【回答例あり】「企業選びの軸」の考え方・答え方のポイントを就活のプロが解説!

【回答例あり】「企業選びの軸」の考え方・答え方のポイントを就活のプロが解説!

2021/07/08

面接

志望動機、自己PRに次いでエントリーシートや面接でよく問われるのが「企業選びの軸」。企業にとって重要な質問の一つなので、的確にポイントを押さえたいもの。ここでは、「企業選びの軸」はどのように考えればよいか、またどう答えればよいか、ポイントと方法を解説します。

企業は「企業選びの軸」を聞いて何を判断している?

そもそも企業側はなぜ「企業選びの軸」を質問するのでしょうか? この質問によって、学生を見極めるポイントとなる2点をご紹介します。

1.自社と価値観が合うかどうか
2.長く勤められるかどうか

それぞれの項目でどんなポイントを見られているのか、解説していきます。

1.自社と価値観が合うかどうか

自社の価値観と、あなたの価値観が合っているかどうかを見ています。価値観が合っていれば、企業の組織風土にも馴染みやすいと思われるからです。いくら優秀に見えても価値観が合わなければ周囲とのコミュニケーションが難しくなり、本来の力を発揮できない可能性もあります。そのため、企業選びの軸を企業は質問していくのです。

2.長く勤められるかどうか

企業選びの軸により、あなたが「長く勤められるか」を判断できます。たとえば企業選びの軸が「海外で働ける可能性があること」だとします。しかし、海外で働けるかどうかは、入社してみないとわかりません。仮に「海外で働くチャンス」に恵まれなかったら、「離職するかも」という懸念を企業側に抱かせてしまいます。企業は、企業選びの軸を質問することで、長く勤め、活躍できる人材であることを見極めていることを認識しましょう。

また、企業選びの軸についてきちんと考えていないと、「興味があったから」「◯◯が好きだから」という浅はかな企業選びを述べることになります。この準備が済んでいるかどうかで、入社意欲を判断することができるのです。

「企業選びの軸」にはどんなものがあるか

企業選びの軸として5つ紹介します。企業選びの軸に迷ったときに参考にしてください。

経営理念

就職活動を進めていく中で、経営者の考え方、事業方針に共感したことを伝えます。経営理念に共感した理由も併せて伝えると効果的です。理由では学生時代に経験したエピソードを交えると採用担当者の納得感を得られるでしょう。

事業内容

関心を持てた事業内容について理由を交えて伝えます。採用担当者は「なぜこの就活生は〇〇業界を志望するのか?」と思っています。企業選びの軸として、理由と共に「○○業界でなくてはならない」意思を伝えることで、業界研究の理解が進んでいることをアピールできます。

仕事内容

業務の中で元々自分が携わりたいと考えていた事業やプロジェクトなど、自分がやりたいことに携わることで自分の成長が叶い、夢や将来への道が開かれることを伝えましょう。夢や将来の道として、独立や転職を思わせる内容は避けるのが無難です。あくまでその企業において、成長した力を発揮して活躍するという道筋を作ってアピールしましょう。

また、その仕事やプロジェクトのどんなところに価値を感じているのか、なぜそれをやりたいと感じているのかの理由も忘れずに伝えてください。理由の内容によって入社したいという本気度をはかることができます。

人材

魅力的な人材と共に働けることを企業選びの軸とすることもできます。人材については、企業の採用ページに載っています。「こんな人と働きたい」イメージを持って、企業選びの軸とします。ただし、人に依存していると思われないよう、「自分が努力してきたポイント」も併せて伝えてください。

組織風土

「こんな組織風土で働きたい」という思いを企業選びの軸として伝えます。自分の強みを活かせる組織風土を伝えると、入社後の活躍のイメージを採用担当者も持つことができます。自分の経験から言える強みを組織風土に関連付けて伝えていきましょう。

企業選びの軸で伝えないほうがよい項目

企業選びの軸の中で伝えないほうがよい項目もあるので参考にしてください。

労働条件

残業が少ない、居心地がよい、安定性がある、勤務地が通いやすいなど、自分にとってメリットが大きい項目については面接で伝えるべきポイントではありません。なぜなら企業にメリットを与えられる可能性が少ない内容だからです。企業に伝えるべきはあなたが「採用した方がよい人物だ」と感じられる内容のみに絞っておくことが重要です。

