょう。以下に具体的な質問例を紹介します。

面接官が若手社員の場合(リクルータ~1次面接)

若手社員は入社年数が浅く、会社や仕事の全体像をまだ把握できていません。よって、その人の経験の範囲で答えられる質問が望ましいでしょう。

1) 入社1年目をスムーズに乗り越えるために、今から入社までに勉強しておくとよいことを教えてください。

※例えば、「簿記は全員受験だから勉強しておくとよいかもね」=社内試験の情報が得られます。社内試験の結果は配属や昇進に関わるため、あなどってはいけません。

2) ○○様(面接官名)が目標とされている先輩社員の優れている点を教えてください。入社までに自分を磨くうえでの課題としたいと考えています。

※回答後に、「その先輩に会う段取りをしてあげるよ」と続けば、OBOG訪問への誘導に成功です。

3) 仕事で、「これは困った」と感じた時のことを教えてください。上手に対処できるよう心構えをもったうえで入社したいと考えています。

※複数の同業他社の方に逆質問すれば、「クレーム対応」など、業界特有の仕事の難しさを知ることができるかもしれません。

4) この会社を選んでよかったと実感された、特に上司や先輩との関係性でのエピソードがありましたら教えてください。業績だけでなく、人間関係も重視して会社を選びたいと考えています。

※面接の定番質問「なぜ、他社でなく当社を志望するのか?」の回答を練るうえで役立ちます。

面接官が中堅社員の場合(1~2次面接)

企業は、仕事ビジョンが明確な人を求めていますので、志望職研究に繋がる質問をすれば、後半段階の面接に役立つでしょう。余談ですが、「社員との座談会」を実施する企業もあります。これも初期段階の選考と位置づけ臨みましょう。

5) 現在までに経験されたプロジェクト(もしくは担当された案件)の中で、達成感を得られたものについて教えてください。志望部門を決めるうえでの参考にしたいと考えています。

※「仕事を通して、このような達成感を味わいたいから志望している」という仕事ビジョンを練るうえで役立ちます。

6) 現在までの経験を通して、○○様(面接官名)が、仕事で一番大切にしなくてはならないと感じている姿勢や考え方について教えてください。入社後の指針とさせていただきます。

※次回の面接の自己PRを練る上で役立ちます。例えば「チームやメンバーに貢献したいという気持ちを持つことかな」という回答を得たならば、「他者に貢献したエピソード」を軸としたアピールを練ってみましょう。

7) 業界理解をもっと深めたいと考えています。業界全体の動向で、○○様(面接官名)が特に注目されているトレンドやキーワードを教えてください。

※それまでの業界研究を通して得たさまざまな情報の中で、どれが重要情報かを確認するうえで役立ちます。そして、回答から得たトレンドやキーワードに関連する仕事を受験企業が受注できているかを確認し、志望順位付けに役立てましょう。

面接官がマネジメントクラスの社員の場合(2次~最終前段階)

会社の戦略など、企業力の差別化に役立つことを質問しましょう。加えて、面接官は入社後に自身の上司となる可能性がある人なので、部下に対する考えを引き出す質問で自分との相性も確認してみましょう。

8) A~C国・地域に進出されていることを会社説明会でお聞きしました。この中で、特に飛躍的な成長が見込める国・地域について教えてください。そこで勤務できるチャンスを得られるよう、語学など今から準備したいと考えています。

※説明会で説明された内容に関連させて自分の意欲をアピールする狙いのある質問。逆質問はアピールにも使える。

9) 最近、話題となっている○○(IoTやフィンテックなど、その会社の事業に関連するキーワード)への御社としての取り組みを教えてください。○○は、世の中を大きく変える可能性があると私は考えていますので、特に興味を持っています。

※話題の選定では、他社で行った(7)の逆質問が役立ちます。もしも、「うちは、その種のものには、まだ懐疑的で受注対象にはしていないんだよ」という回答が返ってきたら、受注している企業と差別化を図れます。3社以上に質問し、主流はどちらかを確認しましょう。

10) A社(ライバル会社)が、新たに○○に取り組むことをニュースで知りました。これに対する御社のお考えをお聞かせください。今後の業界を展望するうえでの参考にさせていただきたいです。

※「日々、業界関連ニュースをチェックしている」ことのアピールを狙った質問です。より旬なニュースを取り上げましょう。キーワードを登録しておけば関連ニュースを携帯端末に配信してくれる無料サービスを活用しましょう。

11) ○○様(面接官名)の優秀な部下に共通する資質について教えてください。自分もその資質を養えるように、今日から努力したいと考えています。

※どのようなタイプを好むかが伺えます。よって、自分との相性をはかれます。複数のマネジメントレベルに同様の質問をすれば、その会社の社風が、より見えてきます。

12) 御社の更なる飛躍を実現するために、全社的に取り組まれていることがございましたら教えてください。私は各社の改革的、もしくは挑戦的な取り組みに興味をもって会社を研究しています。

