ES(エントリーシート)や履歴書の研究概要・研究内容の書き方のコツ【例文つき】

ES(エントリーシート)や履歴書の研究概要・研究内容の書き方のコツ【例文つき】

2018/07/18

自己分析

研究室に所属している方や院生として研究を続けていた方が、就活するときに一番頭を悩ませるといっても過言ではないのが研究概要・研究内容の書き方です。いざ書き始めようと思っても普段の論文の書き方が抜けず、「どう書いていいのかわからなくなって手が止まってしまう……」という方も多いのではないでしょうか。

言いたいことをまとめると文章が長くなってしまったり、短くすると平凡な研究になってしまったりするものです。そんなふうに履歴書やES(エントリーシート)の欄にきれいに収まりきらない状態からどうまとめていけばいいのでしょうか。研究概要・研究内容の書き方のコツを例文とともにご紹介していきます。

ES(エントリーシート)や履歴書の研究概要・研究内容の書き方のコツ【例文つき】

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そもそもなぜ企業は研究概要を聞くのか?

研究概要の書き方をお話する前に、企業が研究概要を聞く理由をお話します。理由としては以下の4つのものがあります。

1.何に力を入れていたのかを知るため

まず、学生時代にどんな研究に力を入れて過ごしていたのか、情熱を傾けていたものが何なのかを知るためです。面接などでよく聞かれる、「学生時代に力を入れていたもの」と同じようなものだと考えられます。

2.その研究でどんなことを学んできたかを知るため

その研究でどんなことを学んだのか、学んだ内容の分野を把握するためにヒアリングしています。自社内で生かせるポイントがないかを探る質問でもあります。

3.論理性を持って端的に説明ができるかを見るため

研究テーマや成果については自分の興味のあることを扱っているため感情が動きやすいので、つい感情に任せて書いてしまうことも考えられます。しかし、聞いている相手の状況を推し量ってコミュニケーションができるか、内容について専門的な言葉ばかりではなく相手が理解できる言葉に噛み砕いてコミュニケーションが取れるかなどを見ています。

4.学んだことをどう生かそうと考えているかを聞くため

研究を通じて学んだことを今後どう生かそうと考えているのか、企業で生かすとしたらどんな方面に生かせると考えているのかを聞くためにこの質問をしています。

研究概要・研究内容の書き方6つのコツ

一生懸命歳月をかけて取り組んだものですから、「熱く研究の意義や成果を伝えたい!」という気持ちがあることも理解できます。ただ、面接担当者は研究内容自体を聞きたいわけではありません。先方が聞きたいのは「その学びを当社でどう生かせると思っているのか」です。目的を見誤らないように注意して記入するようにしてください。
その目的を押さえながら、どうまとめていくかの5つのコツとしてまとめました。この問いかけに答える形で一文ずつ作成し、文章をつなげれば研究概要が完成します。

1.研究内容を一言でいうと何か

人事の方が、あなたの研究分野に精通していたり、研究内容のことに詳しかったりするとは限りません。特に文系の人事の方だと、理系の方の研究については専門用語で説明されてもわからないことが多いものです。たとえ相手が人事の方でなくても、誰にでもわかる簡単な言葉で伝える必要があるため、難しい内容をどう一言でまとめるのか、専門用語を使わずにどう表現するのかなどが問われます。

2.なぜその研究をやったのかの理由

どのような着想でこの研究をすることを思いついたのか、なぜその研究に決めたのかなどあなたの思考回路や興味の方向性を効果的に伝えることができます。

3.研究課題へどのようにアプローチしたのか(工夫ポイント)

研究課題に対してどのようにアプローチしたのか、その結果どんな成功・失敗、足がかりができたのか、工夫したポイントは何かを書くことでどのような観点をもって物事に取り組める人材なのかをアピールすることができます。

4.この研究で得られた成果と学び

この研究を通して成果として得られたもの、学んだことが何かを書くことで、1つの物事からいくつの学びを得ることができる人材なのか、そのポテンシャルをアピールできます。

5.それをどう企業で生かすのか

その学びを学んだだけで終わらせるのではなく、他に転用できないのかという観点をもっていること、それを想定する視野の広さがあることをアピールできます。

6.差別化ポイントを3つ挙げてください

簡単な言葉で伝えるように工夫すると、差別化ポイントがわからなくなってしまうことまで気がつき、先方から質問があるだろうと想定して準備する先を見通して行動する力をアピールできます。研究だけに限らずさまざまなことを先んじて想定して対策が打てれば、どの仕事でも必要になる視野の広さを持っていることを伝えられるでしょう。

以上の6つのコツを見ながら作成がすれば、どのような観点でアピールするのかも網羅できるため、どのような研究だったとしても、たとえ研究内容と仕事が似通っていなくても、アピールにつなげることができるようになりますよ。

研究概要の書き方例文

では最後に、研究概要の例文をご紹介します。すべてのコツを押さえることで単なる研究結果の報告ではなく、企業でも生かすことのできる能力に昇華できるようになります。
今回は理系の研究室の場合の例文。理系のみなさんは、企業で専門の研究職につかない場合でも、「チャレンジ精神」や「発想力」などは生かせる能力ですので、アピールにつなげやすい内容に変換されていることに注目してみてください。

私は、より身のコリコリした食感をもつアワビを遺伝子研究で開発しようとしています。アワビは養殖で使われている◯◯(場所)で育てると、水分や養分を吸収する機能が◯◯%も低下し、食べる際に身の弾力があまり感じられません。そこで、身に弾力を持たせる特徴を持った◯◯という貝の遺伝子を使って、養殖下でもアワビの栄養吸収機能を高めることができないかという仮説をたて、実験中です。
遺伝子の研究はうまく進んでいるものもありますが、もっとさまざまな分野にチャレンジし、実用化されるべき研究だと思っております。発想を柔軟にし、これまでにない方法をどんどん試してトライアンドエラーをすることで、今後訪れる食糧問題や環境問題の改善に貢献できる存在になりたいと感じております。このチャレンジ精神を生かして御社の事業成長の一助になりたいと考えております。


まとめ

なかなかまとめることができないと悩みのタネになることも多い研究概要・研究内容。学んできた内容をどういう形でアウトプットするのかを決めて取り組むと、非常にアピール力の高いES(エントリーシート)や履歴書が出来上がるはずです。ぜひ、この6つのコツを生かして、企業に魅力的な学生であるとアピールしてみてください。

執筆:高下真美
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。

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