待遇

待遇についても同じで、給与が高い、手当が充実している、割引利用できる施設が多いなど、入った後に享受できるメリットは「それを目的として入ってくる」という風に見られてしまう可能性も高いので伝えないほうがよいです。

「企業選びの軸は?」と聞かれたときの答え方のポイント3つ

面接などで「企業選びの軸は?」と聞かれる回数は非常に多く、特に他社の選考状況とセットのケースが多いです。質問頻度が高い項目ですから、いつでも魅力的な内容をスラスラと答えられるように、3つのポイントを覚えておきましょう。

1.結論から答える

「企業選びの軸は?」と聞かれたら、「私は〇〇のような会社で働きたい」と、結論から答えてください。「若いうちから挑戦できる組織風土の会社で働きたい」「既存事業に留まらず、新規事業にも果敢にチャレンジしている会社で働きたい」と明確に言うのです。その上で、理由となるエピソードを述べてください。

2.きっかけとなるエピソードをつける

成功体験や過去に挫折した体験などをもとに、「なぜ〇〇を企業選びの軸としたのか」をまとめていきます。具体的なエピソードがあれば、「企業選びに情熱を持っていること」が伝わり説得力が増します。さらに、入社後の活躍をイメージしてもらえるような入社意欲を伝える効果も期待できるのです。

3.志望動機と「企業選びの軸」を関連付ける

エピソードの後は「貴社を志望している」ことを伝えます。「企業選びの軸」と志望動機が密接に繋がっているように、企業分析をしっかり行ってください。志望動機との関連付けにより説得力のある内容になります。間違っても志望企業と関係のない「企業選びの軸」にはしないようにしましょう。

「企業選びの軸は?」と聞かれたときの例文

企業選びの軸を聞かれたときにどう答えればよいか、参考になる例文を紹介します。

「私の企業選びの軸は、『若いうちから挑戦できる組織風土の会社で働けること』です。そう思ったきっかけは、学生時代のアルバイト経験にあります。私は営業事務のアルバイトをしていて、最初は言われたことを正しく実践することに重点を置いていました。しかし、営業が働きやすくなるよう、業務フローやシステムの導入を提案し、結果的に営業が事務処理にかける工数を30%削減することができました。貴社は社歴に関係なく改善提案ができる組織風土と伺っており、私の企業選びの軸と合っているため志望いたしました」

上記の例文では、先ほど紹介した「企業選びの軸は?」と聞かれたときの答え方のポイント3つをしっかり盛り込んだ発言になっていますね。一つひとつを解説しましょう。

1.結論から答える

まずは明確に「企業選びの軸」は「若いうちから挑戦できる組織風土の会社で働けること」だということから答えています。例文にあるように、シンプルな表現を心がけましょう。

2.きっかけとなるエピソードをつける

なぜ「企業選びの軸」を〇〇としたのか。きっかけとなるエピソードが具体的に表現されています。「最初は言われたことを正しく実践」していたが、自ら提案して営業の工数を削減した事例を述べています。自分が実践したエピソードがきっかけで「企業選びの軸」としていることがよく伝わる内容です。

3.志望動機と「企業選びの軸」を関連付ける

例文の最後に志望動機と「企業選びの軸」を関連付けて答えています。「貴社は社歴に関係なく改善提案ができる組織風土」と述べることで、入社意欲の高さが伝わります。

まとめ:「企業選びの軸」の答え方

面接でたくさん聞かれる「企業選びの軸」を聞かれたときの答え方と例文を紹介しました。自分の過去の経験を掘り返し、見つけ出すことで面接官も納得してくれる企業選びの軸を見つけられるはずです。

自分の将来の第一歩となる就活ですから、手を抜かずに振り返ってみてください。きっと就活を成功に導いてくれるヒントが見つかりますよ。

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監修・文/山崎英理夫

人事コンサルティング歴4年、人事歴8年。人事コンサルタントとして教育研修のプログラム開発、人事制度診断等を提供。また、企業人事として新卒・中途採用に従事し、人事制度構築や教育研修の企画・運用など幅広く活動。この経験を活かし、人材関連の執筆にも数多く取り組む。
http://erinanase.com/

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