では次に、OB・OG訪問の場合の日程調整メールで気をつけなければならないポイントを共有します。
メールを送る際は、まず誰からの紹介でその先輩の連絡先を知ったのか、という点について触れることをおすすめします。いきなり見覚えのないアドレスからメールが来た場合、「いきなり何の連絡なんだろう?」と不審がる場合もあります。また、その先輩は連絡が来ることをご存じだったとしても、書いておくことで「社会人としてのマナーがわかっている学生だ」と思ってもらえます。
サークルや部活の先輩で非常に仲がよい方だったとしても、OB・OG訪問のときは社会人として接しましょう。自分も一社会人になったつもりで礼節をわきまえ、協力をしていただける感謝の姿勢を示しましょう。
先輩から日程を提示してもらうのではなく、こちらから日程を提示していきましょう。先輩は忙しい中会ってくださるわけですから、日程を提示させるという手間をかけるのは失礼です。頼んでいるこちらから日程提示をすれば、先方はその中から自分の都合のよい日時を選ぶことができます。すべてを委ねるのは逆に面倒をかけることを覚えておきましょう。
メールで日程調整をするときの注意点ですが、いつでもいいからといって1カ月先や数カ月先の日程をしてしまうと先輩も都合がわかりません。仕事が急に入ってしまう可能性もありますので、あまりにも先の予定を提示することがないように、2週間以内程度で5~6日程程度を先輩に提出しましょう。そのほうが先輩も日程を選びやすくなります。
こちらがあらかじめ複数の日程を投げておけば、先輩はメールを1通だけ送ればOKという状態になります。このように、忙しい相手を思いやったメールを送るようにしてみてください。
日程調整やアポイントの連絡をするときには、「何を聞きたいのか」というポイントを簡単にまとめて共有しておくことをおすすめします。OB・OGの方は「たくさんいる先輩の中でどうして自分に話を聞きたいのか」がわからないと、どう協力していいのかわかりません。
当日どんな情報を話せばいいのか、の足がかりを伝え、先方が情報収集をしやすいようにしておきましょう。そうすれば、当日が非常に充実した時間となるはずです。
もしメールを送っても連絡がなかった場合、学生の感覚では数日でやきもきしてしまう方も多いと思います。しかし、社会人の先輩にとっては就活生に会うメリットは非常に少ないため、返信自体が後回しになっている、あるいは本業の仕事が忙しくメールへの対応が遅れる可能性もあります。
その場合は1週間返信を待ち、1週間経っても連絡がなかった場合はこのように伝えましょう。
「先日お願いのメールを送らせていただいた下記OB・OG訪問の件ですが、ご検討いかがでしょうか。お忙しい中大変恐縮なのですが、可能か不可能かだけでも伺えれば幸いです。お手数おかけしますが、何卒宜しくお願いいたします。」
このような文面で、お伺いを立てることをおすすめします。先日のメールをその文面の下に貼りつけて、参照できるようにすると先方が非常に対応しやすいでしょう。
先輩にとってみれば、会ってもあまりメリットがない学生に時間を割いてくれるわけです。場所や時間については、先方の都合で動くようにしましょう。また、学生と社会人ということでごちそうになるケースもあります。先方の予定に合わせて動くようにするのがマナーです。場所のご指定をいただいたら、お店の指定があるかを聞いて、なければお店選定から必要であれば予約までを自分で行いましょう。選定の際、いくつかの中から選んでいただくようにするとさらにスマートです。
次に、OB・OG訪問の日程調整のメール例文です。こちらも、相手からの調整のお願いに答えるよりも、自分から日程調整を依頼する場合のほうが難しいので、そのパターンでご紹介します。
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯課
課長 ◯◯ ◯◯様
初めまして。
突然メールを差し上げ、申し訳ございません。
△△大学◯✕学部4年の△△△△と申します。
就職課の☓☓様から◯◯様を紹介いただき、ご連絡させていただいております。
誠にお忙しい中恐縮ではございますが、この度ぜひ◯◯様にOB訪問させていただきたいと思い、メールを差し上げた次第です。
私は現在貴社がナンバーワンである★★業界を中心に就職活動をしており、できれば貴社に入社したいと思っております。ぜひ◯◯社で活躍されている先輩である、◯◯様に説明会では聞けない詳細を伺いたいと思っております。
お忙しいところ恐縮なのですが、ぜひご検討いただければ幸いです。
・◯月◯日(△)〜◯月◯日(△) 13:00-19:00
・◯月◯日(△)〜◯月◯日(△) 11:00-16:00
もしご了承いただける場合、上記の時間帯から◯◯様のご都合のよい日時・場所をご指定いただければと思います。また、ご了承いただけた場合に伺いたい内容についても下記記述させていただきましたので、お目通しいただければ幸いです。
■お伺いしたいこと
・貴社で活躍している人材の特徴
・今の部署で求められる人物像
・◯◯様が就活を行う中で大切にしていたこと
ご多用中とは存じますが、ご検討の程宜しくお願いいたします。
以上
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△△大学◯✕学部4年
△△ △△
電話番号:000-0000-0000
メールアドレス:00@oooo.ac.jp
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面接やOB・OG訪問の日程調整で、メールをする際の注意事項をご紹介しました。基本的にはビジネスメールのポイント10個を覚えておけば、問題ありません。面接やOB・OG訪問などの場面によって使うべき言葉や対応が変わってきますので、ぜひ例文を参考に行ってみてください。
今のうちに正しいメールを覚えておけば、後々社会人になったときにビジネスメールの対応で困ることがなくなるはずです。覚えた知識を活用して、スマートなメールが送れる就活生になりましょう。
執筆:高下真美
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。