では次に、ケース面接の例題をご紹介していきます。
<例題>
あなたは食品メーカーA社からコンサルティング依頼を受けました。下記の状況からどのような戦略提案を行うか、考えて発表してください。考える時間は10分です。
A社
・レトルト食品が強み
・原価が高く低単価で薄利多売となっている
競合B社
・「◯◯の素」食品が強み
・高単価戦略でシェアを大きく伸ばしてしている
どうしたらA社の状況を改善できるのかを先ほどご紹介した、「ケース面接の手順を理解する」を用いて論理展開してみてください。
最後に、ケース面接を行う上での注意点を6つまとめてご紹介します。やっていくうちに忘れてしまっていないか、定期的に見直しが必要となりますのでぜひ参考にしてみてください。
こちらはコンサルティング提案の例題ですので、正解はありません。しかし、「どのようなロジックで考えて提案しているのか」ということは説明する必要があります。それには全体を網羅して考えることや、要素をすべて検討した結果、どのような軸で選んだのかというポイントを話せることが重要となってきます。
ケース面接には、ご紹介した必要な考え方と手順があります。それを頭に入れた上で、論理展開をしていくことで話の筋がぶれない提案ができあがります。
課題解決をするための要素をすべて考えてから解決策を考えていかなければ、適切な解決策を提示することができません。自分の思い込みで要素を削ってしまっていないか、ということに注意して検討するようにしましょう。
考えていくうちに集中力がなくなると連想ゲームのようになってしまうため、論理に飛躍がないかどうかという観点を持って見直しすることが必要です。
抜け漏れや重複があると適切に判断を下せなくなってしまうので、必ず抜け漏れと重複がない状態にできるよう普段から心がけて分析をしてください。
コンサルタントには何か問題が起こったときに、それをどのように解決していくかを考えることが必要です。そして、常に頭の中で考えていくという体力が必要です。さまざまな問題が起こったときにも瞬時に判断を下せる力を持てるように、課題を反復練習して集中力を途切れさせないで考えられる能力を身につけておくことが必要です。
外資系コンサルティングファームで行われているケース面接についての対策や、例題をご紹介しました。具体的に何をしていけばよいのかわかったはずですので、ぜひ自分で課題設定をし、シミュレーション練習をすることでコンサルティングに必要な脳を鍛えてみてください。鍛えることで、ケース面接のときに実力を発揮することができるはずです。
執筆:高下真美
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。