就活準備をしている際にどうしてエントリーシートと履歴書の両方を提出しないといけないのか、疑問に感じてしまう方もいるのではないでしょうか。
就活中の応募書類の中で、エントリーシートや履歴書の作成・提出を求める企業が多くあります。
さらに、エントリーシートや履歴書では趣味や特技・長所・志望動機など同様の項目を重複して尋ねられることも良くあるため、書き分けが必要かどうか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、エントリーシートと履歴書の違いを中心に、それぞれの書き分け方を簡単にご紹介します。
実は、エントリーシートと履歴書にはそれぞれ違った役割があります。
エントリーシートと履歴書では同じ項目が重なっていることも良くあるため、
「同じことを聞かれるのはどうして?」
「どう書き分ければいいんだろう……」
と疑問に思う方も多くいることでしょう。
それぞれの役割をきちんと理解して準備することで、これまで以上に書き分け方しやすくなるかもしれません。
まずはエントリーシートと履歴書の違いを押さえておきましょう。
エントリーシートは、簡単に言うとあなたの人柄や人物像を企業へアピールするための書類です。
「自分にはこういった能力があり、この会社で生かせると考え、貴社にエントリーしました」などのように、企業の採用担当者に書類上でアピールします。
また、企業側にとってのエントリーシートは「あなたが会社にとって必要な人材か」と見極める書類でもあります。
エントリーシートでは自分の強みや長所・成功例をただアピールするだけではありません。
学生時代の経験と会社での仕事に対するヴィジョンを絡めながら、
「この会社に入ったらこんな仕事をしたい/やってみたい」
「これまでの経験を生かして会社で役に立ちたい」
などのように、会社での働き方やキャリアヴィジョンといった未来に向けての言葉もアピールするのが一般的です。
転職活動ではエントリーシートが必要ないことが多いのに対し、大学生の就活で大きな役割を果たす理由は何でしょうか?
エントリーシートが必要となった理由として考えらえるのは、企業側と職歴や社会人経験のない学生との間で人柄や能力などの面から採用後におけるミスマッチを防止するためという理由です。
エントリーシートをよく見てみると、企業が学生たちに対して聞きたいことを質問しているのが分かるでしょう。
企業からの質問に対する意図をきちんとくみ取った回答ができるかだけでなく、あなたの長所や短所・人柄をアピールして企業の目に留めてもらわなければならないと言えます。
また、エントリーシートは面接や採用後の配属部署決めにも大きな役割を果たしており、採用する企業側にとっても最後まで必須な書類だと言えるでしょう。
履歴書とは?特徴と意味
履歴書とはエントリーシートとは若干異なり、あなたの個人情報や、これまでの自分の経歴・スキルを企業に自己紹介するための書類です。
自己アピールする書類であるエントリーシートとは異なり、志望動機や長所など個人をアピールできるスペースが小さいことにも注目です。
履歴書では自分を大きく見せたいからと言って、嘘の学歴やキャリアを記入してはいけません。
そのため、住所や学歴・キャリアなどをこれまでの人生の中で起きた事実にのっとり、嘘偽りなく記入します。
履歴書については、コンビニや文房具店・スーパーマーケットなどで見かける機会があるかもしれません。
しかし、エントリーシートは履歴書と異なり、応募先の企業から入手しないと手に入れられません。
配布方法としては、企業の新卒採用ページや会社説明会の場が一般的です。
履歴書とエントリーシートの提出を求める企業がある一方で、履歴書だけでOKという企業やSPIなどの適性テスト通過後にエントリーシートのみを求める企業など、企業によってスタイルが異なります。
応募したい企業がどのような形式で学生に書類を求めるのかを必ず確認することも大切です。
エントリーシートが将来の仕事を見据えての希望や展望などを書くのに対し、履歴書は「これまであなたがどうやって人生を過ごしてきたのか」を自己紹介するための書類です。
より具体的に内容を記入できるのがエントリーシート、履歴書はエントリーシートの要約・概要にあたるものと表現するとわかりやすいかもしれません。
以上の違いから、エントリーシートと履歴書の役割を考慮しつつ、シンプルかつコンパクトに内容をまとめ、書きわける必要があります。
エントリーシートと履歴書を上手に書きわけるためのポイントを5つご紹介しますので、参考にしながら試行錯誤してみてください。
書き分けるといっても、同じ内容を避けることだけに注力しすぎてしまい、エントリーシートと履歴書で内容が異なりすぎては説得力に欠けてしまいます。
エントリーシートでは「自分の長所は素早く行動できるところです。以前に~」と書いているのにもかかわらず、履歴書には「忍耐強く物事に取り組める」と書かれていたら、採用担当者は事実がわからず戸惑いますよね。
特に、長所や趣味・特技欄は矛盾が生じがちですので注意しましょう。
エントリーシートでは文章量が多くなる傾向にあるという特性と、採用担当者が何千・何万もの書類を見るということを考慮して、エントリーシートから先に仕上げたうえで、履歴書上にはエントリーシートの要約を記載するという方法がおすすめです。
一貫性を保ちながらも内容を重複させないという書き方は簡単なように思えますが、いざ取り組んでみると難しさを感じる人もいるかもしれません。
エントリーシートを充実させたうえで履歴書に取りかかることで、あなた自身も要約しやすくなるだけでなく、採用担当者もすぐ見て理解できる書類になるでしょう。
面接で人柄が垣間見えるような話題になりそうなことは、エントリーシートではなく履歴書で触れておくのも手段のひとつです。
エントリーシートは文章を連ねるため、あなたの伝えたいことが埋もれてしまうことも考慮すべきでしょう。
ポイント2にも繋がりますが、興味を引きそうな話題を履歴書上でも簡素に触れることで、「この人に話を聞いてみたい」と採用担当者に思わせることができるかもしれません。
学生のアピールの場として用意されているエントリーシートでは、遠慮なく自分を企業に売り込むチャンスがあります。
過去の事実を中心に書いていく履歴書に比べ、企業に人柄をアピールするエントリーシートは自己アピールできるスペースも大きいため、ある程度の自由度があると言えます。
趣味やこれまでのアルバイト経験・特技・長所など、企業に対してメリットになる部分を売り込みましょう。
ただし、企業の質問の意図をきちんと汲み取ったうえで、質問内容への回答が逸れてしまわないように気をつけなければなりません。
企業や業界が求めている人材と自己分析結果を照らし合わせながら、どうやって自己アピール文を作成するかもエントリーシート作成のキーポイントです。
エントリーシートは、あなたの自己分析や学生生活の棚卸しが充分でないと書けない項目が多く、自己分析が不十分だと履歴書と異なり、対策も難しくなります。
また、業界や企業によってエントリーシートで問われる内容は大きく変化することを覚えておかなければなりません。
あなたが志望する業界や企業ではどのような人たちが働いているのかだけでなく、会社の中で求められているスキルをきちんと分析することも重要です。
初めてエントリーシートと履歴書を見た時は、同じ項目が重複している部分もあることから、どう書けばいいのか戸惑ってしまうかもしれません。
エントリーシートは企業と学生のミスマッチを防ぐために設問した内容をもとに自己アピールする書類である一方、履歴書はあなたの個人情報を中心にこれまでの経験に対する事実を記載した自己紹介が中心です。
書き終わった後は履歴書とエントリーシート間で内容に矛盾がないかだけでなく、あなたのことを知らない人が読んでもわかりやすい体裁かのチェックをおすすめします。
エントリーシートと履歴書の特徴と役割を押さえながら試行錯誤を繰り返し、相手が読んでわかりやすい文章で企業にアピールできるようにしましょう。
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(学生の窓口編集部)