就活で重要とされる「就活の軸」がなかなか決まらない……。そのような人も多いのではないでしょうか。 たくさんの情報や選択肢の中から指標を定め、就活をスムーズに進めていくために必要な「就活の軸」。それを決める際に不可欠な自己分析の方法や、軸の例を紹介します。一貫性のある、ブレない「就活の軸」を見つける参考にしてみてください。
就活を始めると、どの業種や職種も魅力的に見えて、志望先がなかなか絞れず困ってしまうことがあるかもしれません。そこで必要になるのが「就活の軸」です。軸を決めることで、効率的に就活を行うことができるだけでなく、入社後に感じる理想と現実のギャップを減らすことにもつながります。また、複数の企業を受ける際にも、ブレない就活の軸を持っていれば一貫性のある志望動機をアピールすることができます。
就活の軸とは、自分が就活をする上で、どんな基準を持って行動するのかを示すものです。どんな仕事がしたいか、どんな環境で働きたいか、自分の何を生かしたいかなど、将来就職をして働く際の絶対的な価値観です。それを明確化したものが「就活の軸」です。
自分が重要視することを明確化し、「就活の軸」にすることで、就活の指標となるものができます。志望する企業がたくさんある、やりたいことがあふれている、そんな学生にとって、「就活の軸」を設定することは、就活の方向性を指し示す企業選びの重要な基礎とも言えます。自分のやりたいことや適性などを判断基準にして、「理想と違っていた」という入社後のギャップや企業とのミスマッチをなるべく少なくすることにもつながります。
では、「就活の軸」を決めるためにはどうすればよいのでしょうか? そのヒントは過去の自分の経験、そしてこれからどんな自分になりたいかという将来像、理想像の中にあります。
自分の価値観の原点を探ることで、これまで以上に自分のことを理解できるようになり、やりたいことや仕事に生かせそうなこと、譲れない条件などをはっきりと決めていくことができます。
これまでの自分に起きたことを書き出してみると、さまざまな体験を思い出すことができるでしょう。部活動やアルバイトなど、当時の自分の中に「なぜそれをやろうと決めたのか」という判断基準があったはずです。自分の判断基準を掘り下げていくことで、どういったことにやる気が湧いたのかなど、モチベーションの源を見つけることができます。
就活の軸を見つけるには自己分析が必要不可欠です。
これまでの経験をもとに自分の判断基準が何だったのかを具体的に掘り下げてみましょう。
1.学生時代に打ち込んだことを見つける
部活やアルバイト経験、勉強、趣味など、自分の得意なことや頑張ったと感じた出来事を書き出してみます。
2.行動の動機を考える
・なぜ始めようと思ったのか?
・なぜ頑張れたのか?
・どんな壁にぶつかったか?
・その活動を通じて自分にどんな影響があったか?
これらの理由を具体的に書き出してみることで、自分がなぜ頑張ることができたのか、なぜ続けることができたのかを知ることができ、やりたいことが見えてくるかもしれません。
ここまで書き出してわかってきた、始めた理由、頑張れた理由、続けられた理由の共通点を探してみます。共通した出来事は、自分のモチベーションの源にあたるものかもしれません。
将来的な自分の理想像をイメージしてみましょう。例えば5年後、10年後に、なっていたい理想の人物像などを考えてみましょう。
・どんな仕事に向いているか?
・どんな環境に向いているか?
これまでのステップでわかったことを、仕事でどう生かせるか改めて考えてみます。
これらの作業で、「興味関心があること」「能力が発揮できること」「やりがいやモチベーション」が見つけられると思います。この3つを明確にすることで、自分らしい就活の軸を見つけることができるでしょう。
「就活の軸」は一つに絞る必要はありません。複数の軸を掛け合わせることもできますし、優先順位をつけておくことで、ブレを防ぐこともできます。
うまく見つけられない人は、以下の例も参考に、自分の軸を考えてみるのもよいでしょう。
〈就活の軸の例〉
・社会貢献したい
・専門知識を生かしたい
・よいものを世の中に広めたい
・人の悩みを解決したい
・海外を拠点にして働きたい
・尊敬できる経営者の下で働きたい
・安定した企業で長く働きたい
就活の軸が明確になると、志望する業種や職種が定まってきます。また、面接などでも自分が実現したいことをはっきりと言葉にして、説得力のある受け答えをすることにつながっていきます。
就活の軸は深い自己分析から見つけられるものですが、OB・OGを訪問することや、就活仲間と自己分析しあうこともおすすめです。他人に自分を深堀りしてもらうことで、客観的な視点を持つことができ、「就活の軸」により厚みを加えていきます。
自分の「就活の軸」を決めるとき注意しなければいけないのが、どの企業にも使い回しができるような単純な軸のままにしておかないこと。最初は大抵のことが多くの企業にあてはまってしまうような広範囲の軸になりますが、そこから複数の軸を掛け合わせたり、自分の価値観を明確化して、自分らしい軸になるようにかたちをつくっていきましょう。
業界研究や企業研究を行うことも、自分の「就活の軸」を明確にする上で必要なことです。具体的な条件に対して自分がそれに前向きになれるのか、受け入れられることなのか、軸と照らし合わせて考えます。そうすることで、自分がどんなところで働きたいか、どんな働き方をしたいかが、より具体的になっていきます。その結果、軸もより強固で説得力のあるものになっていくはずです。
「就活の軸」は、志望企業選びに一貫性を持たせること以外に、入社後のミスマッチを防ぎ、やりがいをもって働くためにも重要なものです。将来の人生設計や人生観にも関わってくることなので、自己分析や第三者の協力も得ながら、自分らしい説得力のある「就活の軸」を見つけましょう。
マイナビ学生の窓口編集部