エントリーシートの「研究内容」の書き方 理系要チェック!【例文あり】

エントリーシートの「研究内容」の書き方 理系要チェック!【例文あり】

2022/01/07

自己分析

エントリーシート(ES)の「研究内容」欄の記入は、理系学生にとって必須であり、非常に重要な項目。理系学生が研究内容を論理的に説明するのは難しくないかもしれませんが、ポイントを押さえて簡潔にわかりやすくとなると意外に戸惑うもの。ここでは、ESの「研究内容」はどう書くべきか、ポイントと注意点を例文を交えながら説明します。

そもそも研究内容とは?

理系学生や大学院生が何を研究してどのような成果が出たのか、取り組んできた内容をざっくりとまとめたものが研究内容です。文系学生が書く「学業(学業以外)で頑張ったこと」と同じようなことが求められる文章です。

自分の研究を誰が読んでも理解できる文章にするためには、論文などで学んだ書き方は忘れて書くことが必要です。まったく専門外の人でもわかるような内容にすることを心がけ、作成してみてください。

研究内容を聞く理由とは?

企業が理系学生に研究内容を聞く理由としては、主に4点あります。作成するときに質問される理由を把握しているのといないのでは文章の説得力が大きく異なってきますので、ぜひ参考にして作りこみを行ってみてください。

1.研究内容から「仕事の進め方」を知りたい


研究内容を知ることで、企業は、あなたがなぜそれを選んだのか、何に関心を持っているのか、取り組んだ研究成果、成果を出したプロセスを知ることができます。

思考回路や物事の進め方は仕事においても同じように発揮されます。その思考回路や物事の進め方が自社にフィットしているかどうかを、企業は判断するのです。

2.研究を真剣に取り組めたのかを知りたい


企業は学生が研究に対して、真剣に取り組めたのかどうかを知りたいと考えています。学部から修士に進むにあたり、研究分野をどれくらい深掘りして研究できたのかが分かれば、ビジネスでも役に立つと考えるからです。

研究分野が志望企業の業務内容と必ずしも一致していなくても構いません。知識を蓄え、多くの実験を繰り返し、教授が認めるレベルの論文に結実させた姿勢が重要だからです。真剣に研究した姿勢があれば、企業はポテンシャルがある人材だと感じてくれることでしょう。

3.研究から何を学んだのかを知りたい


エントリーシートでは研究内容を簡潔に伝えます。ただし書くときには小難しい表現に頼ることなく、分かりやすく表現できるかがポイントです。「研究の内容を通して企業があなたを知ること」がエントリーシートの目的という視点を忘れないようにしましょう。

そして、企業は研究で学生が何を学んだのかについても知りたいと考えています。学んだこととは、例えば「論理的思考力」「成果達成力」などで表すことができるでしょう。「研究を通じて○○の能力を得た。その理由は△△である」と具体的に伝えられれば、採用担当者も学生の持っている能力を知ることができます。

4.うまく進まなかったときの対応を知りたい


研究を進めていくと、うまくいかなくなるタイミングやトラブルが必ず起こります。そうなったときにどのように考え方を転換して対応したか、その臨機応変さや発想を転換する力があるかを見ることができます。

これは仕事においても同じで、仕事も何らかのトラブルに見舞われることはよくあります。その対応策を考えられるかどうかで仕事の成果は大きく変化します。この質問であなたがトラブルに対して適切に対応できる人材かどうかを見られているのです。

研究内容を書く際のポイント4つ

次に研究内容を書くときのポイントを4つ紹介していきます。

1.研究内容は簡潔に書く

研究内容は何年もかけて研究してきたことを書くものですから、簡単にはまとめられないと感じる人も多いはずです。しかしあなたの研究内容を読むのは理系出身者ではなく、専門外の人事担当だということを忘れないでください。相手に分かりやすく伝えるために、簡潔に書くことを心がけましょう

また、企業にとっては「研究の内容を通してあなたを知ること」が目的となりますので、研究の内容をすべて伝えようと思うことはやめましょう。最初は下記の例文のように、4点を箇条書きでまとめていってください。

【例文】

研究内容
「養殖貝の成長促進をはかる養殖環境の研究」

研究を行っている背景
「温暖化の影響による海洋資源の減少に歯止めをかけ、種の保存をするため」

研究途中で起きた問題
「温暖化による影響で貝の生育が不安定になっていること」

具体的な研究内容
「天然の海洋資源の減少を防ぐために、時間のかかる養殖時間を短縮して資源を守る研究」

このようにまとめれば専門外の人でもわかる文章になりますので、ここから内容を肉付けしていきます。

2.論理的な流れで書く

論理的な流れで研究内容を記述していきましょう。研究を始めた理由成果、そして学んだポイントで書いていくと論理的な文章となります。その研究でつまずいたこと、その対処法などを盛り込んでもよいでしょう。

例文

私は養殖貝の成長促進をはかる養殖環境の研究をしています。

研究背景は温暖化影響による海洋資源の減少に歯止めをかけ、種の保存をするためです。

具体的な研究内容としては、時間のかかる養殖の期間を成長促進させることで短縮し、天然の海洋資源の減少を防ぐ研究をしています。

研究を進めていくうちに自然の海流とぶつかってしまうことでうまくエサが届かなくなり、逆に成長が鈍化したことがありました。想定していた海流と異なる動きは漁船の影響によるものであったため、漁船の動きを利用した水流のプログラミングを設計し直したことで無事成長を促進させることができました。

研究では、急激に改善することが難しい温暖化に手を打つのではなく、現実的な路線で天然資源を守るという別の視点からの方法を取りました。変えられないものを変えたいときには発想の転換をし、さまざまな角度からものを見ることが重要であることを学びました。

この研究で得られた経験を生かして、貴社での環境研究に取り組みたいと志望しました。

3.研究を通して学んだポイントを書く

エントリーシートの文字数が多い場合は、研究したことで学んだことを書きましょう。例えば、「研究における課題や障壁は何か」「課題や障壁を乗り越えるために自分はどのようなアクションを起こしたか」「アクションの結果、何を学んだのか」を具体的に書くのがおすすめです。文字数が少ないエントリーシートでは、学んだポイントだけでも大丈夫です。

4.想定質問を用意してまとめよう

エントリーシートで書いた研究内容は、面接の時に必ず聞かれる内容です。想定質問を用意して、自問自答するようにしておきましょう。想定される質問は下記のようなものです。

Q.同じような研究との差別化ポイントは何ですか
Q.その研究を転用できるとすると、どのようなものに転用できると考えますか
Q.この研究で学んだことから当社で生かせると思うものを教えてください

また、その研究を選んだ理由がエントリーシートに書いてあっても、さらに質問されるケースがあるため、深く掘り下げて「なぜ?」の自問自答を何回も行っておきましょう。その理由に志望動機との関連性があればなおよい回答が作れます。

まとめ

理系の学生や大学院生が、エントリーシートに必ず書くことになる研究内容。それを聞く理由から、書き方のポイントを説明しました。就活も入社してからの仕事も相手ありきで進むものです。研究内容だけに集中するのではなく、受け取る相手のことを意識して作成してみましょう。きっと今までとは違う研究内容が作れるはずです。


監修・文/山崎英理夫
人事コンサルティング歴4年、人事歴8年。人事コンサルタントとして教育研修のプログラム開発、人事制度診断等を提供。また、企業人事として新卒・中途採用に従事し、人事制度構築や教育研修の企画・運用など幅広く活動。この経験を活かし、人材関連の執筆にも数多く取り組む。
http://erinanase.com/

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