切り口について7つのポイントを学んだところで、最大のポイントである「求める人物像」の把握を行っていきましょう。自己PRは何のためにするかというと「わたしは御社にピッタリの人材だ」ということをアピールするためで、その企業に向いているかどうかは、求める人物像を基に判断されます。つまり求める人物を理解していないと、的外れなアピールになってしまう可能性があるのです。
では企業が求める人物像とはどのように把握すればよいのでしょうか? 基本的にはホームページや会社説明会などで求める人物を企業側が説明してくれています。しかし、それをそのまま使うのではなくて、そこから一歩踏み込んで考えてからアピールするようにしましょう。
企業が発表している求める人物像は、学生が理解しやすいように簡単な言葉で表されているため、本当に求める人物を表すには情報が不足しているケースが多いです。その部分を自分で補うようにしましょう。業界・企業研究を行なって、その企業がどのような働き方をしているのか、その働き方であればどのような能力や資質を持った人物が求められているのかなどを想像してみてください。
たとえば、形のある商品(例:文房具、家具など)を販売している場合にはさまざまな能力が必要になります。その商品が他社のものとは違うという差別化のポイントや、使ったときに感じる具体的なメリットなどの知識をすぐに得られるという能力も求められます。そして販売を成功させるには、その知識を活かして「その企業にとってなぜこの商品が必要なのか」をアピールできる力も必要です。つまり、言われたことを実行するだけでなく、自分で情報を収集して組み立てる能力が求められるといえます。
このように自分が志望している仕事は、どのような能力があれば成果が上げられるのか、ということを自分なりに考えて伝えることが重要です。企業側から見ると、この学生は自分で求める人物像を噛み砕いている、勉強しているという大きなアピールになります。研究した求める人物像を自己PRに結びつけて書くことで、説得力のある文章を作ることができるのです。
では次に、実際に学生時代頑張ったことを自己PRにした例文をご紹介していきますので、ご自身の経験と照らし合わせながら参考にしてみてください。
「学生時代に頑張ったことがあまり思い浮かばない!」という就活生は多いと思いますが、実際は過去を振り返ってみると、さまざまなアピールポイントを見つけることができます。部活の全国大会1位やアルバイト時の売上何%アップなど、派手なアピールでなくても地道に行ってきた活動を自己PRに変換することが可能ですので、ご紹介した例文を参考にしながら、ぜひ志望企業に求められる人物像に沿った自己PRを作ってみてくださいね。
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。