就活では、イレギュラーな事態やトラブルに遭遇することがあります。今回は面接や会社訪問に際して、「こんなときどうすればいいの?」と悩んだときに、スマートに解決するメールの書き方を考えていきましょう。
企業によっては選考が進むと、交通費が支給されるケースがあります。しかし、事前に支給されるというケースは少なく、まず自分が立て替えて、請求後に交通費が支給されるという形が多いです。
交通費は、面接会場で即支給となることがほとんどです。所定の用紙を面接会場などで配られる場合が多いですが、事前にメールで交通費について問い合わせが来ることあります。もしも所定のフォーマットがない場合は、「どんな交通手段を使うのか」「どこからどこまでの区間で発生するのか」「いくら発生したのか」ということを漏れなく伝えましょう。
例えば「JR○○線 A駅からB駅 往復○○○円(片道×××円)」という書き方です。複数の交通手段を使った場合は、それぞれで発生した金額をまとめ、最後に合計金額を記載しましょう。
また、もし事前に持ち物の指定がなかったとしても、使用した交通機関の領収書と印鑑を持参すると、いざというときに安心ですよ。
いくつかの企業を並行して応募している場合、会社説明会や面接の日程が重なってしまうこともあるでしょう。また急な体調不良や用事が発生するかもしれません。こうした場合、企業へキャンセルの連絡を入れなくてはなりません。
連絡は行けなくなった時点で速やかに行いましょう。その際に気をつけるべきは、キャンセルをしたからといって、その会社との関係が終了するわけではないということ。もしキャンセルによって選考自体がなくなったとしても、後に社会人になった際に、何らかのつながりを持つこともあるかもしれません。そのため、きちんと謝罪の気持ちを伝えることを意識し、連絡しましょう。
連絡方法としては、メールを使って問題ありません。しかし、メールでの連絡は、当日や前日の夕方では担当者がチェックができない可能性があるため、ギリギリのキャンセルになる場合は電話で連絡したほうがいいでしょう。
顔が見えないからこそ、メールの文章一つで印象が変わってしまいます。特に最後の結びの言葉を誤った場合、メール全体の印象が悪くなってしまうことも。
ビジネスメールには、お礼やお断り、お願いなどさまざまなパターンがあります。一般的なビジネスメールでよく使われる結びの言葉には、
「よろしくお願いいたします」、「今後ともお付き合いよろしくお願いします」
といったものがあります。感謝やお礼の場合にも使える言葉です。
ほかにも、
・お願い事をした場合
「ご協力のほど、よろしくお願いいたします」
「勝手なお願いではございますが、何卒よろしくお願いいたします」
・返事を要求する場合
「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします」
「ご連絡をお待ちしております」
・申し出を断る場合
「ご期待に添えず、申し訳ありませんでした」
「お手数おかけしてしまい、心より深くお詫び申し上げます」
上記のような言い回しは、覚えておくと便利です。慣れないうちは難しいと思いますが、基本は相手を気遣うような一文を添えることを意識しておくといいでしょう。最後の最後まで抜かりなく、丁寧な態度を心掛けましょう。
なるべく避けたいことですが、面接で遅刻してしまった場合や、何かこちらに不手際があった場合は、企業へ謝罪をしなければなりません。
面接に遅刻してしまった場合は、面接の場において口頭で謝罪をするのはもちろんですが、帰宅後メールでも担当者に謝罪メールを送りましょう。文面としては、「本日は貴重なお時間をいただいたにも関わらず、面接に遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。改めてお詫び申し上げます」というように、相手の気持ちを尊重しながら謝罪の気持ちを述べてきましょう。また「そのような中でも面接の機会を設けていただき、本当にありがとうございました」など、感謝の気持ちも添えると印象はグッと良くなります。
さらに、謝罪文だけで終わるのだけではなく、その日の面接の感想などを添えると印象をよくできるかもしれません。起こしてしまったことに対して、丁寧にフォローすることで、最大限の対策を講じましょう。
内定懇親会とは、内定者同士が親睦を深めるためにホテルや会議室などで行われる食事会などです。他の内定者をはじめ、入社後の上司や先輩となる人など、多くの人々と接する機会でもあります。
まずは懇親会の案内がメールで届いた場合は、参加の有無にかかわらず必ず返信をしましょう。実際にメールを送る際は、「内定懇親会『出席』のご連絡」といった、一目で内容がわかる件名をつけましょう。そして本文は、シンプルなものが望ましいです。「自己紹介・案内メールの御礼・参加の有無・結びの挨拶」を冗長にならないように、簡潔にまとめて返信をします。
また欠席する場合は、お礼の後に欠席できない旨を記しましょう。欠席の理由は、学業や親族の冠婚葬祭など言える場合は明記し、言えない理由のものは必ずしも書く必要はありません。「当日予定が重なってしまい」、「一身上の都合」といった言い方を使い、お詫びの言葉で結びます。
また「別の機会などがございましたら、是非とも参加させていただきたいと思っております。」といった言葉を添えるのもいいでしょう。
自分が就職を希望している企業でOBが働いている場合は、OB訪問を行う機会もあるでしょう。OB訪問を行う場合、まずはメールでアポをとることがほとんどです。大学の就職センターなどで名簿を見つけた場合、または知人や先輩を介した場合は、こちらからメールを送り、向こうからの連絡を待ちましょう。
メールではまず自分のことを明らかにするため、件名には「OB訪問のお願い」と記し、大学名と氏名を併記します。本文ではそこで働いていることを知った経緯を簡単に説明し、実際に現場での活躍の様子を伺いたいという熱意を伝えます。合わせて訪問の候補日を複数書いておくと、その後のやり取りがスムーズになるでしょう。
注意すべきなのは、OBは社会人です。学生時代は親しい先輩であったとしても、公私を混同せず、きちんと文面を整えてメールを送りましょう。
会社訪問では実際に、働く現場を見学するため、求人サイトでは得られない情報を入手できる絶好の機会です。OB訪問同様、会社訪問もメールでアポをとり、先方からの連絡を待つという形が一般的です。メールでは「会社訪問のお願い」といった件名をつけ、大学名と氏名を併記しましょう。そして本文では、「どこでその会社を知ったのか」、「どこに興味を持ったのか」、「どの部署について話を聞きたいのか」ということに触れ、文章を作成してきましょう。
企業側はそのメールを見て、実際にどのような内容を説明するのか、担当者は誰にするのか、といった会社訪問の準備ができます。簡単な自己紹介やPRを添えるのもいいでしょう。とはいえ、企業側は時間を割いて会社訪問の予定を組んでいきます。だらだらと長いメールは避け、丁寧かつ簡潔な内容を心掛けながら、熱意を伝えましょう。
内定をもらい就活を終えた場合は、なるべく早いうちに就活中にお世話になった人へメールを送りましょう。該当する人には、OB訪問をしてもらった先輩、ゼミの担当教授などが挙げられます。
メールでは、お礼の言葉や内定先を報告することはもちろんですが、「アドバイスのおかげで堂々と面接を受けることができた」など、お世話になった人への直接的なお礼や、今後の抱負などを添えるといいでしょう。今の自分の気持ちを素直に綴ることで、メールをもらう側も、事務的なメールをもらう以上にうれしい気分になるのではないでしょうか。
就活では最初から最後まで、さまざまな場面でメールのやり取りを行います。状況に応じたメールのやり取りができることは、社会人になるための第一歩です。迅速な返信と丁寧かつ簡潔な内容を心掛け、メールの作成に慣れていきましょう!
(学生の窓口編集部)