就職活動では「自己PR」をする機会がたくさんありますよね。「学生時代に力を入れていたこと」として、アルバイト経験はポピュラーなものですが、それだけに上手にPRするのは難しいともいわれます。今回は「自己PRでアルバイトをアピールするコツ」についてご紹介します。
「自己PR」とは自分と他の就活生の違いを面接官にアピールするために重要です。一般的に「学生のときに力を入れていたこと(近年は「ガクチカ」といわれることも多くあります)」を題材にしたPRを行い、自分の人間性・強みを知ってもらいます。
自己PRのテーマにアルバイトを選ぶ場合、以下のようなポイントを抑えた内容を考えましょう
自己PRなのですから、まずは自分の強み・長所を述べます。例えば「わたしはつらい仕事でも投げ出さず成し遂げる努力ができます。」などとし、それから何のアルバイトをして、どのようなことがあったか、というように続けるといいでしょう。
自己PRは就活生の長所・人間性を知るのが目的です。そのため「飲食店のホール業務」「コンビニのアルバイト」など、普通に知られている仕事なら、業務内容について詳しく説明する必要はありません。
「店の売上をアップさせた」という結果があった場合、具体的に「どのような背景」があり、「どのような行動を取ったか」の説明があるといいでしょう。例えば「新商品売り場のレイアウトを任せてもらうよう直訴し、ポップを作り工夫した」などです。
アルバイトといって「単なるお小遣い稼ぎで、特に向上心もなく言われた仕事をしていた」というのでは、何のPRにもなりません。アルバイトを自己PRのテーマに選ぶ場合、「プロ意識や向上心を持ってい働いていた」というのは最低限必要で「何を考えて働いていたのか、そのためにどのような行動をしたか」を説明しましょう。
「レジが混んでいるときは自分の作業を中断してヘルプに入るなど、洞察力があります」とアピールしても、お客の立場でいえば「当たり前」のことだと感じられてしまうかもしれません。その仕事で「当然の業務内容」をこなしたというのは、あまりよいPRとはいえません。
アルバイト経験は自己PRのテーマとして十分ですが、業界・業種によっては自分が経験したアルバイトとあまり相性がよくない場合もあります。例えば、固定顧客を訪問するルート営業の仕事では、コンビニアルバイトの袋詰めのスキルは活かしにくいですね。逆に、一般の消費者と対面するような仕事であれば、接客のアルバイトは相性が良いといえます。
また、業種によっては仕事の内容はほぼ決まっており、そのタスクを黙々とこなす人員が必要ということもあります。そのような企業では、「独創的なアイデアで売り上げをアップさせました」という人よりは「勤務時間中は作業に集中して、ミスが出ないように心がけていました」という人の方が喜ばれるといったこともあります。
「アルバイトは面倒なのですが」などネガティブな表現、「バイト」などの略語は面接官にあまり良い印象を与えません。履歴書・エントリーシートに自己PRを書く際はこのような表現を避けましょう。
では、上記のポイントを押さえた「アルバイトをアピールする自己PR」の例文をご紹介します。
私がアルバイトをしていた飲食店には、仕事はできるものの周囲とのコミュニケーションがうまく取れていない先輩がいて、私が入った当時も店長に「新人が入ってもすぐに辞めてしまう」と言われました。
その先輩は自分なりの考えがあって指導していたのですが、意図がうまく伝わっていなかったために新人が萎縮してしまい「働きにくい」と感じて辞めていくようでした。私はまずその先輩の話をよく聞き、意図を理解して仕事を覚えることに専念しました。
仕事を覚えてからは新人教育は私に任せてもらうように働きかけ、その先輩には他の仕事に専念してもらいました。新人にはきちんと理由を伝えて仕事を教えるようにし、私が先輩とのクッションになるように心掛けていました。やがて職場の人間関係も良好になり、離職率も下がりました。店長や常連のお客さまにも喜んでもらえています。
上記の例文では「離職率が高い飲食店のアルバイト」で人間関係を改善し、離職率の低下につながった、という事例を述べています。先輩の考えを尊重して新人を指導し、環境を変えられたという点は高く評価できますね。
アルバイトをする大学生は珍しくありませんので、単に「〇〇のアルバイトをしてリーダーになった」といっても効果的なアピールにはなりません。「仕事に対する意識」「成長する意欲」「人柄」をうまく盛り込んで自己PRを書きましょう。
(藤野晶@dcp)
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