※経営ビジョンや中長期の事業戦略を確認する質問です。会社の背骨ともいえるマネジメントクラスの回答ゆえに重みがあり、各社の回答を比較しましょう。

13) 「○○」という経営理念が心に響いたことが、御社を志望する大きなきっかけとなりました。この理念を、△△様(面接官名)がお仕事で実践されたエピソードがありましたら教えてください。

※理念に関しては、例えば会社Webの社長挨拶などで確認することができます。ここでは、社員が理念について語れるか、つまり浸透しているかを確認することが目的です。

社長や役員が担当する最終面接の場合

内定獲得の手応えがある場合は、能動的逆質問は控え、無難に終わらせるほうがよいでしょう。逆質問を求められた場合は、既に研究済みのはずの会社や仕事に関連する質問は避けましょう(十分に理解したから最終面接を受験しているはず)。

面接担当は経営者クラスなので、業界の将来像等の大きな情報を引き出す質問を選びましょう。

14) 他業種との垣根がなくなる中(受験会社が属する業界動向)、銀行は(受験会社の事業)、特に○○に注力する必要があると就職活動を通して感じました。よろしければ、△△様(面接官名)のお考えをお聞かせください。

※7)9)10)の逆質問で得た情報が、この質問を作るうえで役立ちます。社長や役員といった経営者層の考えを聞けるという貴重な機会を楽しみましょう。

NG逆質問5例

15) 「有給消化率について教えてください」等、福利厚生に関する仕事に直結しない質問。

※仕事と生活のバランスをとることは現在の重要なテーマですので決して無駄な質問ではありません。最初の質問に選ぶのはNGという意味で、例えば、リクルーターとの2回目の接触の最後のほうで質問するのは問題ありません。

余談ですが、「有給を消化しないと人事課からチェックが入って強制的に取得させられる」といった回答を標準にしましょう。

16) 「御社の課題や弱み、例えば離職率について教えてください」等、後ろ向きの回答になる恐れのある質問。ただし、会社選びでは重要な質問。12)のように質問しましょう。

※面接官は受験者に「弱み」を質問するのに、逆質問してはいけないのはズルいと感じるかもしれませんが、受験者は「応募してやっている」ではなく「応募させていただいている」立場ですので、質問の仕方を工夫しましょう。

17) 「御社の強み、求める人材像について教えてください」等、会社案内や説明会で説明済みのこと。「逆質問の例」として紹介したものであっても、これに当てはまる質問はNG。

※「説明会では、御社の強みであるAの機能面の優位性についてお聞きすることができました。ありがとうございます。可能であれば、Aが顧客に高く評価されたエピソードを教えてください」と、更に深堀りする質問は推奨します。説明会のメモを参考に準備できますので、比較的容易にできる質問です。

18) 「○○学部のため(その会社の仕事と関連性が薄い学部)、入社できても、やっていけるだろうかと、多少、不安を持っています。私と同じ学部出身の社員はいらっしゃいますでしょうか?」等、仕事への不安が滲む質問。不安については就活初期の合説や会社説明会で質問し、面接以前に解消しておくべきことという意味でNG。

※例え、同学部の出身者がたくさん在籍している=大丈夫であっても、「不安を感じているあなたよりも、不安を感じていない同学部の他の受験者を採用しよう」と考えるのが面接官です。

19) 「残業時間は、週に何時間程度かを教えてください。」知っておきたい情報の一つですが、面接ではなく、合説や会社説明会の段階で質問しておきたい。(15)と同様。

※社員の健康を守る、仕事の効率を重視する、これらが会社方針として確立されているかを確認する重要な質問ですが、面接段階での質問ではありません。

逆質問を思いつかない場合の質問例

就活初期は、会社や仕事について研究が浅く、何を質問してよいか思いつかない場合もあるでしょう。このような場合は、受験会社を選ぶ時点で確立されている業界志望動機と関連させて質問しましょう。

20) 「○○業界がつくる日本の未来」という特集を見たのが、この業界を志望したきっかけです(=あなたが業界に魅力を感じた時のこと)。その特集では、このようなことが説明されていました(=業界に魅力を感じることができた内容)。御社のお仕事の中で、関連するものがございましたら教えてください。

※「既に、このような仕事を受注済み」「受注できるよう努力している」「いつ依頼が来てもよいように勉強会を開いている」等、さまざまな回答が返ってくるでしょう。受験企業の比較に役立ちます。

まとめ

逆質問は、企業側へ志望の強さをアピールできる機会です。本記事を参考にあなた自身の言葉で、臨機応変に対応できるよう対策してみてください。


監修・文/岡 茂信 (おか・しげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に『就職活動がまるごと分かる本』『エントリーシート完全突破塾』『自己分析 適職へ導く書き込み式ワークシート』『仕事のホントを知る!見る!考える!インターンシップ』がある。

また、「岡茂信の就活の根っこ」(http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。

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